学ぶ・育てる
Study

アメリカでの育児・子育て

ライトハウスに連載中の人気教育コラム、ハワイ在住の専門家がバイリンガル教育のノウハウを提案する「船津徹のアメリカで実践 バイリンガル子育ての秘訣」のほか、英語学習や学校教育、受験などについての疑問に答える「教育カウンセリング」をご紹介。アメリカでの育児・子育て・教育・子供の学校選び・進学に役立つ情報を提供しています。

船津 徹
船津 徹

バイリンガル教育カウンセラー。福岡県生まれ。

勉強ができる子の育て方

「バイリンガル子育ての秘訣」船津 徹(TLC for Kids代表)

学生になった子どもを持つ父兄から「子どもが勉強嫌いで困っています」という相談をよく受けます。私は「勉強好きにすることよりも、勉強が苦にならない習慣を育てる努力をしてください」とアドバイスします。今までさまざまなタイプの子どもを見てきましたが、勉強ができる子に共通しているのが「勉強が苦にならない」心の習慣です。
「勉強が苦にならない」習慣は、親から遺伝するものではなく、両親の働きかけによって育てられるものです。そして、この習慣を育てる最適期は、皆さんが思っているよりもはるかに早く、子どもがオギャーと生まれたその日から、小学校に上がるまでの6年間です。小学1年生になったときには、勉強が苦になる子とならない子は、はっきりと分かれています。
勉強が苦にならない習慣は、年齢が小さいほど高度に備わります。5歳よりも4歳、4歳よりも3歳の子どもの方が楽に身に付けることができます。小学生になって慌てて「本を読みなさい」「勉強しなさい」と言っても思うようにいかないのは周知の事実。子どもが学校で苦労する羽目にならないように、小学校入学までに学習習慣を付けてあげることは「親の責任」です。

自信があるから勉強に向き合える
勉強が苦にならない習慣を育てる第一歩は「自信育て」です。「自分はやればできる」と信じている子は、何事にも積極的に取り組むことができます。反対に自信が育っていない子は、「やってもどうせ無理だ」という気持ちが根底にあるので、物事に粘り強く向き合うことができず、すぐに投げ出します。
ここで言う自信とは、「親から愛され必要とされている」自信であり、子どもの努力によって獲得する自信ではありません。親が無償の愛を与え続け、それを子どもが実感することによって育つ自信です。もちろんたいていの親は子どもを愛していると思っています。でも、それが子どもに伝わっていなければ「愛情のすれ違い」となり、子どもの自信は育たないのです。
愛されている自信が揺らぐと、子どもは臆病で消極的になる反面、他人には攻撃的になります。また親の愛情を、甘え、反抗、自損、他損など、さまざまな行為で確認しようとします。子どもに愛情不足の兆候があるときは、スキンシップを増やし愛情のインプットを積み上げてください。親の愛情が実感できれば、問題行動は改善し、学習習慣作りを受け入れる準備が整います。

忍耐力を育てる
勉強が苦にならない習慣を育てる次のステップが「忍耐力」の育成です。毎日同じことにコツコツ取り組み、忍耐力として定着させるのです。最初は、絵本の読み聞かせとプリント学習を日課とすることから始めてください。忍耐力を育てるには、5〜10年という長い期間が必要です。乳幼児から始めても最低5〜6年はかかると思ってください。両親にも多くの根気を要しますが、この時期の献身的な働きかけが、将来、子どもに強靭な忍耐力を与えます。
絵本の読み聞かせは、毎日30分〜1時間を目安に行なってください。幼い子どもには、同じ絵本を何度でも繰り返し読んであげましょう。読み聞かせによって言語力や想像力が豊かに発達することはもちろん、活字に対する抵抗感がなくなり、子どもを本好きに育てることができます。
プリント学習は毎日10〜15分を目安に行ないます。幼い子どもには、塗り絵や線つなぎなど、筆圧を育てるプリントから取り組ませます。年齢とレベルに応じて文字や数字などのプリントを与えてください。ポイントは、難しすぎる内容を与えないこと、そしてプリントをするときは両親が一緒についてあげることです。毎日決まった時間に、決まった量をこなすことを心がけてください。

現地校入学までに英語力を育てる
バイリンガル子育てでは、勉強が苦にならない習慣と同時に、小学校入学までに英語面の対策をしておくことが大切です。いくら日本語で高い学力が育っていても、英語が全くできなければ、現地校の授業についていくことはできません。
現地校に入学すると、多くの子どもが、英語力不足から「自分は勉強ができない」と自信喪失を経験します。これを回避するには、基本的な英語の読み書きを身に付けさせておくことが必要です。読み書きができれば、小学低学年程度の学習内容であれば簡単についていくことができますから、子どもの自信が傷つくことはありません。


(2015年2月1日号掲載)