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病気の処方Q&A

かかりやすい病気や怪我の症状と、治療のポイントを解説。

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

食中毒

バクテリアの繁殖は夜間の保存法に問題

 食中毒の原因は、昼よりも夜間の食品の保存法に原因が多いのです。涼しいからといって夜間に食物を常温で放置するとバクテリアが繁殖します。クリームやマヨネーズなど、使った後は必ず冷蔵庫で保存すること。どのくらい外に放置していても大丈夫かというはっきりした時間制限はありませんが、外に出している時間は短ければ短いほど良いと言えます。

 また冷凍した食品を解凍する際も注意が必要です。バクテリアが一緒に冷凍されている場合があり、空気に触れるとバクテリアは繁殖しますので、解凍する時は必ずしっかりとカバーをして解凍してください。

 食中毒で1番問題が多いのは鶏肉です。鶏肉はサルモネラ菌の恐れがありますし、形がまちまちなので、中まで十分に火が通っていないことがあります。外側は焦げているのに中はピンクで柔らかいという状態を避けるためにも、焼く時は中火と弱火の間くらいの火力で、中が白くて固い状態になるまで注意して調理する必要があります。牛肉は鶏肉ほど問題はありませんが、ひき肉の場合はさまざまな肉が混じっているので、ステーキよりもしっかりと中まで火を通して調理しましょう。

 また、その他の食物も余分な農薬を落とすために注意深く洗ってから調理する必要があります。もちろん衛生にも気をつけるべきです。衛生的な環境でしっかり洗うことによってバクテリアを殺すことができるのです。


下痢止めは飲まずに水分を取って医者に

 食中毒の症状は、通常汚染された物を食べてから4~6時間後に表れます。症状としては吐き気、嘔吐、下痢、腹痛など。食中毒の場合は、通常1人ではなく集団で起こります。食中毒にかかったかなと思ったら、まず水分をたくさん取り、すぐに医者の診断を仰いだ方が良いでしょう。

 食中毒を起こすバクテリアの毒素は、インフルエンザのウイルスなどとは異なるので、下痢をした場合の対処法は違ってきます。インフルエンザで下痢を起こした場合は下痢止めの薬を飲んでもかまいませんが、食中毒の場合は重症でなければ下痢止め薬は飲まないほうが無難です。

 食中毒で下痢を起こすということは、身体が自己抵抗力を発揮して、毒素を体外に排出しようとしているわけですから、下痢止め薬を飲むと反対に毒素が体内に残る可能性があります。重症でなければ、下痢止めは飲まずに、水分をたくさん取って、早めに医者に診てもらうことです。



高橋・パトリック・ヒデオ M.D.
USCメディカルスクール卒。シーダーサイナイ病院で内科の研修を終え、UCLAで胃腸専門を担当
消化器・肝臓内科・内科専門


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