学ぶ・育てる
Study

アメリカでの育児・子育て

ライトハウスに連載中の人気教育コラム、ハワイ在住の専門家がバイリンガル教育のノウハウを提案する「船津徹のアメリカで実践 バイリンガル子育ての秘訣」のほか、英語学習や学校教育、受験などについての疑問に答える「教育カウンセリング」をご紹介。アメリカでの育児・子育て・教育・子供の学校選び・進学に役立つ情報を提供しています。

船津 徹
船津 徹

バイリンガル教育カウンセラー。福岡県生まれ。

日本の大学の帰国子女入試、出願時期と受験に必要な準備は?

滞米10年、現在12年生の長女はアメリカの大学への出願を準備していますが、突然「日本の大学へも出願したい」と言い出しました。今の時期から、帰国子女入試の受験や出願は間に合うのでしょうか?

松本輝彦(INFOE代表)

大学によって異なる
受験準備は現地校の学習を

帰国子女大学入試

 日本の大学が、海外の高校で学んだ生徒を選考するための入学試験、「帰国子女入試」は、受験資格、試験日時、試験内容、選考方法などが、受け入れる大学によって大きく異なります。
 大学のねらいは、日本で得られるものとは異なった資質や能力を、海外の教育で身に付けてきた学生を入学させ、国内高校出身者へ刺激を与え、教育効果の向上を図ることにあります。

4月入学の場合

 現在、現地校12年生のお子さんの場合、卒業は2007年6月ですが、日本の大学への入学は一般的に08年4月になります。アメリカの大学と併願の形で受験する場合の、帰国子女入試受験の手順を説明しましょう。
.▲瓮螢の大学に出願する
⊇亟蠍紂現地校卒業まで、SATとTOEFLを受験し続け、高得点を目指す
07年5月頃から、募集要項・願書が配布されるので、希望大学のものを入手する
じ獣蝋斬感帆阿法必要ならば先生からの推薦書を入手しておく
ヂ感噺紂現地校から最終成績証明書(Final Transcript)や在籍証明書などを発行してもらう
07年8月から翌年の3月の間、希望の大学に合格するまで出願と受験を繰り返す
08年4月大学入学
 以上は、本当に大まかな手順です。受験する大学により、大きく異なることを理解してください。

9月入学の場合

 帰国子女を受け入れる大学の中には、07年9月に入学できる大学が20校程度あります。この場合、手順はほぼ同じですが、早いところで1月、通常は3月以降の出願となります。なかには、アメリカの大学のように、書類選考だけで合否を決める大学もあります。

現地校での学習を第一に

 帰国子女入試は現地の高校で、何をいかに学び、ユニークな資質や能力をどのように身に付けてきたかを判断するものです。ですから合格のためには、現地校での勉学が最優先です。世界中のどこの国の大学であろうと、高校で精一杯勉強してきた受験生を求めています。
 日本の大学では、日本語による講義や授業が原則です。そのため、授業を受けるのに必要な最低限の日本語力の判定は、日本語試験や面接などを通して行われます。「帰国子女入試では、国内の受験生と同じ知識や日本語力を期待されている」というのは誤解です。
 現地校の勉強をしっかりして、UCに入学を許可されるような卒業生なら、早稲田、慶應、上智など私立有名大学への入学は、大きな問題ではありません。

英語のみで学べる日本の大学

 国際化の波が本格的になり、英語だけで授業を行う大学が最近増えてきました。上智大学国際教養学部、立命館アジア太平洋大学、早稲田大学国際教養学部がこの代表です。これらの大学へは4月または9月に入学が可能で、アメリカにいる間に、出願・合否の判定が受けられる入試の形式もあります。
 アメリカでの滞在が長く、高校を卒業する予定の人が、これらの大学に進むメリットとして、
‘本語よりも英語のほうが学習言語として伸びていて、大学での勉強も英語で授業を受けたほうがより深く理解できる
大学時代を日本で過ごすことにより、日本人の大人としての生活習慣や日本語力が確実に身に付く
B感噺紊蓮▲▲瓮螢の大学院に進学したり、日本で就職したりと、選択の幅が広くなる
などが挙げられます。要するに、社会人として、日英両語で読み書きも自由にでき、日米の社会生活習慣も身につけた、レベルの高いバイリンガルになれるので、将来の活躍の可能性が大きく広がるのが魅力です。

 最近、大学進学についてのご相談が急激に増えてきました。特に、アメリカと日本のどちらの大学に進学するかで悩む、長期滞在の高校生が増えています。これまで、日米の教育の狭間で、努力して身に付けてきたバイリンガルの能力と、バイカルチャーの体験を活かせるような選択をし、社会人となった時に実践的な武器を獲得できるような努力を、ぜひ続けてもらいたいと心から願います。がんばってください。