俳優・声優・脚本家/エイミー・ヒル

ライトハウス電子版アプリ、始めました

未だにオーディションが嫌いなんです

Amy Hill
日本人の母とフィンランド系米国人の間に生まれ、サウスダコタ州の田舎で幼少時代を過ごした。高校時代に演劇部に入り、天職を発見。卒業後、1年間の予定で上智大学に留学し、結婚して7年滞在。帰米後はサンフランシスコの劇団で活躍、ワンマンショー三部作『Tokyo Bound』『Reunion』『Beside Myself』で全米巡業。94年マーガレット・チョウ主演の『All American Girl』で演じた韓国人のおばあちゃん役が代表作。
 
Photo: (c)2005 ABC, INC.

日系、40そこそこでありながら、韓国人のおばあちゃん役を熱演したエイミー・ヒル。『All American Girl』(94年)は20話で打ち切られたものの、ヒルの活躍は舞台から声優まで多岐にわたる。出演作品が何ページにも及ぶ芸能界のベテランだが、意外にも売り込みが苦手だから自作自演しかないと語る。

『All American Girl』以来、アジア人が主役の番組ってありませんね

ヒル(以下H):90年代、アジア人主役の番組は、政治的に正しいことだったようですが、ライターが東洋文化に無知な白人男性で、何をどう書いて良いか考え過ぎて、アメリカ人が描くアジア人のイメージをつぎはぎにした番組でした。出演者と折り合いが悪くて。

漫談家だった主役のマーガレット・チョウが書いた番組では?

H:ABCがマーガレットに話を持ちこみ、局の制作部が創作しました。本人の漫談は脚本には取り入れられませんでしたし、当時は、役者が意見すると攻撃しているととられたので、「これはちょっと?」と思っても皆、黙っていました。

10年以上経って、アジア系主役の番組も、受け入れられそう?

H:ミン・ナ、ルーシー・リュー、サンドラ・オーなど、そろそろ主役を演じる女優がいるから大丈夫でしょう。でも、箸を使っていない、ご飯を食べていないというレベルではなく、アメリカ人社会の物語だけど、たまたま主役がアジア系、という設定でないと。脚本家が鍵ですね。

演劇に興味を持ったのは?

H:子供の頃、テレビが唯一の遊び友達でした。番組の登場人物になりきって居間で独り芝居をしていたと母が言います。シアトルに移ってからは、玄関口でご近所に披露するようになりましたが、演劇部に入ったのは高校2年。まさかこれで食べていけるとは、思っていませんでした。大学で演劇を専攻しようと思っていたのですが、その前にちょっと日本に…が、7年になってしまって!

日本はいかがでした?

H:日本人らしく、おとなしく、控えめにしていたのは束の間。自分らしく生きないと疲れますよ(笑)。『エイミーの日本』というラジオ番組を3年やりましたし、結婚までして…。

日本での体験を書かれたとか?

H:本にしようか、芝居にしようかと、長い間温めていました。どこから聞きつけたのか、ワンマンショーについて問い合わせがあって、脚本もないのに電話口で『Tokyo Bound』と名付け、2カ月で書きあげました。演技はいつも評価されているから良いとして、自作でしょ? 自分の生き方まで評価されるのは怖かったです(笑)。

日本人がハリウッドで成功するための秘訣は?

H:日本人の美徳「控えめ」が最大の敵です。私はウン十年芸能界にいますが、未だにオーディションが嫌い。ここぞという時に、人を押しのけてでも、という底力がありません。努力すれば認められるという消極的姿勢から、日本人は売り込みを嫌うでしょ? この世界では、はったりをきかして、コネ作りに時間を費やすのが近道。それができない人は、私みたいに自作自演しかありませんね(笑)。

[業界コボレ話]
「テレビ評論家です」と言うと、必ず「おすすめ番組は?」と聞かれる。05年の新番組では『My Name is Earl』と『Commander in Chief』の圧勝、04年開始番組では『Grey’s Anatomy』と『Medium』が面白い。
最近、年収10万ドル以上の世帯が、どの番組を観ているか数字が発表されるようになった。上位から『Desperate Housewives』『Lost』『Grey’s Anatomy』『CSI』『ER』『Law & Order: SVU』『Commander in Chief』『My Name is Earl』『Without A Trace』『Medium』『CSI: Miami』『Two and a Half Men』『Boston Legal』『Invasion』『House』。
ほとんど観ているのに、雲泥の差がある年収はいと哀し!

「アメリカTV・インタビュー」のコンテンツ