アメリカで自動車を購入する

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アメリカは、言わずと知れた車社会。生活していくためには、車は欠かせないものです。車の購入から自動車保険の加入について必要な知識をまとめました。
 
※このページは「ライトハウス 2023年春夏の増刊号」掲載の情報を基に作成・更新しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

新車か中古車か選び購入方法を決める

 新車を選ぶ場合は、リース、もしくはローンまたは現金一括で購入します。リースの場合は、貸出期間(通常は3年)や走行距離制限(例えば年間1万マイルまで)があります。3年ごと(リース契約期限)に新車に乗り換えたい人や、リースコストを経費として計上したい人にはおすすめです。購入の場合は、一括支払いかローンを選びます。長く乗りたい場合は、リースよりも購入の方が支出金額が少なく済みます。
 
中古車の場合は、中古車販売店(ディーラー)から購入するのが一般的です。購入前に整備内容や過去の履歴などを確認しましょう。事前に第3者の整備士に頼んで状態をチェックしてもらうこともできます。アメリカで個人売買される中古車は、品質の把握が難しいため入念な準備が必要です(下記、「個人売買で購入する際の流れ&注意点」を参照)。

自動車ローンを組む際の知っておきたい注意点

自動車ローンを組む際は、以下の3点に注意しましょう。

  • ①十分な頭金を用意する:
    頭金なしではローンは組めないのが一般的。頭金の目安は購入価格の20~40%程度です。「Kelley Blue Book」という無料の相場検索サイトを利用すると、事前に車の価値を調べられます。
  • ②審査を受ける:
    審査は自動車販売店か、銀行で行えます。用意するのは、ソーシャル・セキュリティーナンバー運転免許証。金利がどのくらいになるのかは、クレジットヒストリーやスコアなどをもとに決められます。
  • ③収入を証明する:
    審査に通ったら収入の証明です。給与明細やW-2フォームなどで証明します。渡米したばかりの人や駐在員などはクレジットヒストリーが十分でないため、ローンを組むことが難しいです。日系の販売店では、日本での信用を加味した低金利ローンを組めるよう、ローン会社と提携しているところもあります。

渡米したばかりの人や駐在員などは、クレジットヒストリーが十分でないため一般的にローンを組むことが難しく、特に米系販売店ではローンが組めないことが多いです。一方、Gulliver のような日系の販売店では、日本での信用を加味した低金利ローン(約4.9%~)を組めるよう、ローン会社と提携しているところもあります(※審査の内容によって金利は異なります)。 

ライアビリティー保険加入は義務

車を運転する場合、日本の自賠責保険にあたるライアビリティー(Liability)保険への加入が義務付けられています。ライアビリティー保険とは対人・対物保険で、自分に賠償責任がある場合に相手(被害者)に支払われますが、自分の損害は補償されません。車両登録の際に提示が求められるので、登録前に加入が必要です。最低リミットは、対人1人あたり1万5000ドル(1事故合計3万ドル)と対物5000ドルですが、これでは不十分ですので、もっと高いリミットに引き上げた方が良いでしょう。よく聞く「フルカバー」とは、ライアビリティー保険と、次に紹介する車両保険が備わった保険を指します。

車両保険(Collision, Comprehensive)

自分の車に対する保険。一般的な事故による損害補償「Collision」と、火災、落下物、動物、洪水、暴動、盗難などの人災および天災による損害補償がされる「Comprehensive」があります。過失の有無にかかわらず支払われますが、免責額までは自己負担となります。

無保険者保険(Uninsured Motorist)

相手が保険未加入で事故が発生した場合、自分側の損害をカバーする保険。自分と同乗者に対し、医療費や慰謝料、車の損害などが補償されます。

医療費用保険(Medical Expense)

自分と同乗者の医療費などの損害を補償する保険です。
 
上記のほか、レンタカーやレッカー代をカバーする保険もあります。

個人売買で自動車を購入する際の流れ&注意点

  • ①欲しい自動車を探す:
    適正価格を確認したり、情報収集に役立つサイトを活用したりしましょう。
  • ②売り手にアポイントをとり試乗する:
    フリーウェイなども走行し、売り手の同意の下、そのまま馴染みのメカニックに点検を受けに行ってもOKです。
  • ③車のヒストリーレポートを確認する:
    「Carfax」などで車の履歴を確認し、事故歴、災害歴、盗難歴などをチェックしておきましょう。車歴に問題のある車は安全性が低く、車両の価値も正常なものと大きく違うので注意が必要です。
  • ④交渉に入る:
    ピンクスリップ(Certificate of Title:オーナーシップ証明書)で車のタイトルを確認。相場や試乗結果などを考慮して価格を交渉、決定します。
  • ⑤最終確認する:
    売り手の免許証とピンクスリップの名前が一致しているか確認しましょう。
  • ⑥契約を交わす:
    値段、引き渡し日、支払い日などは書面に残し、口頭のみの契約は避けましょう。個人売買向けの契約書(Bill of Sale)のフォーマットをネットで検索し、参考にすると良いでしょう。
  • ⑦保険に加入する:
    すでに加入していれば問題ありませんが、そうでなければ名義変更の際に必要となりますので加入は必須です。
  • ⑧売り手と一緒にDMVへ行き、支払いを済ませる:
    名義変更の完了を確認するために、売り手と一緒にDMVへ行きます。この時に支払いも済ませます。
  • ⑨車とレジストレーションを受け取る

監修/(自動車購入)AB AUTO TOWN https://www.abautotown.com、(保険)ダイワ保険代理店(TEL :1-800-447-5537)

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