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氷河の侵食でできた自然の美
【2泊以上】ヨセミテ国立公園

アメリカ国立公園

映画でもおなじみのヨセミテの象徴。
奥に見えるのがハーフドーム

 ヨセミテは1984年、ユネスコの世界遺産に指定された、最も人気のある国立公園のひとつだ。75万エーカー、1200平方マイルの公園内には、何千という池や湖、川、トレイルなどがあり、東京都の1.5 倍近い広大なエリアに、約1500種の植物(うち珍種が約160種)、約300種類の脊椎動物(うち85種がカリフォルニア固有種)が生息、常時150種以上の鳥類が公園上空を飛んでいる。

 ヨセミテの発見は、ゴールドラッシュがもたらした副産物だ。ヨセミテには約8 千年にわたりネイティブアメリカンが住み着いていたが、1848年、シエラネバダの麓で金が発見されたことで状況は一転する。何千人という人が一攫千金を夢見てシエラ地方に入植したため、先住民と間に衝突が起こった。カリフォルニア州はマリポサ隊を結成し、事態の鎮圧に当たる。マリポサ隊が先住民を探している時に足を踏み入れたのが、ヨセミテバレーだった。1851年3月27日のことだ。


国立公園のコンセプトを作るきっかけに

 その類まれな美しさは、芸術家や観光客を魅了し、ついに64年、リンカーン大統領がヨセミテバレーマリポサグローブを譲渡禁止の公的管理地とする法律に署名する。国民が楽しむために土地を保護するというコンセプトはヨセミテによって生まれ、それが後の国立公園設定の足がかりとなった。ジョン・ミュアーの働きかけにより国立公園に認定されたのは、1890年10月1日。1954 年には、初めて来園者が100万人を超え、76年には200万人、90年代半ばには400万人以上が訪れた。

 発見された当時から、多くの人々がその絶景に魅せられてきたヨセミテだが、1万年前には4千フィートの高地まで氷河で覆われていた。この氷河の侵食によってU字型の谷が作り出された。「4月、5月は花と滝が楽しめます。ただこの時期は雨が多く、春霞が出ることもあるので、グレーシャーを見るなら7月から10月が雨も降らないので良いでしょう。特に10月は空気が澄んで最高にきれいです。ただ7月以降になると雪解け水なので消えてしまう滝もあります」と話すのは、ガイド歴30年を越すベテランガイド、近鉄インターナショナルの岩澤秀治さん。


花と滝を楽しむなら、4 月、5 月が最適。
滝は雪どけ水がほとんどなので、
真夏にはぐんと少なくなる

 園内の心臓部とも言える大渓谷ヨセミテバレーの入り口に、エル・キャピタン(MAP1)がある。花崗岩としては世界最大の一枚岩で、垂直にそびえ立っていることから、世界中のロッククライマーたちの憧れの岩でもある。ヨセミテのシンボルとも言えるのがハーフドーム(MAP2)。丸いドームをナイフで縦に削り落としたような形のこのドームは、氷河に削り落とされたという説もあり、グレーシャーポイント(MAP3)からの眺めは絶景。岩澤さんのイチオシはパノラマトレイル。6マイルの道のりを、途中で休憩したり弁当を食べたりしながら7時間かけて歩く。「この間は、小学生の子供が先頭を切って歩いたくらい、歩きやすい道です。パノラマトレイルを歩くと、8月でも外からは見えない滝が見えたりして、ヨセミテの自然とはこういうものだというのを肌で感じることができます」(岩澤さん)。


