プロデューサー リーナ・ミムーン

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つらかった20代を描くのが大好き!

Rina Mimoun
LA出身。劇作家を目指していたが、初仕事はプロデューサーのアシスタント。
 
『Dawson’s Creek』で、バーランティと肩を並べて働き、才能を認められて、バーランティ創作の『Everwood』に引き抜かれた。バーランティ多忙時、ピンチヒッターとして制作を任されて昇進。同作終了後、ワーナーのお抱えとして、『Pushing Daisies』に関与。2008年秋には、『Privileged』を創作、制作総指揮者として活躍中。
 
テレビっ子の希望の星として君臨。

グレッグ・バーランティの愛弟子から、今や売れっ子プロデューサーに成長したリーナ・ミムーン。最新作『Privileged』は、『How to Teach Filthy Rich Girls』を基に、テレビへの熱い想いを込めて制作。テレビっ子の憧れの的ミムーンに、成功への道を尋ねた。

シーズン1は何話ですか?

ミムーン(以下M):18話です。尻すぼみにならないよう、来秋まで引っ張れる盛り上がりを入れようと思います。12話までは、人物紹介で手一杯でしたが、後半に入ってメーガンやウィルの家族等、新しいキャラを紹介して、世界を広げました。

『Friday Night Lights(FNL)』の崇拝者で、メーガンの母親役をコニー・ブリットンに…と、ひたすら念じておられるとか?

M:『FNL』の本数が減ったと聞いていましたが、オースティンで撮影中だったので、諦めざるを得ませんでした。私たち『FNL』狂はNBCでの再開まで耐えるしかないわね!

昨夏お会いした時、テレビへの熱い想いが伝わってきて、ワクワクしました。

M:テレビ好きが昂じてね(笑)。高校時代に、スタッフライター応募時に出すサンプルのように、『Mad About You』『Friends』等の台本を書き始めたのが最初かしら? 私ならもっと面白い話を書ける! と(笑)。自慢じゃないけど、未だ誰にも負けないテレビ狂よ!

業界へはいかに?

M:初仕事はアシスタント。プロデューサーに「一旦、タイプが早いと知れ渡ったら、ほかの才能が色褪せる」と言われ、事務能力はほどほどに(笑)。放送作家たちが、エージェントを紹介してくれました。

3年振りにバーランティ氏にインタビューしたら、「作品が地味なので、ファンはありがたい」とおっしゃっていました。

M:特にCWの作品は、ファンが神様! 私たちの書く作品はニッチ番組ですから(笑)。

「テレビは観ない」と言われるとグサリ! とくる私には、まばゆいばかり! 憧れます。

M:私もよく刺されるけど、「なぜ観ないの?」って聞き返すの。テレビは、世の中でどんなことが許容範囲に入ったかを知る試金石。米国の集団意識と言っても良いのではないかしら? 放送翌日「昨日、観た?」で会話が始まり、「私なら、あんなこと絶対にしない!」なんて意見交換から対話が始まるでしょ?

原作のメーガンとは違いますね? 家族と疎遠になって大学へ逃げたメーガンが、いつも楽観的なのはなぜですか?

M:あえて明るい材料に焦点を合わせるか、暗い材料にこだわって、落ち込むかの選択。「臭い物に蓋をする」ように避けて、過去を否定しているメーガンも、いずれは直面しないとね。青春時代を謳歌する人が多いけれど、私はとにかく暗中模索の20代はつらかったわ。大学を卒業する頃には、人生設計があって、何もかも完璧にできると信じていたのに、何もわからないし、満足にできない、ストレスだらけの毎日。自己中心に世界が回っているから、何もかもがドラマチックで、些細なことで世も終わり! と感じる時期なのだと、青春真っ只中の視聴者に読み取ってほしいです。

[業界コボレ話]
11月末に、番組の打ち切りが相次いだ。なぜ今なのか?
 
今まで続いたことが謎の『Dirty Sexy Money』は納得したが、視聴率の伸び悩みを理由に、昨年の話題作『Pushing Daisies』と、21世紀の預言者を描いた秀作『Eli Stone』の打ち切りには不平不満を言いたい。放送日を変えた上で、葬り去られたのは『Lipstick Jungle』。例によって、尻切れトンボか、うやむやにされる可能性が高い。連続番組は観たくない視聴者が後を絶たないわけだ。運命が決まってから、DVDで観るという手もあるが…。
 
観ない→視聴率低迷→打ち切りが方程式だが、すぐに闇に葬るから「連続モノは遠慮しちゃう!」と敬遠する視聴者の気持ちが、なぜ理解できないのか?

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