俳優 ジェームス・パーソンズ

ライトハウス電子版アプリ、始めました

演じたい役=はまり役の稀なケース

James Parsons
テキサス州ヒューストン生まれ。ヒューストン大学で演劇専攻、大学院ではコミュニケーション/テレビ/映画を研究。劇団のニューヨーク公演時にエージェントが付き、仲間と集団引っ越し後、舞台で活躍。テレビ『Ed』『Judging Amy』のゲスト出演、CF、映画『Garden State』『The Great New Wonderful』等を経て、2007年『The Big Bang Theory』のシェルドン役に抜擢された成長株。本拠地はブルックリンだが、番組収録のため現在LA在住。

今年、オタクが主人公の話題作の中で、唯一好調の『The Big Bang Theory』。昔ながらのコメディー形態で公開録画されている本作の成功は、物理学者シェルドンを演じるジェームス・パーソンズの名演技によるところが大きい。リハーサルの合間に話を聞いた。

現実にオタクをご存知ですか?

パーソンズ(以下P):小学校の同級生に紙を食べる変な子がいました。今思えば、頭が良すぎて、僕たちとは比べものにならないレベルのことを考えていたのかなと、時々、あの子を思い出します。奇人変人扱いされた体験は誰にでもあるのでは?

シェルドンは自覚症状のないオタク、レナードはいやいやオタク。このバランスが絶妙!

P:天才児が大人になって、社交の場でもつい真理の探求癖が出てしまう。真実や結果しかない科学の世界では、礼儀や婉曲な表現は無用の長物ですから。レナードはシェルドンを理解できる、天才と凡人の間を行き来するオタクです。

演技上、1番苦労することは?

P:台詞を覚えるのにこれほど苦労したことはありません。舌がもつれるような専門用語をいかにも自然に口にしながら芝居するのに、神経がピリピリ(笑)。

内容がわからないと、台詞が覚えにくいということですか?

P:何を言っているのか、まったく不明ということもありますが、シェルドンの「万事を明確に」の使命感を表現するために、言葉を正確に発音したいと思う僕の完璧主義のせい。

創作者ローリーは“Beautiful mind”を描きたかったそうですが、どの業界でも天才は子供のようでは?

P:天才は情熱の対象がすべてで、一喜一憂が尋常ではありません。だから人間として成長しないのか、萎縮してしまうのか? 感情は科学に貢献しないから不要と決めてしまったのかも知れませんね。センサーを通さず言葉を発するのは、子供の本質。子供のように振る舞っても社会が許すのか、許してもらって当然と思っているのか。

役者になりたいと思ったのは?

P:小さい頃から映画スターになると宣言していたようです(笑)。高校時代、『Noises Off』という芝居で、演じる喜びとでき映えが同等になったことがあり、これで生きて行こうと決めました。安定を求めた時期もありましたが、大学を休学して手当たり次第挑戦したら、脇役が転がり込んで。以来7年余り役者を。小さい頃から順調に歩んで来たと言うか、苦労した感覚がないラッキーな人間です。

今回の抜擢は一大チャンス。ローリーに「はまり役!」と言わせたゆえんは?

P:役作りに全力投球したから!? パイロットシーズンには無数の脚本を読みますが、演じたい役とはまり役が一致した稀なケース。台本を読んだ時に、この役なら誰よりもうまくできると思いました。後悔しないように役作りに時間をかけ、何を要求されても即興でできるように準備してオーディションに臨みました。プロデューサーが揃うオーディションも稀で、2人の前で実力を発揮できたのも星の巡り合わせ! 幸運の扉が開いた時、飛び込む準備ができていたということですね。

[業界コボレ話]
WGA会員である放送作家が遂にストを決行した。DVDとネット配信収益が争点で、撮影所と作家側の歩み寄りは今の所見られない。ストは予想されていたので、随分撮り溜めしていたものの、毎晩生で録画する深夜のトークショーが第1の被害者。『The New Adventures of Old Christine』や『Two and a Half Men』を始めとする公開録画番組や『Desperate Housewives』『The Office』に被害が及んでいる。
例年1月再開の『24』は、順延を発表。『Lost』は8話まで収録済み。今シーズンは8話+中休み+8話で計画していたらしく、1月に再開される。
ドラマが盛り返した矢先のストは、リアリティー再興を示唆。1月のプレス
ツアーが危うい! 他人事ではない!!

「アメリカTV・インタビュー」のコンテンツ