ジャーナリストなど報道関係者に必要なビザ「Iビザ」とは?

ジャーナリストなど報道関係者に必要なビザ

吉原 今日子 弁護士

Q:私は日本で女優を目指しながら、雑誌に掲載するエッセーやコラムを書いています。今までに多くの映画に関するコラムを執筆してきました。最近、アメリカで映画関係の取材やアメリカの流行などの記事を書いてほしいとの依頼がきています。この場合、どのような条件で、どのビザが必要なのでしょうか?

A:アメリカに渡り、報道活動に関わるジャーナリストとして活動するためには、特別なビザを取得する必要があります。
 
ビザ免除プログラム(Visa Waiver)や、「B-1(Temporary Business Visitor)」いわゆる短期商用ビザを利用してのアメリカへの入国を考えるかもしれませんが、残念ながらジャーナリストには認可はされにくく適しません。ビザ免除プログラムや「B-1」ビザを利用しての入国は、商用または専門的な会議や大会への出席、取引先との商談、契約交渉、商品または材料の買い付け、裁判所での証言、独自に行う調査などの目的に限られています。
 
従って、それらを利用して入国した場合、給料の有無にかかわらず就労はできず、各メディアに記事や素材を提供するジャーナリストとして米国内で生産的な業務に就くことはできません。

 

「I」(報道関係者)ビザを取得するための条件と注意点

日本の雑誌社に雇われていて、米国内での取材活動を目的にアメリカに滞在するには、「I(Representatives of Foreign Media)」ビザを取得する必要があります。「I」ビザは、取材の必要性によって、最長5年間有効です。
 
報道関係者としてビザの発給を受けるには、その資格があることを証明しなければなりません。「I」ビザ受給者は、報道、ラジオ、映画、出版に携わる米国外報道機関の記者、撮影スタッフ、編集者、また同種の職業に就く人など、その報道機関の活動に重要な「外国報道機関の代表」に該当する必要があると、米国移民法では定められています。移民局の審査官は、申請者の活動が「I」ビザに適しているかを重要視します。ここでいう活動とは、その本質に報道性があり、最近の出来事の取材に関連したものを指します。報道活動の例としては、外国報道機関職員によるニュースソースの収集、ドキュメンタリーの撮影、独立した制作会社や映像の配給会社に所属し、情報配信やニュースに使用する映像を撮影するなどの内容が挙げられます。なおかつ、これらにかかる費用の出所、および配給が米国外である必要があります。また、非移民の証明として、アメリカでの滞在が短期間あるいは一定期間のみであること、米国滞在中の費用をまかなう資金を保持していること、米国滞在終了後に自国に戻る意志があり、また自国との社会的、経済的な強いつながりを持っていると証明できなければいけません。
 
加えて、「I」ビザの審査には、以下の条件を満たしていることも必要です。
 
①スポンサー企業の報道関係者である
報道関係者であると証明をするために、通常、報道機関から発行される身分証明書を提出します。「I」ビザスポンサー企業以外の依頼による取材活動はできず、スポンサーから依頼された取材活動に専念しなければなりません。
 
②スポンサー企業からの収入が保証されている
申請者の収入は、アメリカ企業からではなく、日本の会社から支払われていなければなりません。この保証として、雇用主からの手紙やアメリカでの取材活動の詳細説明、滞在費用負担を示す書類などが必要です。
 
③スポンサー企業が米国外に事務所を設立している
報道関係者は、社員として雇われる場合と、一定の期間、またはある事件の解決のめどに応じて契約を結び、取材や報道活動を行う場合があります。どちらも日本の会社からの派遣でなければいけません。

フリーランスで「I」ビザを取得する場合

特定の報道機関に所属していないフリーランスジャーナリストの場合は、専門的な報道組織が発行する身分証を所持している、報道機関と契約を結んでいる、商業、娯楽、あるいは宣伝広告が主目的ではない情報(例えばスポーツの試合)やニュースを米国外の視聴者に配信するという3つの条件を全て満たした場合に「I」ビザの申請が可能です。
 
いくつかの活動はその情報性により、明らかに「I」ビザを受ける資格がありますが、該当しない場合も多くあります。例えば、娯楽や宣伝、広告のための映像撮影を目的とした就労、校正者、図書館司書、映画撮影セットのデザイナーやその他報道関連の職業も該当しません。
 
(2014年7月16日号掲載)

アメリカで記者として働きたいのですがどのようなビザが考えられますか?

