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アメリカでの育児・子育て

ライトハウスに連載中の人気教育コラム、ハワイ在住の専門家がバイリンガル教育のノウハウを提案する「船津徹のアメリカで実践 バイリンガル子育ての秘訣」のほか、英語学習や学校教育、受験などについての疑問に答える「教育カウンセリング」をご紹介。アメリカでの育児・子育て・教育・子供の学校選び・進学に役立つ情報を提供しています。

船津 徹
船津 徹

バイリンガル教育カウンセラー。福岡県生まれ。

日本語に接する機会が少ないので日本人が多い学校に転校させたい

現在、子供を通わせている現地校は日本人が少なく、子供が日本語に接する機会が少ないです。土曜日は習い事があるので補習校に通わせることはできません。日本人が多い学校に転校をさせたいと考えていますが、どのような手続きが必要ですか。

松本輝彦(INFOE代表)

転校そのものは簡単な手続きだが
日本語学習は現地校以外で

転校の手順

 まずは、現地校の転校のための一般的な手順をご説明しましょう。

仝什澆粒惺擦了務室に行き、その学校から転出する旨を伝える。
∋務員の指示に従って、学級担任(小学校)や教科担任(中学・高校)のところに行き、教科書を返したり、転出日までの成績を受け取ったりする。これで転出完了。
新しい学校へ行き、転入のための書類一式をもらって記入・提出し、転入の許可を得る。
づ亶蚕蘰に、事務員の指示に従い、小学校の場合には決められた学級に出向き、中学・高校の場合は、決めた時間割に従って授業を受け始める。これで転入完了。

 高校生の場合は、卒業に必要な受講科目や単位の詳細について、カウンセラーとの相談が入ったりしますが、基本的な現地校の転出・転入は、以上のように簡単です。

同じ学校区内での転校

 一般的に学校区(School District)は通学区域を指定しています。ですから、同一学校区内で転校を希望する場合、転入先の校長や学校区に説明を求められます。
 Open Districtでは、学校区内の学校を自由に選べます。また、通学区域をその学校区全体に広げた特定の学校(マグネットスクールなど)を持っている学校区もあります。これらの学校に転入するのであれば、転入先の校長の許可だけが必要です。

他の学校区への転校

 他の学校区の学校へ転入する場合は、アメリカの学校に初めて入学した時と同じ手続きが必要となります。
 特に、法律で決められた予防接種は、前の学校に入る時に完了しているはずですから、その証明を前の学校からもらって新しい学校へ提出すれば良いでしょう。
 さらに、家庭での使用言語(Home Language)が英語以外であれば、英語の能力試験(Placement Test)を受けた後、転入後の受講クラスが決定します。

越境入学

 どの学校区でも、保護者の勤務先がその学校区内にあるなどの特別な理由があれば、学校区や通学区域を越えた転入学(越境入学)を認める場合があります。
 越境入学に限らず、通常の転入でも、児童生徒数が多すぎるなどの理由で転入を拒否される場合がありますので、事前の調査が必要です。

学業の記録は?

 アメリカの学校では、児童生徒の学業や活動の記録はファイル(Accum File)に記録・保管されています。
 転校した場合は、保護者の要請に基づき、このファイルを前の学校から新しい学校へと学校間で移すのが原則です。履修単位を元に卒業資格を授与する高校の場合とは異なり、小学校や中学校ではこの記録の扱いが雑で、時として紛失してしまう場合もあります。転出時に学校へ申し出て、ファイルを保護者自身が新しい学校へ持参することも可能です。

日本語のために
現地校を転校?


 これまでの子供たちの実態から判断すると、現地校での友達との日本語による接触程度では、遊びの中に出てくる、ごく限られた単語を覚える程度です。
 この文からだけでは、お子さんの年齢、滞在歴、今後の予定などがはっきりしませんが、「土曜日は習い事があるので補習校に通わせることはできません」とのこと。日本語の実力をどのレベルまで伸ばしたいと考えられているのでしょうか。
 「日本人が少ない」からといって、転校しても、昔のように1クラスに日本人生徒が何人かいる学校は、南カリフォルニアといえども、ほとんどなくなってしまったのが現状です。よく調べてみてください。逆に、この地域には、良くも悪くも、全米の他の地域では望めないほどの、塾や平日の補習校など、日本語での勉強の機会に恵まれています。「日本語に接する機会」を求めるならば、その中から、お子さんの状況に合った勉強の方法を探すことをおすすめします。
 また、私の持論ですが、お子さんが大人になった時に役立つ日本語力をつけるためには、会話だけではなく読み書きのトレーニングが必要です。もう1度、お子さんの日本語教育について考えてみませんか?