学ぶ・育てる
Study

アメリカでの育児・子育て

ライトハウスに連載中の人気教育コラム、ハワイ在住の専門家がバイリンガル教育のノウハウを提案する「船津徹のアメリカで実践 バイリンガル子育ての秘訣」のほか、英語学習や学校教育、受験などについての疑問に答える「教育カウンセリング」をご紹介。アメリカでの育児・子育て・教育・子供の学校選び・進学に役立つ情報を提供しています。

船津 徹
船津 徹

バイリンガル教育カウンセラー。福岡県生まれ。

4〜5年の滞在で「バイリンガル」「バイカルチャー」に育てるには?

渡米して3カ月の主婦です。駐在員の夫と4歳と6歳になる娘がいます。4〜5年の滞在予定ですが、子供たちにはできるだけアメリカの文化に触れさせて、国際感覚を持って育ってほしいと思っています。「バイリンガル」「バイカルチャー」に育てたいと思いますが、滞在期間中にどの程度まで目指すことができるでしょうか?

松本輝彦(INFOE代表)

家族全員の不断の協力と努力が必要
学校でしっかり学習させるのが基本

両親も積極的に
学校行事に参加を


 お子さんに国際感覚を持たせるには、お父さん・お母さんの努力が大切です。積極的にアメリカ社会に接触させてあげてください。

 キンダーガーテンや小学校での学校生活は、ただ単に勉強の場ではなく、アメリカの文化や社会に触れる窓口です。お子さんたちだけではなくご両親も学校生活に積極的に関わって、ボランティア活動やオープンハウスなどの行事には必ず参加しましょう。お父さんも、日本の時に比べて、長期の休暇をとることも可能だと思います。家族そろっての旅行は、海外での生活の最も楽しかった思い出として、子供の心の中に永遠に刻み込まれます。

 小学生としての海外生活のあらゆる体験は、日本に帰国後の成長の過程で、意味づけされ、お子さんのものの考え方の基礎として定着していきます。経験の豊かさが鍵です。

どんなふうに育てるのか
親としての希望を明確に


 子供をバイリンガルに育てることは決して簡単ではないことを、ご両親の心にしっかりと刻んでください。家族全員の不断の協力と努力が必要です。海外滞在中だけではなく、日本帰国後も機会を作り、その努力を継続することが必要です。その苦労は必ず報われ、お子さんの人生にとって大きな「宝物」になります。

 具体的に考えてみましょう。

 ご両親は、「バイリンガル」という言葉で、子供のどんな将来の姿を想像しているのでしょうか? 子供をどんなバイリンガルに育てたいのか、親としての希望を明確にしてください。その目標により、方法も努力のレベルも異なってきます。大人になった時に読み書きも含めて、日本語と英語がネイティブと同じように使いこなせるように育てたいならば、環境だけではなく、家庭でのサポートや工夫も必要です。

 2人のお子さんはこれから学校教育を受け始める年齢です。バイリンガル教育を始めるのは、大変望ましい時期です。学校での勉強をしっかりさせてください。

 補習授業校でネイティブとしての日本語での学習と、現地校での英語での学習の組み合わせが、バイリンガルの子供を育てるのに最も有効な方法だと思います。ここで言う「日本語での学習」とは、さまざまな教科や学習内容を日本語で指導を受け、日本語で学ぶことです。英語についても、同じように学習を続けることです。バイリンガルとは、決して言葉だけの学習ではありません。その言葉を道具として使って、物事を理解し、考え方を述べられる能力です。そのためには、それぞれの言葉での知識・理解する能力を高める必要があります。そのベストの方法が学校での学習です。

小学校4年生くらいまで
毎日読み聞かせを


 低年齢の2人のお子さんをバイリンガルに育てるもう1つの秘訣は、「読書」です。アメリカの学校での勉強は読書が基本です。「Reading by 9」という言葉で、9歳までに自分で本を読む習慣をつけないと、それ以後の学習で大きな効果が望めない、とされています。現地校の教科書が厚くたくさんの記述があるのは、自分自身で読んで理解する勉強方法を想定しているのです。そのため、キンダーから非常に積極的に読書の指導をします。現地校の先生の指導に従うことが、英語での読書力の向上につながります。

 日本語での読書の指導は家庭でしましょう。お母さんの担当です。お子さんに本を与えるだけでは不十分です。少なくとも小学校4年生くらいまでは、お母さんが毎日読み聞かせをしてあげてください。どんな本でも、子供の気に入ったものでOKですから、「書かれた日本語」に触れる機会をなるべく多くすることが、読み聞かせの目標です。



 「家庭・補習校では日本語で、現地校では英語でしっかり学習させる」ことが、子供をバイリンガルに育てる基本形です。そして、日本帰国後は、日本語での学習に加えて、読み書き中心の英語での学習や読書を少なくとも13歳までは続けさせてください。そうすれば、大学生になった時に読み書きも含めて、日本語と英語が自由に使いこなせるようになります。

 お子さんの未来のために、頑張ってください。