アメリカのソーシャル・セキュリティーナンバー(SSN)

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アメリカの社会保障(ソーシャル・セキュリティー)を受けるために発行されます。ソーシャル・セキュリティーナンバー(SSN)は、住民にとってIDの役目も果たす大変重要なもの。その役割と取得方法、変更や紛失時の手続き、社会保障の種類などをまとめました。
 
※このページは「ライトハウス 2023年春夏の増刊号」掲載の情報を基に作成しています。最新の情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

アメリカ生活の開始時に欠かせない手続き

アメリカ生活をスタートさせる上で基本となるのがソーシャル・セキュリティーナンバー(SSN)の取得です。これは、社会保障局が個人に発行する9桁の固有の番号で、もともとは徴税用の個人特定が目的でした。戸籍制度のないアメリカでは、ソーシャル・セキュリティーナンバー(SSN)は個々の住民を認識するためのIDとして重要な役割を果たします。アパートや電気・ガス・水道などのユーティリティーの契約、ローンや銀行口座の開設など、生活の多くの場面で必要となります。
 
この番号は、一生涯、一個人に1つだけ発行されます。カードは紛失しても簡単に再発行してもらえますが、多くの重要な個人情報がソーシャル・セキュリティーナンバー(SSN)に紐付いているので、外部に漏れないよう気を付けることが大切です。ですので、財布などに入れて持ち歩かないこと。
 
米国市民でない場合、ソーシャル・セキュリティーナンバー(SSN)は合法的にアメリカ国内で働くことができる移民のみ取得が可能です。申請に費用はかかりません。申請には、まず新規番号取得の手続きを社会保障局のウェブサイト上で行います。その後、最寄りのソーシャル・セキュリティー・アドミニストレーションオフィス(社会保障局)に、グリーンカードか滞在ビザ、有効期限内のパスポート、労働許可カード(I-766)か出入国滞在記録カード(I-94)などの必要書類と申請用紙(SS-5)を記入して持参します。申請用紙はウェブページ(www.ssa.gov/forms/ss-5.pdf)からダウンロードできるほか、ソーシャル・セキュリティーのオフィスにも用意されています。申請後、14日以内にカードが郵便で届きます。
 
F-1ビザの学生がキャンパス内で働く場合や、授業の一環として学外で働く場合(OPTやCPT)は、学校の学生課や留学生オフィスから、在学の証明、雇用主と職種を明記した手紙を作成してもらいます。雇用先の給与明細、または雇用主から雇用を証明する手紙も必要になります。これらとI-20、有効な学生ビザ(パスポート)を持参して申請します。J-1の研修生の場合は、DS-2019、スポンサー企業からの雇用証明書が必要になります。
 
ソーシャル・セキュリティーカードはビザの種類によって異なり、制限事項が記載されます。アメリカ市民や永住権保持者は通常のカードが発行され、就労ビザ所持者は”VALID FOR WORK ONLY WITH DHS AUTHORIZATION”と書かれたカードが、就労が許可されていない人や政府の補助などのサービスを受ける人は、”NOT VALID FOR EMPLOYMENT”と書かれたカードが発行されます。

5年を超える駐在ではアメリカの社会保障制度に加入

ソーシャル・セキュリティナンバー(SSN)のカードを紛失した際は、再発行が可能です。また結婚などで姓が変わった、移民ステータスが変わったなどの場合は、速やかに届け出ましょう。これが正しく行われないと、タックスリターンの際などに、登録情報の不一致による書類不備とされて戻ってきてしまうことがあります。
 
アメリカで働く際、雇用主を通じ、ソーシャル・セキュリティータックスの支払いが定められています。これがソーシャル・セキュリティナンバー(SSN)で管理され、税金を払った年数に応じ、老後に年金(Retirement Benefits)が支給されます。
 
日米両国の年金・医療保険制度への二重加入の防止と日米両国の年金加入期間を通算し、年金保険料の掛け捨てを防止するために、日米社会保障協定(日米年金協定)が結ばれています。日本の本社からアメリカに駐在員として派遣される場合、5年以内なら日本の社会保障制度(国民年金)、5年以上の場合は、アメリカの社会保障制度(ソーシャル・セキュリティー)のみに加入すればよいことになっています。
 
ソーシャル・セキュリティーの保障制度は、障がい者年金(Disability Benefits)、メディケア(Medicare)、低所得者保障(Supplemental Security Income)、など、さまざま。ソーシャル・セキュリティーの恩恵を得るために必要な10年の加入期間を満たせば、日本帰国後もアメリカの老齢年金を受給できます。受給額は、日本の年金加入期間を通算して受ける場合、ソーシャル・セキュリティーに加入した期間に応じた額となります。
 
また日米社会保障協定により、居住国で相手国の年金を申請することが可能になりました。申請や協定の詳細は、日本年金機構のウェブサイトを参照ください。

関連:日米社会保障協定について(「ここが知りたい米国税務・会計」)

ソーシャル・セキュリティー関連サービス

社会保障局ウェブサイト

https://www.ssa.gov
ソーシャル・セキュリティーに関する最新の情報をチェックすることができるほか、質問集も充実。各種書類のダウンロードや、ZIPコードで最寄りのオフィスの検索もできます。

ソーシャル・セキュリティー

☎1-800-772-1213(月~金 8:00am-7:00pm)
https://www.ssa.gov/agency/contact/
ガイドに従って自分の氏名や住所を録音すると、申請書など必要な書類を無料で郵送してくれます。またZIPコードを入力し、最寄りのオフィスの住所や行き方、窓口時間を調べることができます。必要な場合は直接オペレーターと話すことも可能ですが、待ち時間が長いので推奨されていません。

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