ヨセミテの良さが隠れた穴場のハイシエラ

類まれなる美しさに、リンカーン大統領が
ヨセミテバレーとマリポサグローブを譲渡禁止に。
国立公園設立の足がかりとなった

 また特にオススメなのがハイシエラだ。「ヨセミテバレーは公園の一部でしかなく、バレーの裏の方にさらにきれいなところがたくさんあります。タイオガ峠(MAP4) は、冬の間は閉鎖しており、6月半ばくらいにオープンしますが、ここの景観道路は端から端まで1時間半くらいで、森林を見ながら車で通るだけでも十分です。テナヤレイク(MAP5)、雪解け道、またハイキングできる草原もたくさんあり、こちらまで足を延ばして初めてヨセミテを知ることができます」。
 宿泊のオススメはヨセミテロッジ(MAP6)。滝やビジターセンターにも近く、園内最大の収容人数(ロッジの部屋が226室、スタンダードの部屋が19室)を誇る。1927年創立のアワニーホテル(MAP7)は格式高い高級ホテル。「雨が降った時は、ロビーにある暖炉の前で本を読むのが最高」(岩澤さん)というほど、歴史をしのばせる雰囲気のあるホテルだ。いずれのホテルも予約(559-253-5635) は、366日前から受け付けている。詳細は www.yosemitepark.comで。オンライン予約も可能。


クマに注意!

 セコイアとヨセミテに今も多く生息するシエラ黒クマは、オスで180 キロ、メスでも112.5キロにもなる。4月頃には、冬眠から覚めた母親と一緒に小熊も外に出てくるようになるので注意が必要だ。クマは基本的におとなしい動物で、主食も草や果物だが、人間に慣れたクマは人間の食べ物を狙って襲いかかる可能性もある。キャンプ地に出没するのは、たいてい母親から独り立ちしたばかりの新成人クマだ。クマは知能が高く、匂いだけでなく形でも食べ物を識別することができる。
 食べ物を正しく保管することはクマと共存するためだけではなく、連邦法で定められている法律でもある。法律上、食料の範疇に含まれるのは、ゴミ、リサイクル容器、洗面用具や化粧品、救急箱、ペットフード、使い捨て濡れタオル、消臭スプレー、芳香剤、ソーダ缶、ビン入り飲料水、缶詰、クーラー(空でも)、虫よけスプレー、タバコ製品と、あらゆる香料の付いた製品が含まれる。罰金は最高5000 ドル。

歩く時は音を出して人間の存在を知らせる

 公園によっては食料保管用のロッカーを用意しているところもあるが、ロッカーがない場合は、外から見えないトランクに入れておけば良いケースと、公園指定の食料保管容器を借りるか、購入しなければならないケースがある。特にキャンプする際は、キャンプ場予約時に食料保管のルールを聞いておくこと。ロッジに宿泊する場合も、食べ物は外から見えない場所に保管しておこう。クマは、バックパックの中に食料が入っていることを知っているので、写真を撮るなどの理由でバックパックを置き去りにするのも危険。キャンプ中、あるいはロッジに夜通し駐車する際は、車からベビーシートを外しておこう。
 
 「トレイルを歩いている時は、なるべく歌ったり、話をするなど、音を出して人間が近づいていることを知らせるようにして歩きます。万が一クマを見かけたら、無視をするようにサッと向きを変えて静かに立ち去ります。小熊と遭遇した時は、親熊が近くにいる可能性があるので非常に危険です。小さいからといって絶対に近づかないでください。フラッシュで写真を撮るのは厳禁です」と、岩澤さん。国立公園の公式サイトによると、クマと遭遇した時は、安全な距離から物を投げる、鍋などを鳴らす、数人いるなら皆で固まって脅かすようにポーズをとるよう指示がある。キャンプ場にクマが現れた時の心構えとして覚えておきたい。クマに物を取られた時は、間違っても取り返そうとしないこと。


●面積:76 万1266 エーカー
●年間訪園者数:327 万2155 人(2004年度)
●アクセス:LA から313 マイル、約6時間。
5号線を北上し、99 号線を通ってフレズノから41 号線を北上。
オンラインマップで調べる場合は、ヨセミテのZip(95389)を入力する。
特定の住所は存在しない。
●オープン時間:公園は通年。タイオガ峠、グレーシャーポイント、
マリポサグローブは10 月か11 月から、5月か6 月まで閉鎖
●入場料:車1 台につき20 ドル(7 日間有効)、
車でない場合は1人につき10 ドル(7 日間有効)、ヨセミテパス40 ドル(1 年間有効)

Yosemite National Park
Superintendent(管理事務所)
P.O. Box 577
Yosemite National Park, CA 95389
Visitor information & Headquarters
209-372-0200
www.nps.gov/yose/index.htm




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ライトハウス編集部
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