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【旅】大自然に浸る ヨセミテ国立公園への旅

LA近郊の旅&レジャー

年間を通して毎日催行しているJTBルックアメリカンツアーの「ヨセミテ国立公園1日観光」。ヨセミテのメインスポット、トンネルビュー、ブライダルベール、エルキャピタン、ヨセミテ滝、ハーフドームを堪能する日帰り往復バスの旅。


霧のサンフランシスコから
巧みなガイド話にのせられて…

長いトンネルを抜けた直後に、エルキャピタン、
ハーフドーム、ブライダルベールなどの絵画のように
美しいヨセミテ渓谷を一望できるトンネルビュー

 日本のゴールデンウィーク真っ只中の5月3日、サンフランシスコ発「ヨセミテ国立公園1日観光」に参加した。このツアー、ヨセミテのトンネルビュー、ブライダルベール、エルキャピタン、ヨセミテ滝、ハーフドームといった主な観光スポットを、日帰りで美味しいところ取りしてしまおうというもの。これらの名所以外にも、リボン滝、カセドラルロックス、スリーブラザーズも、車中から眺めることができるのがうれしい盛りだくさんの内容。

 霧の街・サンフランシスコの早朝は、曇り空で気温11℃。ひんやり冷たい風を受けながら、集合場所のサンフランシスコ・ヒルトン&タワーズへ向かう。ガイドの船戸修さんに迎えられバスに乗り込み、総勢46名の大旅行が始まった。

 通常は、580号線→5号線→132号線→99号線→140号線というルートで移動するのだが、今年3月に25日間も降り続いた雨と、ここ数日の雨が重なって土砂崩れが起こり、140号線と120号線の一部が閉鎖されていることが判明。しかし、走行可能な120号線を使用する迂回路を探し出し、難なく対応できた。

 「今日は、日本列島の約3分の1にあたる距離、全行程434マイルを走行します。海岸に近い山脈を海岸山脈と呼びますが、海岸山脈から谷間を抜けてヨセミテ国立公園のあるシエラネバダ山脈へと向かいます」。車中で始まった船戸さんのガイドは、片道4時間半の間、まるでAMラジオのニュース解説者のように経済・政治・文化などの話も交え、ほとんど休むことなく続いたことには驚いた。


シエラネバダに群生
米松とセコイヤ森林

 132号線でモデストに入る手前、そろそろ休憩。カリフォルニアのドライフルーツが購入できるAll American Produce のフルーツスタンドにて。「ここのチリは格別ですよ」と船戸さん。132号線を通る時には忘れずにチェックしよう。

 再びバスに乗り込むと、アーモンドの木が目前に広がってきた。ガイドさんのいる旅はいい。「あの木は一体、何だろう?」と、疑問を抱えなくても、「アーモンドですよ」とすぐに答えてくれる人がそばにいる。アーモンドの話が出ると、船戸さんはシエラネバダまでの道中で見られる木の話を始めた。「ロサンゼルスやサンフランシスコに多いのが、風邪薬やメンソレータムに使われるユーカリの木です。少し高度が上がると、樫の木に代わり、ヨセミテ付近まで行くと大木の米べいまつ松やセコイヤの大森林になります。米松の松ボックリは、人間の頭の大きさにまで成長するんですよ」。 「へ〜!」という感嘆がバスの中で漏れる。「セコイヤには、100メートル近くまで成長する海岸セコイヤと、80メートルまでの山脈セコイヤの2種類あります。共にシロアリが嫌いなタンニンを豊富に含んでいるため、建築材料に好まれる木です。樹齢は4千年とも言われて、木が腐るまでには、約300年も要します」。

 迂回路の120号線にさしかかった。どこまでも続く牧草地では、牛馬が放し飼いにされ、のんびりと草を食む姿が見られる。すでに前述したが、今年は降雨量が通常よりも多かったことから、牧草地もキラキラ輝き、道行く木々の新緑は眩しいほどに美しい。


自然のあるがままに
山火事も放置

ドームを半分に切ったような岩壁のハーフドーム(奥)
は、ヨセミテのシンボル。標高8836フィートの頂上
までは、ヨセミテ渓谷から8.5マイルのトレイルを
使って登ることもできる

