イリノイ州(14)/アメリカ中西部

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アル・カポネからリンカーンまで・多民族が集まる東西交流の要所

イリノイ州の旗

イリノイ州は多彩な顔を持つ。全米第3の大都市・シカゴが世界の先物取引や商品取引のリーダーであると同時に、南部には広大な農地が広がる全米有数の農業州でもある。

イリノイ(Illinois)州の基本情報
人口(2022) 12,671,469人
面積 55,499.0mile2
人口密度 (2020) 230.8人/mile
州都 スプリングフィールド(Springfield)
州知事(2024) JB Pritzker(民主党)
州のニックネーム The Prairie State
人種の割合 白人76.1% / 黒人14.7% / アジア系6.3% / ヒスパニック18.3% / ネイティブ・アメリカン0.6%
1世帯当たりの平均収入 (2022) $76,708
貧困家庭の割合 (2022) 11.9%
住宅平均価格 (2017-2022) $239,100
平均家賃 (2017-2022) $1,170
観光情報サイト Enjoy Illinois
オフィシャルサイト Illinois.gov

(出典元:U.S. Census Bureau)

ルート66の出発点。空・海・陸の要として繁栄

五大湖の周辺は17世紀からフランス人が移住し始め、1783年にアメリカ領となった。1847年イリノイ-ミシガン運河が開通し、1855年シカゴと東海岸が鉄道で結ばれたのを契機に大陸横断鉄道の経由地として、また五大湖を通ってカナダ、イリノイ川からミシシッピ川、さらにはニューヨークへと、東西貿易の要所として繁栄した。主要な輸送手段が飛行機になった現在でもその役割は引き継がれ、オヘア空港は世界一忙しい空港と言われている。
 
南北戦争中に食肉加工産業が発達。また、同戦争をきっかけに穀物取引が盛んになり、1865年には食肉処理、加工、取引の一大中心、ユニオン・ストックヤードが完成した。1871年、シカゴで発生した火災は、折りからの強風に煽られて大火となり3日間燃え続けた。死者300人以上を出し、市内の半分が焦土と化したが、その後の復旧で高層ビルが建ち並ぶ近代都市に生まれ変わった。1974年に完成したシアーズタワーは高さ443m。1998年にクアラルンプールのペトロナスタワー(452m)ができるまで24年間、世界一高いビルだった。

多くの移民を受け入れた「リンカーンの地」

第16代大統領アブラハム・リンカーンはケンタッキー州出身だが、1830年から31年間、州都のスプリングフィールドに居住。南北戦争で活躍したユリシス・グラント将軍も同州の出身だ。また、暗黒街のボス、アル・カポネはニューヨーク生まれだが、シカゴに移住して頭角を現し、1920年から施行された禁酒法によって組織を拡大。史上最大の犯罪組織を築き上げた。
 
州全体を見ても、ドイツ系、アフリカ系、英国系など多人種から構成されているが、特にシカゴにはポーランド系、イタリア系、中国系など80以上の人種が居住。第2次世界大戦直後、西海岸ではまだ敵国人として差別されていた日系人も多く受け入れたと言われている。

 

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