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アメリカでの育児・子育て

ライトハウスに連載中の人気教育コラム、ハワイ在住の専門家がバイリンガル教育のノウハウを提案する「船津徹のアメリカで実践 バイリンガル子育ての秘訣」のほか、英語学習や学校教育、受験などについての疑問に答える「教育カウンセリング」をご紹介。アメリカでの育児・子育て・教育・子供の学校選び・進学に役立つ情報を提供しています。

船津 徹
船津 徹

バイリンガル教育カウンセラー。福岡県生まれ。

入学願書に必要な自己PR、どんなことをアピールすべき?

日本の学校に願書を出願する際に、「自己PR」の項目が設けられていますが、ここではどういったことをアピールするべきなのでしょうか。日本での体験でもよいでしょうか。

松本輝彦(INFOE代表)

子供自身が自信を持って語れるなら
何でも、元気良く、積極的にPRを

 帰国子女入試における「自己PR」とは、「自分の言葉で自分自身を語らせる」ことにより、その受験生が持っている「望ましい生活習慣」や「出願書類には表れない活動や考え方」を見出し、合格判定の資料とするものです。

帰国子女が身に付けた
能力やスキルを高く評価


 まず、なぜ日本の学校が、海外の教育を受けた子供たちを「帰国子女」として受け入れたいのかを考えてみましょう。
 ひと言で言うと、「日本で育った子供たちが経験できない、異なった教育を受けてきたから」です。その結果、帰国した子供たちは、日本の子供が身に付けられないさまざまな「宝」を身に付けているのです。

 帰国子女が身に付けている「宝」には、外国語能力や国際的感覚だけではなく、「望ましい生活習慣」として、自己表明、自立・自助の精神、積極性・独自性、率直性・明朗性、奉仕の精神などが挙げられています。特に、自己表明(自分の意見をしっかり言える)、自立・自助(指示を待つのではなく、自分の判断で積極的に行動する)は、日本の学校教育の中では十分指導できない帰国子女の特性として、高く評価されています。

 これらは、日本の学校の教育目標である指導要領にある「生きる力」において、具体的な能力や生活習慣とみなされているものです。「これらの能力を身に付けている帰国子女は理想の子供である」と期待されている理由がここにあります。

 さらに、現地校で身に付けたスタディースキルも、日本の子供には欠如している、帰国子女の「宝」として歓迎されています。自分の意見の発表・レポート作成・プレゼンテーション(口頭・文章)などの能力は、小学校から大学まで、帰国子女に求めるスキルとして、期待されています。

現地校で目いっぱい
勉強した子供が欲しい


 帰国子女の受け入れをするための入学審査にあたっては、「現地校で目いっぱい勉強した子供が欲しい」というのが受け入れ校の本音です。そのような受験生を探すために、受け入れに熱心な学校は海外での広報に努力し、海外で行われる学校説明会に出向いてくるのです。そして、海外子女の実情に合わせた帰国子女入試を実施するのです。

 入学審査の内容は学校により大きく異なります。それは、学校(特に私立校)は少子化の影響を大きく受けており、学校自体のサバイバルのためにも、特徴のある教育を行う必要があるからです。その教育に合う新入生を獲得するのが、海外入試を含めた帰国子女のための入試で、それぞれの学校で出願書類や面接などに工夫を凝らしています。

出願書類と面接では
帰国後の適応能力を判断


 入学審査は、学校が発行する成績証明書や在籍証明書等の公式文書の記載事項と、面接時の質問に対する回答などを通して受験生の姿を明らかにし、判定資料とするものです。

 帰国後に入学する学校では、主要科目の勉強は当然ですが、音楽や美術、スポーツ等も学校生活の大きな要素になります。そのために、科目の勉強の様子や内容、さらに課外活動やスポーツ等について、試験官は出願書類や面接を通して子供の様子を把握し、判断していきます。音楽を頑張った子には演奏のテープを、美術の得意な子には作品の写真を提出させる学校もあるほどです。

 その子供が海外にいる間にどのような友人関係を築いてきたか、といった生活の様子も、帰国後の適応能力を判断するための大きな資料となります。日常生活についての質問は、書類ではあまり知ることのできない、入学後の生活を推し量る貴重な情報です。

帰国子女入試は「加点法」
積極的にアピールを


 出願書類の一部としての自己PRや面接試験時の自己PRは、「受験生自身の言葉で、自分自身の長所や具体的な活動内容を、積極的に語らせる」ことにより、その受験生が持っている生活習慣・考え方などを評価し、合格判定のポジティブな資料とするものです。

 日本の社会では、自分自身の長所を精一杯PRする機会はほとんどありません。しかし、帰国子女入試は、日本の入試のような「減点法」ではなく、長所を積極的に評価する「加点法」の入試です。日本的な考え方に閉じこもらず、受験生自身が自信を持って語れることならば、何でも、元気良く、積極的に語らせてください。それを学校も望んでいます。