 シエラネバダに近づいてくると、多くの木々の焼け跡が目につくようになる。「これは自然発火で山火事となり、燃えた後の木々です。ヨセミテでは、通常5月頃から山火事が発生します。以前は消火していたのですが、現在では人の手で消されることはありません。犲然の法則に反する〞ということで、自然に任せることになったからです。私たちの目を楽しませてくれるこの美しい山も、山火事の産物なんです。自然発火によって強い木々が残っていく。一部がなくなっても、また同じ場所で新しい芽が息をふき出す。このように続く自然のサイクルを残すことは大切なことです」と、船戸さんは説明する。

 そもそも山火事を自然に委ねることができるのも、ヨセミテが国立公園に指定されているからだ。これに一躍買ったのがジョン・ミュアー。「開拓時代に、ヨセミテでは原生林が次々と伐採され、発電所やホテル建設などの開発が計画されていました。そこへ30代でヨセミテに魅了されたナチュラリストのミュアーが、これを阻止するために、州政府よりも連邦の管理化にした方が効果があると考え、連邦政府に訴えたのです。ヨセミテを訪れた当時の大統領、ルーズベルトも『これは保存する価値がある』と納得し、1890年10月1日に国立公園に指定されました」と、船戸さん。現在、私たちが当たり前のように満喫しているヨセミテの自然の美しさの背景には、このように運動を起こした人の存在があったのだ。


氷河が作りし地形
一気に迫るヨセミテの魅力

ブライダルベール。奥に見える滝は、先住民の間で
悪魔の霊が天に舞い上がるように見えることから
「ポホノ滝」と呼ばれる

 出発から4時間半が経過した正午近く、待ちに待ったヨセミテの入り口に辿り着いた。バスの中でも「まもなく!」という皆さんの熱気が伝わって来た。そこで船戸さんから公園内での注意があった。「公園内にあるものは、松ボックリ1個でも持ち出し禁止」。これは「存在するものをその状態で残す」ことを謳う自然保護のための大切なルールだ。その他にも、野生動物に食べ物を与えないよう注意された。人間の食べ物の味を覚えると自然のエサを食べなくなり、冬に飢死する恐れがあるからだ。

 「ヨセミテ国立公園は、東京の約1・5倍の広さで、氷河時代に侵食によってU字型に削られてできたのがヨセミテ渓谷です。花崗岩でできており、種類はさまざまですが、タフトという種類が大半です。名前の由来は、先住民の言語で『灰色の大熊』という意味で、これが有力な説です」という、船戸さんの話が終わりかけた頃、突然、巨大な花崗岩のモニュメントの数々が目の前に迫ってくるように広がり、大きな歓声があがった。左手にエルキャピタン、右手にはブライダルベール、真中にハーフドームがずっしりと腰を落ち着けているヨセミテバレー全体の光景。これが高台のトンネルビューからの眺めだ。船戸さんも「今回のオススメスポットはここでしょう」と口を揃えるほど、ヨセミテを一望できるこの場所は、まるで天下を取ったような気分になれる。

 興奮が止まないうちにバスは次のスポット、花嫁のベールのように見えるブライダルベール滝へと向かう。「ヨセミテ公園内の滝は、夏になると枯れる滝が大半ですが、雪解け水と湧き水が流れるブライダルベールは、1年を通じて流れます」。ヨセミテ内には、この滝以外にも無名の滝が数多く存在するのも特徴の1つだ。滝を後にした我々一行は、いよいよヨセミテのシンボル的存在、標高8836フィートの「いるかの岩」と呼ばれる「ハーフドーム」のベストスポットへ。「この形になったのは、氷河時代の氷河が3、4度通過し、氷河で直角に削り取られたと言われています」と、船戸さん。

広くて乗り心地のよい大型バスと一緒に
バスガイドの船戸修さん(左)と
ドライバーの水戸正美さん(右)

本日のメーンイベント
ヨセミテ滝を見る

エルキャピタンの7569フィートの垂直な
岩壁は、ロッククライマーのメッカ

 そして、世界中のロッククライマーの聖地と言われるエルキャピタンに到着した。「世界最大級の垂直な1枚岩から成る岩壁は、東京タワーの約3倍の高さで、早い人で2〜3日、一般人で1週間から10日かけて登ります」。当日も4人のロッククライマーを発見。自らもロッククライミングを行う近藤敬子さんが双眼鏡を貸してくれた。紫色のスリーピングバッグを抱えた人たちの姿が見えるが、彼らは岩の間で眠るのだ。落ちないのだろうかと余計な心配をする。


