ワシントン州(46)/アメリカ西部

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中国系の血と汗がにじんだ・アジア系ゆかりの州

ワシントン州の旗

イチローの活躍で日本でも人気球団になったシアトル・マリナーズ。そのオーナーは任天堂といった具合に、ワシントン州では古くからアジア系の進出が際立っている

ワシントン(Washington)州の基本情報
人口(2022) 7,738,692人
面積 66,437.5mile2
人口密度 (2020) 115.9人/mile
州都 オリンピア (Olympia)
州知事(2024) Jay Inslee(民主党)
州のニックネーム Evergreen State
人種の割合 白人 76.8% / 黒人 4.6% / アメリカインディアン 2.0% / アジア人 10.5% / ヒスパニック 14.0%
1世帯当たりの平均収入 (2022) $91,306
貧困家庭の割合 (2022) 10.00%
住宅平均価格 (2017-2022) $473,400
平均家賃 (2017-2022) $1,630
観光情報サイト Visit Washington
オフィシャルサイト WA.gov

(出典元:U.S. Census Bureau)

危険な鉄道建設に従事、大統領を巻き込む暴動に

1775年、最初の白人としてスペイン人がこの地に上陸したが、ネイティブアメリカンの反撃に遭い全滅。3年後には、かのキャプテン・ジェームズ・クックが上陸した。1792年にボストン商人のロバート・グレイが毛皮取引を始めたが、人々が定住するまでにはさらに50年を要する。
 
1805年、ルイスとクラークの探検隊がコロンビア川で越冬し、土手の向こうに太平洋が広がっていることを発見した。しかし、人々の大移動が始まるのは、北洋鉄道開通以降のことだ。開通以前は7万5千人だった人口が、第1次世界大戦までに125万人にまで膨れ上がった。
 
この鉄道建設に関わったのが、中国系移民だった。多くの犠牲者を出したが、鉄道の完成とともに、彼らの多くが仕事を失った。
 
レイオフされた人々は、白人が嫌がる仕事でも低賃金で従事したため1885年、シアトルやタコマで排中運動が高まり暴動が発生。時のクリーブランド大統領が鎮圧に当たるほどの規模に発展し、FBIまで借り出されたが一向に鎮まらず、同89年にはほとんどの中国系がシアトルから追い出されている。悪名高い「中国系下層労働者から白人を保護する法律」が成立し、中国系に人頭税が課せられた。

マイクロソフトなど大手企業も集中

ワシントン州の前知事、ゲーリー・ロックは全米初の中国系知事で、父親は雑貨店を営む移民だった。ただ全米初の日系知事を誕生させたハワイ州では日系人が人口の多数を占めるのに対し、ワシントン州におけるアジア系全体の人口比率は5・5%に過ぎない。
 
同州の主な産業は貿易や水産業が挙げられるが、ボーイングを筆頭に、近年ではマイクロソフト、スターバックス、アマゾン・ドット・コム、コスコなどの大手企業も多い。同州出身の有名人には、マイクロソフト創設者のビル・ゲイツ、俳優のブルース・リー、ギタリストのジミ・ヘンドリックスらがいる。

 

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