ペットを飼う

家族の一員としてペットを飼いたいと思っても、初めてペットを飼う人には、分からないことや不安も多いでしょう。そこで、イヌやネコを飼う場合の最低限の情報とすべきことをまとめました。

ペットは家族愛情と責任を持つ

ペットを飼うとは、今後十数年を家族として一緒に暮らすということです。飼うと決めたら、愛情と責任を持ってペットとの生活を始めましょう。ペット選びでは、飼い主となる自分の状況を冷静に把握し、ペットの特徴を理解した上で自分に合ったペットを選ぶことが大切です。例えば、アメリカの家は広いからという理由で大型犬を飼いたい人は、大型犬の運動量なども考慮に入れ、子犬の頃なら問題なくとも、成犬になってからも毎日活発に散歩できるのかも選択の際のポイントになるでしょう。イヌやネコは、知人づてや信用のあるブリーダーから購入する方法もありますが、郡や市などが運営するシェルター(Animal Controlなど)が開催する「Adoption Event」(ペットショップ等で時折開催する里親探しイベント)で探すのも良いでしょう。これらの団体は、引き渡し前に病気の治療、狂犬病の予防接種、去勢手術などを済ませてくれ、問題が起きた際にも相談に乗ってくれます。
ペットと快適な生活を送る前に知っておきたいことが、動物に関する法律。カリフォルニア州やニューヨーク州では、イヌは必ず郡か市に登録が必須です。登録には、生後4カ月以上であること、狂犬病予防接種済み証明書、去勢手術済み証明書が必要。登録料は郡や市によって異なり、1年で10~20ドル程度。登録後は、個別管理番号のタグが発行されるので、首輪に装着しておきましょう。
また、個体認識のためにマイクロチップを体に装着する方法もあります。日本に帰る可能性がある場合、帰国時に装着が義務付けられている、日本の農林水産省が定めた規格に合う物を装着しましょう。登録番号やマイクロチップがあると、迷子になり保護された際、飼い主に戻る可能性が高くなります。なお、ネコの登録義務の有無は郡や市により異なります(ロサンゼルス郡の場合は、イヌと同様の手続きが必要)が、迷子になった時に備えて登録をしておくといいでしょう。
カリフォルニア州の動物愛護法では、24時間以上家の中などにペットを放置し、ケアを怠ったり、ロサンゼルス市では24時間(ニューヨーク市の場合は12時間)の間に3時間以上イヌをつなぎ留めたままにしておいたりすると虐待と見なされます。また、ニューヨーク市やロサンゼルス郡では、公共の場でイヌを散歩させる際には6フィート以下のリーシュにつながなければならないと決められています。
狂犬病予防接種は、定期的に受けなくてはなりません。狂犬病は、ペットにとっても人間にとっても、死亡率の高い病気だからです。日本には少ない病気ですが、アメリカでは頻繁に発生しており、自分のイヌが他人をかんでしまった場合、Animal Controlに通報しなくてはなりません。また、自分がかまれた場合も、狂犬病にかかる可能性があるので、通報する義務があります。

ペットの日本への入国に必要な手続き

ハワイ、グアムを除く米国から日本へペットを連れて帰る場合、まず、マイクロチップを体に装着し、狂犬病予防注射を30日以上あけて2回接種します。その後、採血を行い、指定の検査施設(米国は、Kansas State University Rabies Laboratory)に血液を送り、狂犬病に対する抗体価を測定してもらいます。そして、その検査結果が規定以上(0.5IU/ml)である必要があります。検査後は、輸出国で180日以上待機しなくてはなりません。日本入国の際は、該当の検査を受けたことを証明する輸出国獣医師発行の健康診断書が必要です。
通常、日本到着時の輸入検査で輸入条件を満たしていれば、短時間で検査が終了しますが、証明内容に不備がある場合は、最長180日間の係留検査となります。係留検査は、動物を人やその他の動物と隔離して病気の有無を調べるため、動物検疫所の係留施設で行います。長期間の係留となった場合でも、動物検疫所以外の場所での係留検査は認められません。
また、輸送の方法にかかわらず、ペットが入国する旨を、到着の40日前までに、到着予定の空港(港)を管轄する動物検疫所に届け出なければなりません。届け出は、FAX、郵送、動物検疫検査手続電算処理システムを利用して行います。なお、獣医によっては無料でこの届出を代行してくれるところもあります。これらの手続きを忘れた場合、ペットの入国を拒否されるので、忘れないようにしましょう。
以上の手続きの詳細は、農林水産省・動物検疫所のウェブサイト(「ペットの輸出入」>「犬、猫を輸入するには」)を参照してください。

イヌ、ネコ輸入手続きの流れ(ハワイ、グアム以外の米国内からの場合)

  • マイクロチップの埋め込み
  • 狂犬病予防注射(2回以上)
  • 狂犬病抗体検査(血液検査)
  • 輸出前待機(180日間以上)
  • 事前届出(日本到着の40日前まで)
  • 輸出前検査
  • 輸出国の証明書の取得
  • 日本到着後の輸入検査

出典:農林水産省・動物検疫所ウェブサイト

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