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アメリカでのビジネス・仕事

現地情報誌「ライトハウス」が人気コラム「アメリカ人と共に働く技術」をはじめ、起業・独立、マーケティングに関する情報など、アメリカでのビジネスに役立つ情報をご紹介。

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

61)繁盛するためのネット講座

マーケティング講座

皆さん、こんにちは! 阪本啓一です。
いまやインターネットは、ビジネスのインフラになりました。
しかし利益向上に充分生かされていると言えないのが現状です。
儲けるためにはネットの特性を熟知しましょう。

 ネットの持つ特性は6つあります。各特性に対する対応を明確に、キメ細かく実行することがネットで繁盛するための必須条件です。以下に挙げる項目を、「自社(店)はどうか」と振り返る材料にしてみてください。


1.検索に強い

 ヤフー、グーグルを始め、検索ビジネスは大変な利益を上げています。デジタルデータならではの「検索に強い」特性をビジネスモデルに仕上げたことが成功要因です。アマゾンも、リアル書店の書棚ではできない「検索」が顧客の便宜につながっています。また、検索エンジンからの自社オンラインショップへの「客寄せ」も、リアル店舗ではできない技です。


2.距離をなくした

 ネットショップができたおかげで、地方在住の人でも、欲しい商品を「お取り寄せ」できるようになりました。私は神奈川県葉山町に住んでいますが、町に書店が一軒しかありません。しかも中規模のお店のため、例えばブランドの専門書などは置いていません。でも、ネットショップのおかげで、欲しい本を、在庫状況によっては翌日に手にすることができます。また、「北海道の珍味」も、簡単に買うことができます。自宅にいながら、「Lighthouse」サイトを読むことで、LAの空気に浸ることもできます。地理的距離がネットの上ではゼロになりました。即ち、対象市場が地球規模に広がった、と考えることができます。中には、地域へさらに密着した商売をするためにネットを使っているお店もありますが、いずれにしても、ネットがなければ物理的距離が障害になったところを、逆に強みへと転換できるのです。


3.情報の質が変わった

⑴企業と個人の情報格差がなくなった
 製品・サービスの「評価」が個人によってなされ、それが不特定多数向けに公表される、ということも、ネットの出現によって生まれた情報の新しいスタイルです。「老舗」のwww.epinions.comは、サイトのキャッチコピーを"Unbiased reviews by real people"としています。本質が表現されていますね。こうなると企業も、「飾った、都合のいいことしか言わない」というわけにはいかなくなります。商品をはじめ、社会への発信も含めてビジネスそのものが、「本物」であることを求められるのです。

⑵情報編集力が重要に
 ニュースの速報性は、ネットが加速しました。よって新聞や雑誌など、トラディショナルなニュースメディアは、速報性ではなく、情報の編集力で読者訴求しなければなりません。情報が安く速くなったため、独自の視点や知見を持つメディアしか生き残れなくなったのです。メディアにとって、本来のあるべき姿になったとも言えます。


4.ブランドの要(かなめ)になった

 ウェブサイトはブランドの顔になりました。生活者は、知らないブランドがあると、まず検索して、ウェブサイトで調べる習慣になっています。ブランドの表現したいカラーや美(エステティクス)と充分マッチしたウェブサイト、メールのやりとりを含んだ顧客との双方向の関係性の構築、維持方法など、すべてがブランドの命を創ります。

5.個人がパワーアップした

 企業内の個人ということで申し上げれば、たとえば「カスタマー・サービス担当者は、『企業の顔』となる」ということです。顧客にとっては、メールの向こうにいる人が社長であろうが、部長であろうが、入社1年目の新人であろうが、派遣社員であろうが、関係ありません。メールによって提供してくれる解決や便宜など、いわゆる「価値」が重要なのであって、企業の組織がどうなっていようが、無関係です。これはブランドにも通じる重要な論点でして、「たった1人のパフォーマンス」が、そのブランドの評価を上げもすれば、地に落としもするのです。そしてその評価はたちまちネットを通じて地球をめぐります。企業は「組織で仕事をする」習慣を改め、「個人の力を伸ばす」仕組みや仕掛けを考えましょう。


6.デジタルそのものが商品となる

 iPodの革命性は、斬新なデザイン、指先一つでクルクル回して、選曲できたり、ボリュームを変えられたり、という操作性の革新、など、たくさんありますが、何といっても、「CDからMDなどの別のメディアに録音する」という作業を不要にしてしまったことにあります。これはデジタルデータならではの革新で、ウェブサイトからダウンロードできたり、シャッフル機能で曲順に意外性をもたせたり、デジタルそのものが商品になっています。そこに大ヒットの要因があるのです。

(2007年6月1日号掲載)