吉原 今日子 弁護士

Q:私は大学で文学部新聞学科を専攻し、日本の雑誌社で記者として働いています。アメリカでも記者として活動したいと考えていますが、どのようなビザが考えられるでしょうか。

A:アメリカで記者として働くには、2つのビザの取得方法が考えられます。日本の新聞社に雇われていて、アメリカにて報道活動をするなら、「Iビザ」の申請ができます。また、アメリカの新聞社で働くなら「H-1B」の取得をおすすめします。

「I ビザ」を取得するための条件と注意点

日本の新聞社の記者としてアメリカに来る場合、報道関係者としてビザの発給を受ける資格があることを証明しなければなりません。米国移民法では、「Iビザ」は、報道、ラジオ、映画、出版に携わる外国報道機関の記者、撮影クルー、編集者、同種の職業に就く人など、その報道機関の活動に重要な「外国報道機関の代表」に該当するとしています。領事は申請者の活動が「Iビザ」に適しているかを審査します。活動は本質的に報道性があり、概して最近の出来事の取材に関連したものでなければなりません。報道活動の例として次のようなものが挙げられます(これらに限られるわけではありません)。
 
●外国報道機関職員によるニュースやドキュメンタリーの撮影 、プロダクションや映像配給会社に所属する人で、撮影した映像が情報配信やニュースに使用され、なおかつその費用の出所、および配給が米国外である場合。
●報道機関と有効な雇用契約を結んでいるフリーランスジャーナリストで、商業的、あるいは宣伝広告が主目的ではない作品を、米国外の視聴者に見せるために活動する場合。
 
また、非移民の証明として米国での滞在が短期間あるいは一定期間のみであること 、米国滞在中の費用をまかなう資金があること 、米国滞在終了後、自国に戻るための社会的、経済的な強いつながりがあることの証明をしなければなりません。「Iビザ」のスポンサーに関する必要条件は以下の通りです。
 
①スポンサー企業の報道関係者であること
報道関係者の証明には、通常、報道機関からの身分証明を使います。「Iビザ」で他社の依頼による取材活動はできず、「Iビザ」のスポンサー会社の取材活動に専念しなければなりません。
 
②スポンサー企業(新聞社など)からの収入の保証があること
申請者の収入はアメリカ企業からではなく、派遣した日本から支払われていなければなりません。この保証として雇用主からの手紙、アメリカでの取材活動の詳細説明、滞在費用負担を示すものなどを準備します。
 
③スポンサー企業がアメリカ国外に事務所を設立していること
報道関係者は、社員として雇われる場合と、一定の期間、またはある事件の解決のメドに応じて契約を結び、取材・報道活動を行う場合があります。どちらも日本の会社からの派遣でなければ「Iビザ」は取得できません。
 
いくつかの活動はその情報性により明らかに「Iビザ」を受ける資格がありますが、該当しない場合も多くあります。「Iビザ」での報道活動に該当するかを判断する際、その活動が純粋に報道性があるか、あるいは概して取材活動に関連しているかという2つの要件を考慮します。例えば、「Iビザ」は娯楽や宣伝、広告のためのフィルム撮影の目的で就労する人には該当しません。校正者、図書館司書、映画撮影セットのデザイナーやその他報道関連の職業も「Iビザ」には該当しません。

「H-1B」を取得するための条件と注意点

もし前記の条件に合わず、アメリカの新聞社や出版社に記者として就職する場合、必要なビザは「Iビザ」ではなく、「H-1B」(就労ビザ)です。
「H-1B」取得のための大まかな条件は、
①申請者が学士号以上、またはそれに匹敵する職務経験を保持していること
②申請する業種は、学士号以上の学歴を必要とし、専門知識を要求するものであること
③①の学士号、あるいは経験が、職務において活かされるものであること 
 
