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ジャンル アクション
オススメ度 ★★

ロシアの新星がハリウッドデビュー!
早くも続編が囁かれるヒットに

Wanted
Rating : R
◎主演 | アンジェリーナ・ジョリー、ジェームス・マカヴォイ、
    モーガン・フリーマン、他
◎監督 | ティムール・ベクマンベトフ

©Universal Studios

(2008年7月16日号掲載)
ジャン・ピエール・ジュネの『デリカテッセン』、ウォシャウスキー兄弟の『マトリックス』を観た時に“凄い才能が現れた”と思ったが、ロシア人監督ティムール・ベクマンベトフのハリウッドデビュー作『ウォンテッド』を観て、似たような衝撃を覚えた。ロシアで興行成績歴代ナンバー1のヒットとなった前作『ナイト・ウォッチ』『デイ・ウォッチ』シリーズで、ベクマンベトフが見せた、スタイリッシュなビジュアルセンスが新作でも冴え渡っている。ノンストップ・アクション映画『ウォンテッド』は、R指定でありながら、アメリカでオープニング週末5110万ドルという興行成績を収める大ヒットスタートを切った。

退屈なサラリーマン生活を送っているレスリー・ギブソン(マカヴォイ)は、デブで嫌味な上司の攻撃に毎日うんざり。ある日、フォックスと名乗る謎の女(ジョリー)が現れ、幼い頃に消息を絶った自分の父親が実はプロの殺し屋で、その父を殺した殺し屋クロスが、今度はレスリーの命を狙っている…と告げるや否や、白昼堂々とスーパーで銃撃戦が始まる。

フォックスは、1000年もの昔から悪を抹消し正義を守るために活動を続ける、フラテルニティーと呼ばれる秘密結社の殺し屋。レスリーの父親はここのトップの殺し屋だった。ボスであるスローン(フリーマン)は、仇を取るようレスリーを結社へと誘う。父親と同じく人並みはずれた心拍数を持つレスリーを、超人的なパワーを持ったスーパー・アサシンに育て上げようというのだ。しがないサラリーマンから一転、レスリーの“殺し屋への道”が始まる。

オープニングシーンの約20分間、アドレナリン全開の演出が光る。レスリーの父親が、超人的な跳躍力で隣の高層ビルの屋上へ銃を乱射しながらジャンプするシーンでまず観客の度肝を抜き、ジョリーの大胆なハンドルさばきのカーチェイスシーンが続く。お得意の“管の中をなめるような”カメラワーク(水道管に沿ってカメラを移動、車のエンジン内部をなめるようにカメラを移動させる)などが、今回も抜群の効果を発揮。狙撃シーンでは、標的が撃たれた地点から逆戻り。銃弾を撃った殺し屋の銃へ、映像をリワインドさせて弾の軌跡を追うなど、随所に大胆な演出が施されている。“あり得ない曲技”も健在。『ナイト・ウォッチ』では車が前方宙返りを決めるが、今回もひねり技を見せる。

仕事はダメ、彼女も親友に寝取られた、負け犬キャラの青年。だが、ある日突然自分の眠っていたパワーを開花させ、非現実的な日常に入り込んでいく…。いわゆる“スーパーヒーロー”よりごく身近な、等身大の主人公をマカヴォイが好演する。ジョリーは「この細い身体で、どうやったらこのアクションがこなせるんだろう?」という“痩せ過ぎ感”が目に付くが、母性あふれる“お仕置き女王様タイプ”のトレイナー役はお似合いだ。夏の暑さを吹っ飛ばすにはGOODな、痛快アクション大作!

【 文:MAMIKO KAWAMOTO
【文:MAMIKO KAWAMOTO
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