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アメリカでの育児・子育て

ライトハウスに連載中の人気教育コラム、ハワイ在住の専門家がバイリンガル教育のノウハウを提案する「船津徹のアメリカで実践 バイリンガル子育ての秘訣」のほか、英語学習や学校教育、受験などについての疑問に答える「教育カウンセリング」をご紹介。アメリカでの育児・子育て・教育・子供の学校選び・進学に役立つ情報を提供しています。

船津 徹
船津 徹

バイリンガル教育カウンセラー。福岡県生まれ。

日本の公立の中高一貫校について教えてください。

小学生と中学生の子供がいます。帰国後、私立だけではなく、公立中学・高校への進学も考えています。最近、公立の中高一貫の学校ができていると聞きました。どんな学校なのでしょうか。また、帰国子女でも入れる学校はあるのでしょうか。

松本輝彦(INFOE代表)

中高一貫校の設立は教育改革の一環
帰国子女向けの特別枠も

6・3・3制を見直し
6年一貫教育が誕生


 日本の教育改革の一環として学校制度の見直しが進んでいます。その1つに、従来の6・3・3制を見直して、現代の子供たちの発達段階や進学などのニーズに応えられる制度を新たに設ける動きがあります。その中に、中学と高校の教育課程を一体として考える、6年一貫教育校が誕生しています。東京都の例を見てみましょう。

東京都の中高一貫教育校
3つのタイプ


 中高一貫教育校は、「中学校から高校までの6年間を継続して学ぶことができる学校です。6年間にわたる一貫した教育活動を計画的・効率的に行うことにより、学力や教養を身に付け、将来、社会のさまざまな場面、分野でのリーダーとなりうる人材を育てていきます」と紹介され、次の3つのタイプに分けられています。

中等教育学校
 1つの学校として、6年間を通じて中高一貫教育を行う学校。中学にあたる前期課程と高校にあたる後期課程からなっています。6年一貫教育を行うために、後期課程からの生徒募集は行いません。

併設型の中学校・高校
 都立中学校と都立高校の2つの学校を接続します。併設型の中学校から併設型の高校へは、入学試験を受けずに進学できます。併設型の高校は、他の中学校卒業生を対象に一般募集も行います。

連携型の中学校・高校
 色々なタイプの都立高校が区市町村立中学校と連携して、中学生が高校レベルの勉強をしたり、高校生が中学校で勉強したことを、改めて学習したりするなど、各学校において、特色ある教育を行います。行事や部活動などでも高校生と中学生の交流を行います。

都立中学でも入学選考
帰国子女も入学可能


 ,料梓課程(中学)、△涼羈悄高校、の高校については、東京都全域を対象に生徒を募集します。他の都立高校も含めて、従来の学区制はなくなりました。都内の公立の中学校は区立や市町村立で、義務教育でもあるので、入学選考は課されませんでした。しかし、,鉢△砲弔い匿靴靴都立の中学校が設立されることになり、都立中学独自の入学選考が2005年春から始まりました。

 平成18年度入学の、帰国子女のための受験資格は、「日本人学校」「現地校」共に、義務教育段階の教育を受け、かつ「平成5年4月2日から平成6年4月1日までの間に出生した者」となっています。また、「保護者とともに入学日までに都内に転入することが確実な者」とされていますが、「志願者のみが帰国する場合は、保護者に代わる都内在住の身元引受人がいて、かつ、父または母のいずれか一方が志願者の入学後1年以内に帰国し、都内に志願者と同居することが確実であること」と、緩やかなものになっています。

 入学選考は、特別枠と一般枠に分かれています。都立初の中高一貫教育校として平成17年4月に開校した「東京都立白乗ス高等学校附属中学校」(台東区)の特別枠受験の応募基準の1つとして「実用英語技能検定(英検)2級以上」があります。現地校で学んでいる子供にとっては、受験しやすい学校だと思います。

 東京都教育委員会では、大規模な高校改革を平成23年度までに完了します。その改革の中に「中高一貫教育校」の中の中等学校と併設型中高一貫教育校、計10校の開校が含まれています。

 平成20年度に立川市(現・北多摩高校)に開校予定の「国際中等教育学校」は、帰国子女にとっての新しいチョイスになります。この学校は1学年定員160名で、その内、4分の1から3分の1を外国人・帰国子女の枠としています。中等学校なので、中学入学時が入学時期ですが、帰国子女については、「欠員状況に応じて柔軟に対応」としています。



 東京都立の中高一貫教育校を紹介しました。私立の中高一貫校同様、公立の学校も特徴を出そうとしています。東京都では、私立学校で学ぶ中高生は公立学校生徒より多くなっていますが、公立学校自体の努力と社会的・経済的な理由から、公立校に目を向ける保護者も増えてきています。子供の帰国後の進学のチョイスを広げるために、他の都道府県の現状も含めて、公立の実態を見てみませんか。

出典:「都立高校 新しい時代の幕開け−都立高校改革ガイドブック−」平成15年1月、東京都教育委員会
東京都教育委員会ホームページ:http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/index.html