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アメリカでの育児・子育て

ライトハウスに連載中の人気教育コラム、ハワイ在住の専門家がバイリンガル教育のノウハウを提案する「船津徹のアメリカで実践 バイリンガル子育ての秘訣」のほか、英語学習や学校教育、受験などについての疑問に答える「教育カウンセリング」をご紹介。アメリカでの育児・子育て・教育・子供の学校選び・進学に役立つ情報を提供しています。

船津 徹
船津 徹

バイリンガル教育カウンセラー。福岡県生まれ。

現地校から日本の高校へ編入 帰国子女枠での大学入試は?

中学2年の息子がいます。高校2年まで現地校に通った後帰国し、日本の高校に編入学の予定です。その後、帰国子女大学入試を受験させたいのですが、現地校(ハイスクール)を卒業しなくても、帰国子女枠は使えるのでしょうか。

松本輝彦(INFOE代表)

出願できない大学もある
現地校に残るという選択肢も

帰国子女大学入試の現状

 帰国子女大学入試は、「青少年期における異文化体験で身につけた個性、各国固有の教育制度下で培われた教養・知識など、国内の学習環境では修得し得ないさまざまな能力を評価」(上智大学)する、帰国子女受け入れのための特別選抜です。現在、日本の4年制大学の約6割にあたる400ほどの大学がこの特別試験を実施しています。
 また少子化が進んでいる現在、優秀な学生を獲得するために、従来の推薦入試以外に、AO入試、自己推薦入試など、入試の多様化を進めています。海外子女入試を、そのような入試の中に取り込む大学も現れています。

日本の高校での在籍期間

 基本的に帰国子女大学入試は、「海外の高校を卒業していること」を出願条件の条件とするものです。しかし、海外の中学・高校を通じて数年間在籍した後に、日本の高校に在籍しても、受験できる大学は相当数あります。
 日本における高校在籍期間について、出願資格の例をまとめてみましょう。
■日本の高校に在籍したことがないことを条件とする
■現地の高校を卒業していることを条件とする
■帰国後の日本の高校での在籍期間を定める
■渡航前後の日本の高校での在籍期間を定める
■海外の学校での在籍期間(継続年数、通算年数)で定める
 ここで挙げた受験資格の例からもわかるように、帰国後の在籍期間は、大学によってかなりの違いがあります。必ず各大学の、受験する年度の募集要項で確認してください。
 帰国子女を受け入れている大学のうち、日本の高校での在籍を認めない大学は2割程度です。2年間在籍(高校2年の年度初めに編入)で4割程度、1年半在籍(高校2年の夏に編入)で1割弱の大学が、受験を認めています。3年以内、3年未満でも、受験可能な大学が20数校あります。
 よって、「アメリカの学校での在籍年数が長ければ、日本の高校へ編入しても、帰国子女大学入試は受験できます」と、質問にはお答えできますが、以下の点には、注意が必要です。

[在籍期間の基準日]
 日本の高校での在籍期間を決める際の「基準日」は、各大学でまちまちです。在籍期間の始まりは「本人が帰国した日」なのか、「高校に編入した日」なのか。また、期間の終わりを「出願日」「入試日」「入学日」のどれにするのかなど、同じ大学であっても学部によって異なることがあります。募集要項や、あるいは大学に直接問い合わせて、確認してください。

[入試内容]
 国内受験生と同じ内容で、高校編入生向けの試験を課す大学もありますが、海外の高校を卒業した受験生と同じ内容の選考をする大学がほとんどです。
 例えば、SATやTOEFLの成績を要求された場合は、それらの受験勉強に加えて、日本の高校を卒業するための勉強が必要になり、受験生の負担が増します。

[高校編入]
 基本的に日本の高校への編入は、「欠員補充」だと理解してください。在籍していた生徒が転出した場合に、定員の余裕を満たすための制度が編入です。帰国子女が海外から帰国・編入する場合の定員枠を設けている学校もありますが、ほとんどの学校は「欠員」があった場合にのみ編入試験を実施します。ですから、海外から帰国する場合には、随時編入や、合格後1年間はいつでも編入できる海外入試を実施している高校を選択することが現実的です。

アメリカでの高校卒業

 日本の高校に編入した後に帰国子女大学入試を受ける場合、入学金の納付や制服の準備などの雑事、編入後の日本の教科(国語、特に古典や日本史)などの学習、卒業と受験勉強など、親子ともに大きな負担があります。
 そういうこともあり、現地の高校を1年早く卒業する「繰り上げ卒業(早卒)」を視野に入れて、高校での履修科目を選択するケースが多く見られます。さらに、保護者が帰国した後も、高校生の子供がひとりでアメリカで就学できるように、学生ビザを発行する高校に転校させる例もあります。お子さんの大学進学を考える際には、このような選択肢があることも考慮してください。