ワイオミング州(40)/アメリカ西部

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女性を尊重したカウボーイ・ワイルドウエストの歴史

ワイオミング(Wyoming)州の旗

先住民の言葉で「大きな原っぱ」を意味するワイオミング州。その名の通り広大な土地がどこまでも広がり、州最大の都市、シャイアンでも人口はわずか5万人強だ。

ワイオミング(Wyoming)州の基本情報
人口(2022) 578,803人
面積 97,063.0mile2
人口密度 (2020) 5.9人/mile
州都 シャイアン (Cheyenne)
州知事(2024) Mark Gordon(共和党)
州のニックネーム Equality State, Cowboy State
人種の割合 白人 92.3% / 黒人 1.2% / アメリカインディアン 2.8% / アジア人 1.1% / ヒスパニック 10.8%
1世帯当たりの平均収入 (2022) $70,042
貧困家庭の割合 (2022) 11.8%
住宅平均価格 (2017-2022) $269,900
平均家賃 (2017-2022) $895
観光情報サイト Wyoming Office of Tourism
オフィシャルサイト State of Wyoming

(出典元:U.S. Census Bureau)

ワイルドウエストの大スターまで誕生

州のニックネームのひとつは「カウボーイ州」。州都のシャイアンは先住民の部族の名前で、ララミーも西部劇を彷彿とさせる。ララミー砦はゴールドラッシュで西へ向かう人々の休憩場所として、また政府軍の駐屯地として栄えた。
 
オレゴントレイルが州内を走っていたことから、何千人もの人々が同州を通過した。定住後はシャイアン族やスー族などと政府軍の争いが続いた。
 
当時活躍した有名人に、バッファロー・ビルことウィリアム・コディがいる。コディはララミー砦に設立された郵便会社、ポニーエクスプレスの配達人だったが、後にバッファロー・ハンターとなり4000頭のバッファローを狩り、バッファロー・ビルの異名を得た。先住民との戦いに参加後、「バッファロー・ビルのワイルドウエストショー」を設立、エンターテイナーに。このショーは大人気を博し、北米はおろかヨーロッパツアーまで実現している。

19世紀には既に女性参政権が成立

州のもうひとつのニックネームは「同権の州」だ。女性の参政権が認められたのはなんと1869年。「女性参政権の母」と言われたエスター・モリスは、全米初の女性裁判官。1894年にはエステル・リールが女性初の公選人として教育委員会委員長に就任している。1924年には、これも全米初の女性州知事が誕生。
 
同州には所得税がない。また、法人税もないが企業誘致には成功していない。だが百貨店チェーンのJCペニーは同州が起源。また、天然資源が豊富で、州の財政も石炭、天然ガス、原油に頼っている。
 
もうひとつの大きな収入源は、イエローストーン国立公園に代表される観光資源。グランドテートン国立公園では、西部劇の名作『シェーン』が撮影された。また、デビルズタワーは全米初の国定記念物。高さ250メートルの岩は、スピルバーグ監督の映画『未知との遭遇』のロケにも使われた。

 

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