不動産を購入・売却・買い替える

アメリカでは、不動産の購入は住まいの所有という意味のほか、投資の目的もあり、平均5~7年に一度は買い替えると言われています。初めて不動産を購入する際のステップ、所有物件の売却の手順、買い替えのポイントなどをまとめました。

物件探しの前に購入可能額を確認

アメリカと日本では、不動産購入の捉え方が大きく違います。日本では、家を購入したら、その家に一生住むのが一般的ですが、アメリカでは、結婚、出産、引退などのライフステージに合わせて家を買い替えます。また、中古物件市場が大きいのも特徴です。アメリカの不動産売買は、通常、不動産エージェントを通して行われます。エージェントは買い主と売り主の双方に一人ずつ付き、買い主側は物件検索、ローン手配、書類作成、購入条件の交渉など、購入過程をサポートします。また、売り主側は、売却の準備から価格設定、契約締結までを手伝います。売買が成立したら、買い主は手数料を払わず、売り主が、買い主と売り主双方のエージェントに手数料を払います。
購入の流れは、まず、銀行やローン会社から発行されるローンに対する暫定的な許可書「Pre-Approval Letter」を入手します。これがあると、物件交渉の段階で有利になり、ローン申請のプロセスもスムーズになります。
ローン審査では、返済能力の有無、クレジットヒストリーなどが重要視されます。ローン審査前や最中にはローンを組んでの大きな買い物は控えましょう。支払えるローンの額が分かったら、ようやく物件探し開始です。

エージェントとエリア選びは慎重に

不動産を紹介し、売り主との交渉をしてくれるエージェント選びは、不動産購入の大切なステップです。
物件選びでは、エリアが大切。家の状態だけでなく、周囲の環境、治安、学校区なども考慮しましょう。物件の種類は大きく分けて一戸建て、タウンハウス、コンドミニアム。タウンハウスやコンドミニアムはローンのほかに毎月共益費の支払いもあるので、その点も注意して比較しましょう。
購入物件を決定したら、オファーを入れ、エージェントが売り主との交渉に入ります。買い主と売り主の希望価格の間で折り合いが着いたら契約成立。カリフォルニア州では、そこでエスクロー(中立の第三者機関が買い主と売り主の間に入り、取引を締結まで運ぶこと)がオープンします。エスクローで家の調査や最終的な価格決定の後、金融機関からローンが正式に承認されたら、公証人立ち会いの下、最終書類に署名。その後、取引が登記され、契約完了です。この一連の手続きは、他の州では「セトルメント」や「クロージング」と呼ばれることもあり、売主側と買主側双方が実際に顔を合わし、弁護士やセトルメント・エージェントが主導して、購入代金、権利証書の引き渡しなどが行われます。
なお、購入時には、頭金のほか、銀行やローン会社への手数料をはじめ、保険や諸経費、引っ越し費用、家の修理やリモデルが必要な場合にはその費用もかかりますので、それらも予算に入れておきましょう。
不動産の市場は常に変動しています。家の売却を考えている場合、まずは、物件のあるエリアや市場に詳しい不動産エージェントに相談しましょう。エージェントの力を借りると、例えば、買い手に有利な市場の時には、売却を保留してリースするなど、市場の変動を見つつ、売り時を判断することができるからです。
売却のプロセスは、エージェントと物件の価格や、売却の際の対策を相談し、買い主を探します。オファーが来たら、資金額、クレジットスコアなどで買い主の契約遂行能力を確認しましょう。
買い主が決まると各種手続きが始まり、その間、売り主は家の現状を購入者へ開示します。ほとんどの場合、シロアリ検査費用などは売り主の負担になります。エスクロー(セトルメント)の終了後、売却契約が済むと、売却益が銀行口座に入金され、完了です。
 
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不動産購入のステップ

【1】不動産エージェントを選ぶ
コンサルテーションで希望条件を整理
 
【2】資金計画を立てる
(1)初期コスト
◎頭金やクロージングコストの準備
(2)クレジットヒストリーのチェック
◎クレジットカード、自動車リース/ローンなど
◎最低3つのクレジットアカウントを持つ(多過ぎるとマイナス要因)
◎最低24カ月以上のヒストリーがある
◎支払いに遅れがないこと
◎限度額に対する残高に注意
(3)購入価格の想定
◎借りられるローン額を知る
いくらの家を買うか算出する
毎月の支払い可能額の確認
 
【3】エリア・物件を選ぶ
◎各エリアの特徴と相場を把握する
◎物件の希望条件を「MUST」と「WISH」へ分け、優先順位を明確にする
◎物件検索と下見をする
 
【4】オファーを提出
 
【5】契約開始/エスクロー開設
◎ローン手続き、不動産査定
◎ホームインスペクション、各種ディクロージャー書類やレポートの確認
◎修繕・クレジットなどの交渉
 
【6】エスクロー(セトルメント)終了/登記
 
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