上・中・下を合わせると、世界3番目の落差を持つ
ヨセミテ滝。見頃は、雪解け水が流れる雪解けの季節

 記念写真を撮ってバスに戻ると、船戸さんたちが配ってくれた幕の内弁当を持ってヨセミテロッジ前でランチを取る。そして、本日最後のスポット、2425フィートのヨセミテ滝の見学だ。滝に向かうまでの道中には、あちらこちらで転がっている多くの巨大な岩石が目につく。「これは、氷河時代に氷に乗って運ばれてきたんです」と船戸さん。また、現在も続いている浸食によって落石する場合もある。この浸食は、冬に降った雪が雪解け水となって岩の間に毎日入っていき、その水によって少しずつ岩が砕かれ、ある日突然落石するということだ。上・中・下、3段合わせて世界第3位の落差がある滝の下段のそばまで行くと、気温が一気に下がり、肌にかかる水しぶきが刺すように冷たい。雪解け水のみが流れるこの滝は、この時期が1番見頃で、他の人たちも「今までこれほどの迫力のある滝は見たことがない!」と喜びを隠せない。

 感慨にふけりながらバスに乗り込むと、岩の角が3カ所で飛び出したようなスリーブラザーズと呼ばれる岩盤が前方左手に飛び込んできた。ヨセミテは、まるで宝探しのように最後の最後まで楽しませてくれる。「1849年のゴールドラッシュの時、金を巡って白人と先住民の間で戦争が起こりました。この時、白人によって酋長の3人の息子のうち1人が殺されてしまったんです。その息子にちなんで、スリーブラザーズと名づけられたのがこの岩です」と、船戸さん。この岩を見ていると、まるで3人の兄弟が私たちを見守ってくれているかのようだ。

 「この次は、ぜひ泊りがけで訪れたい」。多くの参加者が、声を揃えてまた来たいと誓った今回の旅。1日、一緒に旅をした参加者が、旅が終わる頃にはいつの間にか旅仲間になっているのもツアーの醍醐味。こうして、帰路サンフランシスコへと向かった私たちは、思い出をいっぱい抱えて、それぞれのホテルへ姿を消していった。

■取材協力
JTB Travel Network, Inc.
ルックアメリカンツアー
www.lookamerican.com
look@jtbtn.com
☎1-800-LOOKJTB(566-5582)

今回のツアー
「ヨセミテ国立公園1日観光」
出発日:3月31日まで毎日(大人2名から催行)
発着都市:サンフランシスコ
料金:150ドル(大人1名)・140ドル(2〜11歳)・1歳以下の幼児無料


エリザベス女王も宿泊した
格式あるホテルで過ごす

 せっかくヨセミテに来たならば、ぜひとも泊まりでじっくりと堪能したい。そんな人にピッタリなのが、ルックアメリカンツアーの「ヨセミテ・エクスプレス2日間」アワニーホテル宿泊プラン」。

 国立歴史遺跡地に指定されたワールドクラスの同ホテルは、北米で最もユニークなリゾートホテルの1つで、1度は泊まってみたい憧れの地。セコイヤと花崗岩で建築された外観が、実に見事に森と調和している。建物は堂々とした正面、そして、天井が驚くほど高い。ホテル内には、先住民のカラフルなアートワークの展示や巨大な岩石でできた暖炉がある。しかも、ハーフドームとヨセミテ滝が見える絶好のロケーション。123の客室、24 のコテージがあり、各国の大統領も利用する名ホテルなのだ。

「ヨセミテ・エクスプレス2日間(アワニーホテル)」
出発日:2007年3月31日まで毎日催行(一部ブラックアウトあり)
発着都市:サンフランシスコ
料金(大人2名1部屋宿泊):565ドル(大人1名)・265ドル(2〜 11 歳)1歳以下の幼児無料
問い合わせ:ルックアメリカンツアー

アワニーホテル問い合わせ先:
The Ahwahnee Reservations Office
6771 N. Palm Ave., Fresno, CA 93704
☎ 559-252-4848・☎ 559-253-5635



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ライトハウス編集部
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