俳優/コニー・ブリットン

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対等な夫婦なんて羨ましい!

ボストン生まれ。7歳でバージニア州の田舎町に引っ越す。学芸会の脚本を書く程、芝居に魅せられたが、ダートマス大学ではアジア学を専攻、中国へ短期留学した。同大卒業後、ニューヨークに引っ越し、演劇を勉強。舞台、映画での活躍が認められて、テレビ進出のためロサンゼルスに。『Spin City』に配役され、ニューヨークに逆戻り。『The West Wing』『24』を経て、2006年より『Friday Night Lights』のタミー・テイラー役で活躍中。

マイケル・J・フォックスとコメディー共演経験もあるコニー・ブリットン。『Friday Night Lights』では、コーチの妻・タミー役を熱演し、エミー賞候補の噂もある実力派に飛躍。夏休み中も、番組のプロモーションに多忙なブリットンに聞いてみた。
 
(c)2007 Turner Broadcasting Systems

『Friday Night Lights』は、1話から質がまったく落ちなかった稀な秀作ですが、秘訣は?

ブリットン(以下B):パイロットはピーター・バーグが監督しましたが、制作が始まると、私たちはロケ地のオースチン、ライターはロサンゼルス、監督は毎話替わる、ショーランナーも違うなど、正直言って不安でした。でも、台本も良いものが上がってきたし、撮影班も第一級…、プロ意識と番組への情熱が快挙の秘訣かしら。

バーグ監督のビジョンが、全員に浸透していたんですね。

B:本から映画、映画からテレビと展開する4年間に、何をどう語りたいかが固まった、バーグの情熱の結晶です。原作は1988年のフットボールシーズンをルポしたものですから、テレビ用に登場人物を創作し、制作に入る前から役作りについてとことん詰め、キャストと制作陣にビジョンが明示されました。

フットボール文化を体験した私には、懐かしいドラマであり、アメリカが今抱えている問題も盛り込まれていて、新鮮でもあります。

B:私はバージニアの田舎育ちなので、都会っ子には想像できないほどフットボールは好きですよ。でも、テキサスってフットボールに対する思い入れが尋常でない、根が深いと感じる貴重な体験の毎日でした。

テレビ版では、タミーを芯の強い南部の女にするとバーグ監督が約束してくれたから、この仕事を受けたと、プレスツアーで発言しておられましたが?

B:フットボールのドラマに女の出番があるの? と不安だったし、従来、コーチの妻/主婦/母親=刺身のツマ、だったので、古い習わしを打ち破れるのだろうか? と心配でした。タミーだけではなくて、女性がしたたかに描かれているので文句なし。大満足です!

エリック・テイラー(コーチ)の口癖「女房に聞けば間違いない」は、下手をすると恐妻家の逃げ口上に聞こえますが、タミーは人生の羅針盤として絶対的信頼を得ていますね。

B:エリックとタミーは真の伴侶だと思います。女房の尻に敷かれた男が、嫌味や皮肉で言っているのではなくて、深い信頼の絆が根底にある理想的な夫婦。対等な夫婦なんて羨ましい。

配役はどちらが先に?

B:カイル・チャンドラーに決まるまでに、随分時間がかかったようです。私は映画版でも、コーチの妻役をやらせていただいたのですが、当時、まだテレビドラマ『24』に出ていて、「どうしよう?」と迷っていたなんて信じられないわ(笑)。

アジア学専攻から俳優という転向に驚きました。

B:小さい頃から芝居が好きでした。異文化や未知の世界を見て博学になると、芝居の助けになるかな? と思って、中国に短期留学して、中国語をちょっと。丁度、中国への関心が高まっていたし、第1外国語を決める時に、バージニアの田舎では絶対に考えられない言語が良いと思って。少々遠回りはしましたが、芝居で食べていけるのは、夢のような話。

夏休みはどうされますか?

B:久々にLAでゆっくりしたいとも思うし、エチオピアの孤児の目から見たドキュメンタリーを3年も編集しているので、今年こそ完了させたいとも思うし。秋にオースチンに戻った時、充実した夏だった! と言えるように頑張ろうと、意気込むだけ(笑)。

シーズン2も素晴らしい演技を期待してます。

B:去年の夏、プレスツアーでおっかなびっくり番組発表した時から、ずっと応援してくださって感謝してます。良い作品と信じて支持してくださった評論家から元気と勇気をもらいました。皆さんの応援と口コミがなかったら、とっくの昔に打ち切りになっていたと思います。

[業界コボレ話]
2007-08年の新番組の中で、「面白そう!」と思った3作品。
まず、『Big Shots』は結婚や恋愛に一喜一憂する、女性化した男4人組の物語。マイケル・バルタンとディラン・マックダーモットが主役のちょっと美味しいドラマ。目の保養にもなりそう。
ホッとするのは『Samantha Who?』。記憶喪失になって自分が「嫌な女」だったと知り、善人になろうと試行錯誤しながら第2の人生を歩むサム(クリスティーナ・アップルゲイト)のコメディー。明るく、楽しく、笑える!
リアリティー番組では、『Kid Nation』。8~15歳の子供40人が、ゴーストタウンを切り盛りする様子を記録したもの。大人顔負けのパイオニア精神と民主政治が期待できそう。

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