アメリカの運転免許の取得と更新

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アメリカでは車は日常生活の必需品。また、運転免許証は身分証明書としての役割も果たしています。その取得に必要な試験の内容と手続き方法についてまとめました。
 
※このページは「ライトハウス 2023年春夏の増刊号」掲載の情報を基に作成・更新しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

路上での運転練習は筆記試験に合格してから

運転免許取得の第1歩は、DMV(Department of Motor Vehicle)での筆記試験です。混雑していることが多いので、受験予定のDMVに予約を取ると良いでしょう。受験当日は、有効なビザが添付されているパスポートと「I–94」(米国入国手続き後に入国管理局ウェブサイトからダウンロードできる「入国記録カード」)、ソーシャル・セキュリティーナンバー(国土安全保障省の保安基準を満たす新しい「REAL ID」を取得する場合は必須)や州内の居住を証明するもの(電気・ガス・水道代請求書のコピーなど)も必要です。なお、2025年5月7日から、「REAL ID」ではない従来の運転免許証・IDでは、連邦政府の施設への立ち入りや国内線のチェックインができなくなるので注意しましょう。

カリフォルニア州での運転免許試験

受験方法(18歳以上の場合)は、カリフォルニア州の場合、DMVのウェブサイトから申請し、DMVオフィスに出向きます(要予約)。必要書類を提出し、申請料(41ドル)を払ったら、指紋採取、顔写真撮影、視力検査を行って、筆記試験を受けます。
 
筆記試験(18歳以上の場合)は36問の三者択一問題。制限時間はなく、初回と再受験の場合は30問正解すれば合格(書き換え申請の場合は18問中15問正解)。日本語で受けられる所もあります。なお、試験の合否はその場で分かります。筆記試験に合格すると、「インストラクションパーミット」と呼ばれる路上での練習許可証が発行されます。この許可証とパスポート等の身分が証明できるものを所持し、カリフォルニア州の運転免許を持つ18歳以上の同乗者がいることを条件に、路上練習ができます。運転者が18歳未満の場合は、常に25歳以上の同乗者が必要です。練習している時に事故を起こした場合、免許を持つ同乗者が100%責任を負います。

ニューヨーク州での運転免許試験

ニューヨーク州では、DMVに出向き、申請用紙を記入し、パスポート等の身分を証明する書類と共に窓口へ提出します。申請料は64.25~102.50ドル(年齢・居住地により異なる)です。この時に視力検査も行います。続いて筆記試験を受けます(日本語版の問題もあります)。20問中14問以上正解で合格です。
 
筆記試験に合格すると2週間以内に「Learner’s Permit」が郵送されるので、実技試験の予約を取ります。実技試験の予約を受けるには「Adult Education Pre-licensing」もしくは「Driver’s Education」(約5時間の講習)を受け、修了証を得なければなりません。実技試験に合格すると2週間ほどで免許が郵送されてきます。

イリノイ州での運転免許試験

イリノイ州の場合、必要書類を提出後、視力検査、筆記試験、実技試験という流れとなります。筆記試験は35問中28問以上正解で合格です。15歳から運転はできますが、20歳まで年齢に応じて段階的にさまざまな制限が課されます。申請費用は、2/5/30ドル(申請者の年齢により異なる。87歳以上は無料)です。
 
なお、カリフォルニア州では居住開始後10日以内、ニューヨーク州は30日以内、イリノイ州は90日以内に居住地の州の免許の取得が義務付けられています。

運転免許試験用の車は自分で用意

実技試験は、約20分間(地域により異なります)の路上でのドライビングテスト。「アメリカの運転免許取得は日本より簡単」と考えている人もいるようですが、十分な練習が必要です。試験官の指示は英語ですので、しっかりと理解できていないと、運転動作が鈍ったり、指示を無視したとして、不合格になるので気を付けましょう。
 
実技試験に使用する車は自分で用意します。試験を受ける本人が、免許証所持者を同伴するか、運転してもらって車を持ち込みます。なお、州が定めた保険に入っていない車での受験は認められていません(自動車保険についてはこちら)。
 
当日は、保険の加入証明書や車の登録証、運転練習許可証、ニューヨーク州の場合は「Adult Education Pre-licensing」か「Driver’s Education」コースの修了証、そして同伴者の免許証も忘れずに持っていきましょう。レンタカーで受験する場合、必ずレンタカー会社から保険証を発行してもらい持参してください。保険証がないと、テストは受けられません。

試験前に、車のチェックを入念に

試験開始前に車は右・左折のウィンカー、ブレーキランプ、クラクションなどが正常に機能するかチェックされます。不備があった場合、受験できませんので、試験前によく確認をしておきましょう。また、自動車学校で教習を受けた場合は、学校の車を借りることができます。
 
ドライビングテストに不合格だった場合は、翌日以降にウェブサイトで次回の予約を入れ、再挑戦することになります。ドライビングテストは、3回まで受けられますが、2回目からは追加で8ドルの費用がかかります(カリフォルニア州の場合)。ニューヨーク州は2回まで追加料金なしで受けられます(3~4回目は10ドル支払います)。イリノイ州では3回まで申請費用に含まれます。
 
合格すればその場で、仮の免許証を受け取れます。写真の入った正式な免許証は、その後郵送されてきます。

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