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アメリカでの育児・子育て

ライトハウスに連載中の人気教育コラム、ハワイ在住の専門家がバイリンガル教育のノウハウを提案する「船津徹のアメリカで実践 バイリンガル子育ての秘訣」のほか、英語学習や学校教育、受験などについての疑問に答える「教育カウンセリング」をご紹介。アメリカでの育児・子育て・教育・子供の学校選び・進学に役立つ情報を提供しています。

船津 徹
船津 徹

バイリンガル教育カウンセラー。福岡県生まれ。

子供の日本語が不自然で、会話に英語が入るのですが…

在米4年で、現地校と週1回の補習校に通う小学6年生の息子がいます。家庭では日本語を使っているのですが、日本語が最近不自然になってきています。会話の中に頻繁に英語が入り、新しい語彙や漢字を覚えるのにも苦労しています。あと2〜3年で帰国予定ですが心配です。どうすればいいでしょうか?

松本輝彦(INFOE代表)

今後の努力次第で両言語読み書きが
できるバイリンガルになれます

 これまでのお子さんの環境を考えれば当然のことです。日本語で知らない言葉であれば、英語になります。現地校での学習内容が、お子さんの日本語の貯金以上のレベルになってきた証拠です。また、日頃使ったことのない言葉や漢字は簡単に覚えられません。お母さんご自身の最近の漢字力を考えてみれば、わかるはずです。

 このような経歴のお子さんの現状を理解するために、渡米から帰国までの段階を見てみましょう。

渡米:小学校低学年

 日本の学校での勉強は話し言葉中心で、本格的な読み書きの学習に入っていない段階で渡米。当然、英語はまったくの白紙でした。

 渡米後は、現地校と補習校での日英両語の教育を選択しました。週5日通学する現地校で英語習得と英語での学習をさせるのと並行して、家庭と週1回の補習校で日本語習得と日本語による科目学習を続けさせています。

現在:滞米4年で6年生

 英語の日常会話に問題なく、ネイティブの子供と同じように話しています。現地校の勉強にも慣れて、日常の学習は自分自身でこなせるようになってきました。しかし、5年生からは教科書の学習内容も深く広がって、書かれた文章も難しくなっており、特に日本の教育ではまったくみられなかった、文章(エッセイ)を書く勉強には苦労しています。家庭で手伝うのが無理になってきたので、家庭教師でもつけようかと考えています。

帰国予定:2〜3年後

 帰国予定の時期は、高校入学の前後になります。具体的には、高校入試とその準備、入学後の学習、さらには大学進学などが心配です。帰国先がどこになるのか、関東か関西かすらはっきりしないので、学校選びもままなりません。帰国先に帰国子女受入校があれば、現地校での勉強を評価して入試を実施してくれる学校も見つかるとは思います。しかし地方に帰国した場合は、そのような学校もなく、日本国内の受験生と同じ入試を受けなければなりません。

今後の方針

 以上のような経歴・状況のお子さんのなすべきことを、大切なものから順に見てみましょう。

仝獣蝋擦諒拔に全力を尽くす

 現地校の学習が最優先です。週5日の現地校の勉強は、言葉の習得だけではなく、英語での学力をつけるためのものです。現地校の勉強をしっかりやっている子供に時間の余裕をあげれば、日本語での勉強をキャッチアップするのは決して難しくありません。
 さらに、現地校で身につけた学習スキルは、日本に帰国後、お子さんにとって「宝物」になることは、このコラムでも繰り返し申し上げてきました。

∧篏校の勉強にベストを尽くす

 現地校の勉強がこなせれば、次は補習校の勉強です。補習校での学習は内容の理解を大切にしてください。単に記憶するだけの漢字学習や言葉の暗記は無力です。また、補習校は勉強だけが目的ではありませんので、日本語の完成を目指して最低中学1年生の終わりまでは、頑張らせてください。

2板蹐任瞭本語環境を整える

 新しい言葉や漢字が覚えられないのは、そのような日本語に接していないからです。会話ではなくて、書かれた日本語に接する工夫をしてください。「毎日、原稿用紙1枚分、日本語の文章の書き写し」がおすすめです。日々の日本語環境を作ることが、受験準備の第一歩です。

そ里箍板躑技佞覇本の学習補強

 ,らまでが実行でき、まだ余裕があれば、受験準備の基礎となる学習や不得意科目の補強を考えてください。その際、「´△しっかりできない時はい鷲垈椎宗廚鬚靴辰り頭に置いてください。親の不安解消のために子供を無理に塾に通わせても、時間とお金の無駄に終わってしまいます。



 ご相談のお子さんの学齢は、第1言語の完成期に当たります。たとえ日常会話はバイリンガルでも、読み書き中心の学習言語は英語になります。日本語の読み書きもできるレベルの高いバイリンガルを目指すならば、この1、2年は、本人の更なる努力と保護者のサポートが不可欠です。逆に言うと、今後のもう少しの努力で、大人になっても通用するバイリンガルになれるのです。

 そのためにも、保護者がしっかりした情報を入手し、自分たちの責任で子供の教育の方向を決めていく必要があります。