アメリカの学校・教育制度

アメリカの学校教育制度は、日本とは大きく違います。公立の学校は、管轄の学校区の取り決めに従って運営されています。学校のある地域によって学制や学期などが異なります。小学校から高等教育まで、システムの違いを正しく理解しておきましょう。

アメリカの学校・教育制度

日本とは異なるアメリカの学校システム

アメリカの教育行政は、連邦政府ではなく各州に委ねられています。そのため、トランプ新政権が与える教育への直接的な影響はないと考えられます。教育行政は日本と異なり、各州の教育省の下にある郡教育局の、その下にある学校区の裁量で決定可能な範囲が広く、使用する教科書やカリキュラム、休日なども学校区ごとに決められています。学校区により教育方針やレベルに違いが現れるため、学齢期の子どもを持つ家族にとって学校区選び(居住地選び)は非常に重要な課題です。
アメリカの学校では学年のことをグレードと呼び、日本の小学校1年~高校3年にあたる12年間が、グレード1~12に相当します。アメリカの義務教育は、日本の幼稚園年長にあたる歳から始まります。このグレードをK(kindergarten)と呼び、グレードK~12が一般的な義務教育期間で、「K-12」と略称されます。小・中・高12年間の分け方は、地域によって異なります。一般的なのは、グレード1~5を小学校、グレード6~8を中学校、グレード9~12を高校とする分け方です。また、グレード1~8は「プライマリー・エデュケーション」、9~12を「セカンダリー・エデュケーション」、高校は、「ハイスクール」や「セカンダリースクール」と呼びます。高校4年間は、それぞれ別称があり、グレード9を「フレッシュマン」、10を「ソフォモア」、11を「ジュニア」、12を「シニア」と呼びます。
 
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公立学校と私立学校の違い

公立学校(パブリック・スクール)と私立学校(インディペンデント・スクール)の大きな違いは、学費と教育の質。K-12の学校選びでは、学費の安さを理由に全米の約85%の生徒が公立学校を選びます。
一方、教育の質の高さや、少人数制指導を求める生徒は、私立学校に通います。私立学校は、学校区に関係なく自由に学校が選べます。
全寮制の私立学校(ボーディング・スクール)に通う生徒もいます。ここでは、学習面だけでなく、課外活動や集団生活を通じて人間としての成長も24時間体制でサポートしてくれます。駐在員の家庭では、親が日本へ帰国しても、子どもがアメリカに残ることを希望した場合に、活用されています。

習熟度別クラス編成で学力に応じた指導を実施

アメリカの高校は大学と同様、単位制。それぞれが異なる時間割に基づいて授業を受けます。主要教科は習熟度別で、学力に合ったクラスを履修できます。卒業に必要な単位を取得すれば、グレード12が終了前に卒業も可能です。ただし、高校卒業に必要な単位と大学進学に必要な単位が異なる場合があるので注意が必要です。

全米で200万人が利用 ホームスクーリング

アメリカでは、家庭を拠点に学習を行う在宅教育(ホームスクーリング)が認められています。安全面や教育の質など、学校に対する不満が主な理由ですが、全米で約200万人のK-12の生徒がこの制度を利用しています。
学習方法は、自習や保護者から学ぶだけでなく、家庭教師を雇ったり、部分的に学校のクラスに参加するなどさまざま。オンラインで授業を提供する業者もあります。また、学校に所属し、スポーツなどの課外活動に参加することもできます。

米国の発達した障がい者教育

アメリカには日本よりも進んだ障がい者教育制度があり、学校はIDEA(個別障がい者教育法)により、個々の課題を見極め、適切な支援を無料で提供することが義務付けられています。
日本では「やる気がない」「能力が低い」と見過ごされる生徒も、アメリカでは科学的な診断により学習障がいや発達障がいと認定され、支援が受けられる場合もあります。学習/発達障がいの認定を受けた生徒には、個別教育計画が作成され、個々に合った特別な教育プログラムが無償で提供されるのが特徴です。

監修:教育コンサルタント 原田誠(www.macscareer.com)
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