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アメリカでの育児・子育て

ライトハウスに連載中の人気教育コラム、ハワイ在住の専門家がバイリンガル教育のノウハウを提案する「船津徹のアメリカで実践 バイリンガル子育ての秘訣」のほか、英語学習や学校教育、受験などについての疑問に答える「教育カウンセリング」をご紹介。アメリカでの育児・子育て・教育・子供の学校選び・進学に役立つ情報を提供しています。

船津 徹
船津 徹

バイリンガル教育カウンセラー。福岡県生まれ。

駐在員家庭のバイリンガル子育て

「バイリンガル子育ての秘訣」船津 徹(TLC for Kids代表)

駐在など期間限定でアメリカに滞在する家庭のバイリンガル子育ての目標は、子どもに「一生使える英語力」を与えることでしょう。2〜3年の限られた期間でも、適切なサポートを与えれば、帰国後も一生失うことのない、高度な英語力を身に付けることができます。
一生使える英語力とは、具体的には英検準1級以上、ハリーポッターが原書で読める読解力、学年ではアメリカの小学3〜4年生レベルです。これが達成できれば、大学受験から就職まで、あらゆる英語の試験をトップで突破していくことができます。
日本では英語ができることは「特技」です。多くの人が英語を身に付けるために10年、15年と努力しています。その「特技」が、駐在期間のたった数年間で身に付けられるのです。「一生使える英語力」が身に付けば、子どもの将来の選択肢は大きく広がります。

小学生以上であれば日本語は大丈夫
駐在家庭の父兄は、子どもの日本語力を過度に心配する傾向があります。日本に帰ってから勉強についていけるのか、受験で出遅れないか、という不安です。結論を言いますと、小学生以上の子どもがアメリカに2〜3年滞在しても日本語力が大きく落ち込むことはありません。
もちろん家庭で日本語の本を読ませたり、漢字学習をサポートしたりするという前提です。小学生レベルの学習内容であれば、両親が先生になって教えることができます。最近はアメリカでも漢字検定試験が受けられますから、◯級合格!など、具体的な目標を持って取り組ませるとよいでしょう。
駐在を終えて帰国した時は、塾などで学習のキャッチアップを集中的に行なってください。補習が必要な教科は国語と社会です。算数と理科については、アメリカの学校でも習っていますので、大きく遅れることはありません。普通、数カ月もすれば日本の教科学習に追いつくことができます。
両親が帰国後の日本語力を心配するのは分かりますが、アメリカの学校に通っている子どもにとって重要なのは英語力です。子どもからすれば、毎日苦労している英語を一刻も早く身に付けたいのです。両親は子どもの心情を理解し英語を優先してサポートを与えてください。

英語の読み書きを早期に与える
「一生使える英語力」を身に付けるには、両親の責任で英語の「読み書き」をサポートしなければいけません。現地校(ELL)に通わせておけば、英語力は身に付くだろうと思ってはいけません。ELLで身に付けられるのは必要最低限の英語力だけです。
特に初歩の読み書きは待ったなしです。読み書きを獲得するまでの期間が長くなればなるほど、子どもは自信を喪失します。英語が分からない間は授業も分かりませんから、「自分は勉強ができないのだ」と思い込んでしまうのです。この状態が続くと、自信とやる気が減退し、対人関係などにも影響を与えるようになります。アメリカでの滞在を有意義な経験にするためにも、両親は英語の「読み書き」を早急にサポートしてあげてください。英語の本が読め、文章が書けるようになって、子どもは初めて授業が分かり、教科学習についていけるようになります。

短期間で読み書きを身に付けるには
読み書きを短期間で身に付けるには、ESL指導を専門とするチューターや塾の助けが必要です。子どもがアメリカに来て間もないうちは、外国人の指導経験がない先生から教わるのは極力避けましょう。「英語ネイティブ」というだけで先生を選ぶのは軽卒です。
日本人なら誰でも日本語を話せますが、外国人に日本語を教えることはできませんね。同様に、英語を英語が分からない外国人に教えるには、専門知識と経験が必要です。指導経験を確認した上で、専門性の高い先生を選んでください。
また、家庭でも読み書きのサポートを与えることが大切です。教える時のポイントは2つ。一つは「英語で英語を教える」こと。日本人は英語を訳して考える習慣がありますが、子どもは英語で英語を理解できます。シソーラスと呼ばれる類語辞書を与えて英語で理解できるように導いてください。
二つ目は「頻出単語を教える」こと。英語は文章でよく使われる単語が明確です。頻出単語は「サイトワーズ」と呼ばれます。サイトワーズのリストはインターネットで簡単に入手できますから、プリンアウトして覚えさせましょう。

(2015年4月1日号掲載)