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アメリカでの育児・子育て

ライトハウスに連載中の人気教育コラム、ハワイ在住の専門家がバイリンガル教育のノウハウを提案する「船津徹のアメリカで実践 バイリンガル子育ての秘訣」のほか、英語学習や学校教育、受験などについての疑問に答える「教育カウンセリング」をご紹介。アメリカでの育児・子育て・教育・子供の学校選び・進学に役立つ情報を提供しています。

船津 徹
船津 徹

バイリンガル教育カウンセラー。福岡県生まれ。

日本のインター校その種類と問題点は?

帰国後、子供をインターナショナルスクールに通わせたいと思っています。日本のインターナショナルスクールの種類と問題点を教えてください。

松本輝彦(INFOE代表)

日本での進学の可否に注意
英語教育の日本の学校にも注目を

 日本ではインターナショナル・スクール(以下、インター校)への関心が、非常に高くなっています。在日外国人、国際結婚で生まれた子供、帰国子女に加えて、外国語での教育を望む日本人保護者の増加が、この人気の大きな理由です。

インターナショナルスクールの現況

 一般的にインター校と呼ばれる学校は、保育園から大学院まで、日本に120校以上もあります。それらの学校は3つのタイプに大きく分けられます。
外国の教育をする学校
 外国の政府や団体が、自国の教育制度やカリキュラムに従った教育を行う学校です。海外の日本人学校と似たような学校です。この種の学校は、日本駐在の外交官やビジネスマンの子弟を教育することを目的に作られており、その国の平均的なカリキュラムを採用し、原則的に母国の大学へ進学する指導をしています。日本では数校しかありません。
国際的な教育をする学校
 外国の個人や団体が設立し、その国の特性を活かしながら、より国際的な視野に立った教育を目指す学校です。日本人も含めたさまざまな国籍の子供を受け入れて、英語で授業を行い、世界的に認定された卒業資格(例:インターナショナル・バカロレア)の取得や、宗教を背景とした教育カリキュラムを採用している学校が多く見られます。高校までの課程を持った学校の大半がこのタイプです。
日本人の英語教育のための学校
 日本の学校や団体によって設立された、日本人の子供を英語で教育する、「和製インター」と呼ばれる学校です。「英語での教育を希望する保護者の急増に応えるために、新しく作られた学校です。早期英語教育を目指した保育所・幼稚園が、日本全国で100校にも届く勢いで、近年どんどん作られています。

学校だが学校でない

 ´△離織ぅ廚如伝統や実績のある学校への日本人の入学や編入は、非常に困難です。本来、これらの学校は日本人の子供たちを対象にしていないため、日本人の児童・生徒数を制限している学校がほとんどです。そのため、現実的に帰国子女が入学できる学校、また学習レベルの高い学校は非常に限られています。
 また厳密に言うと、学校教育法第1条に定められた「学校」(いわゆる1条校)のみが、義務教育や大学受験資格を満たす学校です。インター校は各種学校とみなされ、そこに通う子供は法律上、不就学児童生徒となります。高校や大学への進学にあたり、受験資格が問題になる場合もあります。
 プリスクール(1歳半から5歳まで)やキンダーガーテン(幼稚園・5〜6歳)などは法律上無認可の教育施設が多く、さまざまなトラブルが報告されていますので、特に注意が必要です。さらに、帰国後の英語力の伸長やアメリカ的な教育を望む場合は、誰がどんな指導をしているのかをよく調べることが大切です。

大学に進学できない?

 近年、文部科学省はインター校の卒業生に、日本の大学受験の資格を認める方向に動いてきています。しかし、インター校は文部科学省の認可で作られた学校ではないので、教育の質を保障することはできません。そのため、欧米の学校評価機関の認可(Accreditation)を受けた学校だけに大学受験資格を認めているのです。高校のカリキュラムを持ったインター校は日本に40校ほどありますが、卒業と同時に大学受験資格が与えられる英語での学校は17校しかないのです。学校選択にあたり、認可の有無の詳細な調査が必要です。

日本のバイリンガル校

 英語教育の広がりと学校教育の多様化から、日本の学校でも英語で学べる学校が出てきました。
 例えば、主要教科の一部をネイティブの先生が教える学校、国語以外のすべての教科を英語で教える学校、帰国子女にアメリカの大学の授業を提供する学校、インター校が併設されていて、どちらの授業も受けられるユニークな学校などです。
 インター校を選択する場合は、子供の将来に大きな影響を及ぼすことをしっかり理解する必要があります。また、日本の学校でも、英語による教育を受けられる機会が広がってきていることにも目を向けてください。
 最後に、もしも本当に子供をバイリンガルに育てたいなら、「日本では日本語による教育を中心にすること」の重要性を、よくお考えください。