あなたの場合、文学部新聞学科を専攻し、記者として職務を果たすために活かされる学位をお持ちですから、「H-1B」ビザを取得できる可能性があります。もちろん、新聞、雑誌などの内容も重要です。
 
取材活動がアメリカ国外の会社の依頼であれば、(たとえアメリカ国内に子会社があっても)「Iビザ」が必要ですし、アメリカ国内の新聞社に勤めるのであれば、「H-1B」の申請をしなければなりません。「H-1B」には6万5000の枠、10月開始などの規定があります。いずれにせよ、ビザ取得条件に見合うかどうか、まず取材目的、内容、会社の活動内容などを確認する必要があるので、専門の弁護士にご相談ください。
 
(2013年4月16日号掲載)

フリーのジャーナリストとして就労、Iビザ以外に方法はある?

吉原 今日子 弁護士

Q:大学でジャーナリズムを専攻し、卒業してから日本でフリーランスのジャーナリストとして働いています。日本の雑誌社からの依頼で、米国で取材をしたいと思っています。「Iビザ」を取ることは可能でしょうか?また、他の方法はありますか?

A:米国で記者として働くためには、「I」(報道関係者ビザ)か「H-1B」(就労ビザ)の2つのビザの取得が可能性として考えられます。

I(報道関係者)ビザ

メディアの記者として米国に来る場合、報道関係者としてビザの発給を受ける資格があることを証明しなければなりません。米国移民法でIビザは、報道、ラジオ、映画、出版に携わる外国報道機関の記者、撮影クルー、編集者、同種の職業に就く人など、その報道機関の活動に重要な「外国報道機関の代表」に該当するとしています。活動は本質的に報道性があり、概して最近の出来事の取材に関連したものでなければなりません。
 
報道活動の例としては、
●外国報道機関職員によるニュースやドキュメンタリーの撮影
●プロダクションや映像配給会社に所属し、撮影した映像が情報配信やニュースに使用され、なおかつその費用の出所、および配給が米国国外である場合
●報道機関と有効な雇用契約を結んでいるフリーランス・ジャーナリストで、商業的、あるいは宣伝広告が主目的ではない作品を米国外の視聴者に見せるために活動する場合などです。
 
なお、米国での滞在が短期間、または一定期間である(永住目的でない)こと、米国滞在中の費用を賄う資金があること、終了後自国に戻るための社会的、経済的なつながりがあることを証明しなければなりません。
 
Iビザでの報道活動に該当するか否かを判断する際、その活動が純粋に報道性があるか、あるいは概して取材活動に関連しているかという2つの要件が考慮されます。ですから、Iビザは娯楽や宣伝、広告など、商業的な目的で就労する方には該当しません。また、校正者、図書館司書、映画撮影セットのデザイナー、その他報道関連の職業に就く方も該当しません。

H-1B(専門職)ビザ

もし日本の雑誌社の米国子会社で働き、米国の会社の依頼で働くのであれば、必要なビザは、Iビザではなく、H-1Bビザになります。
 
H-1Bビザ取得のための大まかな条件は、
●申請者が学士号以上、またはそれに匹敵する職務経験を保持している(12年間の職務経験=4年間の大学での学業、と考えられています)
●申請する業種は、学士号以上の学歴を必要とし、専門知識を要求するものである
●学士号、あるいは職務経験が、当該業種において活かされるものであることです。
 
以上の条件を満たしていれば、H-1Bビザを申請できます。
 
あなたの場合、大学でジャーナリズムを専攻し、記者として職務を果たすために活かされる学位をお持ちですから、H-1Bビザを取得できる可能性があります。もちろん、新聞、雑誌等がどのような内容の記事を載せているかも重要です。取材活動が米国国外の会社からの依頼であれば、たとえ米国国内に子会社などがあってもIビザが必要ですし、米国国内の新聞社などに勤める予定であれば、H-1Bビザの申請をしなければなりません。
 
いずれにせよ、ビザ取得条件に見合うかどうか、まず取材目的、取材内容、会社の活動内容、就労期間などを確認する必要があります。移民法専門の弁護士にご相談ください。
 
(2012年2月16日号掲載)

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