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アメリカでの育児・子育て

ライトハウスに連載中の人気教育コラム、ハワイ在住の専門家がバイリンガル教育のノウハウを提案する「船津徹のアメリカで実践 バイリンガル子育ての秘訣」のほか、英語学習や学校教育、受験などについての疑問に答える「教育カウンセリング」をご紹介。アメリカでの育児・子育て・教育・子供の学校選び・進学に役立つ情報を提供しています。

船津 徹
船津 徹

バイリンガル教育カウンセラー。福岡県生まれ。

アメリカの大学は、どのように選択すると良いでしょうか?

12年生の子供がアメリカの大学出願の準備をしています。どのように大学を選択すると良いでしょうか?

松本輝彦(INFOE代表)

お子さんの適性・将来の希望等をよく考えましょう。

1 全米総合大学
(National University)

学部(学士)から修士・博士までの課程で、幅広い専攻分野の教育を行う、全米から学生を集めている大学。高校卒業生の4年間の教育から大学院生の教育、研究活動にも重点を置いています。全米の164の公立大学と98の私立大学が同グループに属しますが、トップ50では私立大学が中心で、公立(州立)の大学は3割程度を占めるだけです。競争が激しく、出身高校で上位10%に在籍していた新入生が80〜90%の大学がほとんどです。大学卒業生の多くが大学院に進学し、高レベルの専門家として社会に出ます。

カリフォルニア大学(UC・10キャンパス)は、このグループに分類され、州の高校卒業生の上位約15%が毎年入学します。UCシステムは、全米でもトップレベルの評価を受けており、その中のバークレー校とロサンゼルス校(UCLA)は、研究に重点を置く大学(Research University)として世界的に知られています。私立の南カリフォルニア大学(USC)は同グループ大学の1つですが、近年評価が非常に高く、UCLAと肩を並べています。


2 地域総合大学
(University-Master's)

学部(学士)・修士までの課程で、幅広い専攻分野の教育を行っている、地域からの学生を中心とした大学。572の大学がこのグループに含まれます。カリフォルニア州立大学システム(CSU・24キャンパス)も同グループで、上位3分の1の高校卒業生が学べるよう定員が設定されています。このタイプの大学は、全米総合大学に比べると、理論・研究よりも学部生の指導を主とした実学に重点を置く傾向にあります。4年間で大学生としての基礎から、さまざまな分野の応用までを学び、卒業後、実務家として社会に出たい高校生が多く入学します。


3 教養単科大学
(Liberal Arts College)

学部(学士)レベルの教養科目(Arts and Science)の教育に重点を置いた大学。私立大学(265校)がほとんどですが、公立大学も27校あります。LA近郊には、全米注目のPomona College、Claremont McKenna Collegeなどがあります。この種の大学では、大学生レベルの幅広い基礎教養科目を学びます。必要以上に専門に特化しない幅広い知識や教養を身に付けて、より高いレベルの大学院での勉強や社会に出てから新しい分野で通用する応用力を養成することを主眼としています。そのため、専門分野を学ぶ「学部」を設けない単科大学の形式をとっています。


4 専門大学
(Baccalaureate College)

教養科目もあるが、専門科目の教育に力を入れた大学。このグループには、319の大学があります。ビジネス・福祉・教育等の職業に直結した専門科目の学習が中心で、教養科目の講義は最低限に設定されています。カリフォルニアには、他の大学では学べない航海士や船員になるためのトレーニングをする公立のCalifornia Maritime Academyなどがあります。


5 短期大学
(Community College:CC)

そのほかの大学進学のチョイスとして、2年制の短期大学(CC)があります。カリフォルニア州のコミュニティーカレッジシステム(CCCS)は世界最大で、110のキャンパスで、州民の約7%が利用し、18、19歳の約35%が学んでいます。CCでは、準学士(Associate Degree)を取得できます。さらに、4年制大学に転進学(Transfer)できるシステムがあります。2007年秋には、CCからCSUへは9万9千人(CSUの在籍生の約4分の1に相当)、UCへは1万4千人(同じく約7%)が転進学しました。毎年増額される4年制大学の授業料に比べ、CCの授業料は安いので、2、3年CCで学んだ後、4年制大学で学ぶ学生が増えています。お子さんの適性・将来の希望などをよく考えて、大学を選択してください。

ここで示した大学グループは「Carnegie Foundation for the Advancement of Teaching」にて分類されたもので、その日本語名は、私が名付けました。説明中の大学数は出典資料で紹介されています。