色鮮やかで女性的な断崖の芸術 ブライスキャニオン国立公園(2泊以上)

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ブライスキャニオンのフードゥー

ピンク色の女性的な魅力のブライスキャニオン。フードゥーは珊瑚でできたトーテムポールのよう

ザイオンから車で約2時間半、グランドステアケースの最上層にあるブライスキャニオンは、標高6千から8千フィートの森林地帯になる。両脇に迫る岩の芸術を楽しむのがザイオンなら、ブライスキャニオンは断崖の芸術だ。ピンク色のフードゥーと呼ばれるトーテムポールのような尖塔が崖に添うようにして密集し、独特の景観を造り上げている。地質学的には比較的若く、ブライスキャニオンの歴史は恐竜が絶滅した頃に始まった。
 
フードゥーがこのような形になったのは、別名ピンククリフとも呼ばれるクラロン層を形成するもろい石灰岩が、氷や水に侵食されたためだ。標高が高いため地層に染み込んだ水分が凍結し、岩の割れ目を押し広げる凍結融解作用が、もろい部分を内部から破壊した。サーモンピンクの鮮やかな色合いは、酸化した鉄分やマンガンなどの鉱物によるものだ。フードゥーは、1.5メートルから高いものだと45メートルあり、10階建ての建物と同じくらいの高さになる。
 
国立公園に認定されたのは1928年で、ザイオン国立公園が誕生して幹線道路やユニオンパシフィック鉄道が整備されたことも、ブライスキャニオンが注目を集めた一因だ。ザイオンと同じく、ブライスキャニオンもモルモン教徒が開拓した地で、1875年にこの地に定住したエベンザー・ブライスが名前の由来。

ナバホトレイルでフードゥーの大きさを実感

地図

観光ポイントだが、「まずブライスポイント(MAP 1)に直行すると印象深い」とのこと。車を止めて数メートルも歩くと、フードゥーが立ち並ぶ崖に出る。突然目の前に何万というフードゥーが現れるので、誰もが感嘆の声を上げるという。
 
ブライスポイントで第一印象を掴んだら、サンセットポイント(MAP 2)にあるナバホトレイルを歩いてみよう。ここは往復1時間半のトレイルで、立ち並ぶフードゥーの間を歩くのでその大きさを実感できる。夕日を見るなら、インスピレーションポイント(MAP 3)からサンセットポイントへのトレイルで。「この場合、誰かが車をサンセットポイントまで動かさなくてはなりませんが、30分ほどのトレイルです。クライマックスを楽しむためには、夕日が沈む1時間前にトレイルに入っているようにしましょう」(岩澤さん)。

地図

ブライスポイントからの眺め。駐車場から数メートルでこのポイントに出る

夏には無料のシャトルサービスがあるので、これを利用するのもいい。ブライスキャニオンは小さな公園なので、日程を考えると、ザイオンで1泊し、ブライスキャニオンに立ち寄ってグランドキャニオンへ、あるいは逆にグランドキャニオンで1、2泊し、ブライスキャニオンを通ってザイオンで1泊すると良いだろう。
 
ブライスキャニオン内にある30年代調のブライスキャニオンロッジ(1-888-297-2757・www.nps.gov/brca/lodging.html)(MAP 4)は、全米史跡ランドマークにも指定されている。オープンは4月1日から10月31日まで。
 

◎ ブライスキャニオン国立公園 / Bryce Canyon National Park
UT-63. Bryce, Utah 84764
☎ 435-834-5322
www.nps.gov/brca/index.htm

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