俳優 タニア・グナディ

ライトハウス電子版アプリ、始めました

ジェットコースター初乗りで掴んだ運

Tania Gunadi
インドネシアで生まれ、14 歳でグリーンカード抽選に当たり、兄姉を頼ってLAに移民。ピザハットの販売員からディズニーランドのCFを経て、2002 年『Even Stevens』2話にゲスト出演、「ディズニーっ子」になる。テレビ映画『Pixel Perfect』『The Magic of Ordinary Days』に出演し、『Boston Public』『It’s Always Sunny in Philadelphia』を経て、09 年『Aaron Stone』の紅一点、エマに抜擢された有望株。

1月のTCAプレスツアーで『Aaron Stone』パネルインタビューがあったが、タニア・グナディはアジア人特有の遠慮だったのか、借りてきた猫のようだった。しかし、キャスト4人に直にインタビューしてみると、グナディの人となりがきらきら輝いたので紹介したい。

『Aaron Stone』の人気の秘密は何でしょう?

グナディ(以下G) :アクション、スリル、友情、どんでん返しや意外な展開のドラマに、ロボットを加えて…。どう説明すれば良いのかな?『Alias』の子供版?(笑)

エマ役を射止めた経緯は?

G :7 年前に『Even Stevens』にゲスト出演した時、毎日ディズニーで働きたいって思ったの。主役のケリー・ブラッツと演じるまでに、何度もキャスティングの面接があってね。喉から手が出る程の役だったから、神経ぴりぴり。でも、ブラッツがリハーサルしてくれたので、オーディション本番で自然な芝居ができたんだと思うわ。

オンライン・ゲームで、無敵のアーロン・ストーンになった高校生の二重生活を描くドラマですが、初めて台本を読んだ時の感想は?

G :スーパーヒーロー物語に出るって、誰でも憧れるでしょ? 役は何でも良いの。参加することに意義があるから!私は1度に2~3役演じ分けできる贅沢な作品だと思ったわ。

役者を目指して、LAに?

G :アメリカに住む姉がグリーンカードに応募したら、私と父が当たったの。父はインドネシアを出る気がなかったし、末っ子の私だけは手元に置いておこうと思ったみたい。でも、チャンスを無駄にするなと母や兄姉に言われ、思い切って。
 
当時は英語がしゃべれなくて、ピザハットで働いてたから、16歳なのに語彙はピザ一点張り。ペパロニ? ソーセージ?(笑)。ある日、お客さんから「ギャラ500ドルのディズニーランドのCFに出い?」と誘われ、オーディションが何かも知らずに付いて行ったの。ジェットコースターのCFだから、オーディションは叫ぶだけ。ジェットコースターを見たこともない私が選ばれちゃった。
 
撮影当日、私は「その他大勢」の一人だったけど、撮り直し、撮り直しで、主役の子は乗り物酔いでゲーゲーやってるし、20回も上下したら楽しそうな顔なんかしてられないのよ。初めて乗った私だけがはしゃいでいるから、監督が主役に昇格してくれたの。結局、私ひとりがジェットコースターに乗ってキャーキャー叫んでいる撮りがCFになったの。ギャラは4倍、SAG(米国俳優組合)会員になれるで、良い事尽くめ。これが初めの一歩!

明るさが成功の秘訣ですね?話していて、とても楽しいもの。

G :そう?だったら、彼氏、紹介してくれない?ディカプリオみたいな人…。

番組に因んで、ヒーローは誰ですか?

G :人生の要所要所で、士気を鼓舞してくれた人たち。幼い頃は、母が楽観主義と何にでも美しさを見つけなさいと教えてくれたわ。LAに来てからは、面倒みてくれて、感謝して生きることを教えてくれた兄と姉よ。
 
(2009年7月16日号掲載)

[業界コボレ話]
人間ドラマ党の私にとって、リアリティー番組は無用の長物。最近、少し下火になったものの、夏場は穴埋めに放送される。
 
米国各地の成金主婦たちの小競り合いを記録した番組に学ぶことは何もないが、Food Networkの次世代の看板シェフ決定戦は、才能+タレント性+人格が試されるので面白い。毎週熱い闘いが繰り広げられるが、なかには「目立つことのみが命!」や「勝つことが命!」の輩もいる。
 
この手の勝ち抜き戦を観る時は、この人の番組なら観たいと思わせる「魅力」がにじみ出る人を選び出し、応援しながら観ると、ハマってしまうものだ。

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