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アメリカでの育児・子育て

ライトハウスに連載中の人気教育コラム、ハワイ在住の専門家がバイリンガル教育のノウハウを提案する「船津徹のアメリカで実践 バイリンガル子育ての秘訣」のほか、英語学習や学校教育、受験などについての疑問に答える「教育カウンセリング」をご紹介。アメリカでの育児・子育て・教育・子供の学校選び・進学に役立つ情報を提供しています。

船津 徹
船津 徹

バイリンガル教育カウンセラー。福岡県生まれ。

帰国子女枠で進学校に合格 帰国までに勉強で準備することは

帰国子女枠で日本の有名進学校に合格しました。日本での勉強に順応させるために、どのようなことに注意して、準備をしておけば良いでしょうか。

松本輝彦(INFOE代表)

アメリカ滞在中に英語を得意科目に
国語はハンデの克服を

 合格おめでとうございます。帰国後の学校が帰国前に決まるという、大半の保護者にとってはうらやましい結果も、本人とご両親の努力の賜物です。
 さて、入学するのが中学か高校か、学校の形態、また入学後のカリキュラムの違いにより、進学後の勉学・適応のための準備が異なってきます。代表的なケースについて、考えてみましょう。

進学校のスタイル

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 大学進学で実績を上げている有名進学校の大半は、中高6年の一貫教育を行っています。その目的は、中高6年間の学習内容を4〜5年で済ませて、余裕の出た時間を大学入試受験のトレーニングや特訓に充てるためです。少なくとも高校3年の1年間を予備校同様の受験勉強に費やし、他校に差をつけるのです。
 このような学校に中学1年生として入学した場合、国内から入学する子供たちと同時に勉強をスタートし、新しい教科や内容を第1歩から学びます。大学進学まで6年間と時間的な余裕もありますので、学校で与えられる学習内容を指導に従って学んでいけば、学習面でも生活面でも、適応には大きな問題は少ないでしょう。

中高一貫校の高校入学
 中高一貫校への高校からの入学生が、それまでの中学3年間で高校の勉強の一部を先取りしてきた同級生と、同じカリキュラムで勉強をすることは不可能です。そのため、高校からの入学者には別のカリキュラムが用意されていて、1日も早く同級生の学習進度に追いつくための厳しい勉強が要求されます。

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 高校3年間のカリキュラムの学習と並行して、大学受験準備を進めていきます。一部の公立進学校では、教科学習の中に受験の内容を組み込んだり、補習授業を行って、不足する学習時間を確保したりするなど、積極的な指導をしています。しかし、学校によっては,筬△粒惺擦寮古未汎韻献譽戰襪梁膤悗鯀世際には、1年くらいの浪人を覚悟する必要があります。

 以上、進学校での勉強の違いを簡単にまとめてみました。どのタイプの学校であっても、「入学後、勉強についていけるかしら?」と不安は大きいとは思います。しかし、たとえその学校の指導が厳しいものであっても、指導に当たる先生方が、「この子はわが校の勉学についていける」と判断したから「合格」としたのです。必要以上の心配は無用です。

帰国に向けた準備

 次に簡単に、入学後の学習のために、海外でできる準備を、大切なものから順に紹介しましょう。
■英語
 アメリカ滞在の残された日々を、英語の学習に全力を傾けてください。現地校はもちろんのこと、日本人学校に通っていたとしても、英語学習では帰国後に比べて恵まれた環境にあります。最近の日本での英語学習はコミュニケーションが強調されていて、聞く・話す能力が重要視されています。大学入学のためのセンター試験に英語のリスニング試験が導入されたことからも、そのことがはっきりと分かります。海外で身につけた「宝」である英語力を、大学受験でも得意科目にできるようにしてください。また、帰国後も「ネイティブ」のレベルでの英語学習の継続を忘れないようにしてください。
■国語
 毎日日本語に接している日本国内の生徒に比べて、海外で生活する子供たちが、総合的な日本語力でハンデを抱えているのは当然です。単純ですが、漢字の練習、日本語での読書、日本語の文章の書き写しなどをスタートして、日本語環境の充実を試みてください。
■算数・数学
 現地校や日本人学校での算数・数学の学習で、学習内容の理解が十分できていても、日本国内の生徒と大きな差があるのは問題練習の量で、それは計算の速さに典型的に現れてきます。最近は、海外在住の合格者に宿題や課題を出す学校も出てきました。学校に問い合わせて、事前学習のアドバイスを求めてはいかがでしょう。

帰国後の適応

 最後に、日本帰国後の適応についてひと言。日本の有名進学校と現地校・日本人学校では、勉強はもちろんのこと、学校の「文化」が大きく異なります。「アメリカに到着した時と同じように、帰国後も子供の生活や勉強の変化に十分目を向ける」ということが、最も大切です。それが異文化適応の基本です。