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アメリカでの育児・子育て

ライトハウスに連載中の人気教育コラム、ハワイ在住の専門家がバイリンガル教育のノウハウを提案する「船津徹のアメリカで実践 バイリンガル子育ての秘訣」のほか、英語学習や学校教育、受験などについての疑問に答える「教育カウンセリング」をご紹介。アメリカでの育児・子育て・教育・子供の学校選び・進学に役立つ情報を提供しています。

船津 徹
船津 徹

バイリンガル教育カウンセラー。福岡県生まれ。

成績低下で自信喪失現地校での勉強方法は?

7年生の息子は3年前に渡米し、現地校で学んでいますが、1学期の成績がC、D、Fばかりで、これまでで最低でした。最近は「どう勉強したら良いのかわからない」と、自信を失っています。日本では小学校生活を楽しみ、成績も良かったのです。将来の進学の準備よりも、現地校での普段の勉強で、子供に自信を取り戻してやりたいと思っています。どのように勉強させれば良いでしょうか?

松本輝彦(INFOE代表)

成績評価方法を理解し
スタディー・スキルを身につけ

 ご相談のお子さんに必要なのは、現地校で良い成績を取るための勉強方法のトレーニングをすること、特に重要なのは、家庭学習の練習をすることです。
 最初に現地校の成績のつけ方を理解し、それから具体的な対策、勉強法を考えてみましょう。

現地校での成績評価方法

 秋の新学年が始まってすぐの「Back to School」で、教科担当の先生が、成績評価の基準・ルールを保護者に説明します。宿題、課題、レポート、小テスト、中間・期末テストなどの評価がどのような割合で成績に反映されるか、課題などを期限より遅れて提出した場合の評価などが具体的に示されます。もちろん、生徒自身にも十分説明されます。時には、保護者・生徒から確認のサインを求める先生もいます。
 例えば、宿題の評価が「A」ならば4点、「C」ならば2点、未提出ならは0点というようにポイントが与えられます。その合計が、その時点での獲得可能な総ポイント数の何%かで成績が算出されます。91%以上ならA、81〜90%ならばBというように、先生や学校によって評価基準が決められています。先生は常に宿題やテストなどを記録し、その時点での評価を把握しています。各生徒の記録をプリントして、配布してくれる先生もいます。ですから、日本と違って現地校では、いつでも生徒自身が自分の成績を知ることができるのです。
 「日本の時に比べて、3倍は勉強している」と、多くの子どもが言います。誰でも、返却された宿題や課題にその都度「D」や「F」の評価がついていたら気になります。そして、その理由が、「適当にやった」「提出が遅れた」など自分自身でわかっていたら、成績改善のために、どうすべきかを自覚できます。その結果が3倍の勉強量なのです。

なぜ成績が悪かったのか

 成績に「D」がついているのは、日々の学習である宿題や課題がしっかりできていない、ということに尽きます。ほとんどの先生は、中間・期末テストだけでは良い成績を取れないように、日々の学習をしっかりやることで「C」が取れるように、成績評価基準をデザインしているからです。「宿題を含めた家庭学習の標準時間数」を学校や学校区が決めているのもそのためです。
 お子さんの1学期中の成績の推移について、特に宿題や課題などの家庭学習の提出状況や評価について、詳細に振り返ってみてください。提出を忘れた(していなかったのかも知れません)から「F」、いい加減に提出したから「D」だったのではありませんか。もしそうならば、成績が悪かったのは、勉強がわからなかったからではなく、家庭での学習を怠っていたからです。

家庭教師に
勉強方法を教わる


 一緒に宿題や課題をして、勉強方法を教えてくれる「家庭教師」を探してください。小学校高学年から現地校で勉強してきた人で、日本語で説明できる人がベストです。高校生や大学生で十分です。できるだけ頻繁に来てもらってください。
 家庭教師の候補者には、「5段落エッセイが書けるか」「レポートには何が必要か」「ノートの取り方・書き方を知っているか」などの質問に答えられる人にお願いしましょう。
 実はこの質問は、中学校の先生が「小学校で当然身につけているはず」と考えている勉強方法、いわゆる「スタディー・スキル」を聞いているのです。ご相談のお子さんのように、小学校高学年で渡米した場合は、これが身についていないので、それを教える必要があります。それが、家庭教師の役割なのです。

スタディー・スキルは「宝」

 「点数を取るためだけの勉強方法をすすめている」と思われるかも知れません。しかし、それは誤解です。スタディー・スキルこそが、日本の教育では得られない、アメリカで教育を受けた子供たちの「宝」なのです。その理由については、別の機会にゆっくりご説明しましょう。
 今は、スタディー・スキルをお子さんに身につけさせることを考えてください。成績が上がることをお子さんが体験したら、きっと自信が戻ってくるでしょう。