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ゴルフ徒然草

ヒデ・スギヤマが、ゴルフに関する古今東西の話題を徒然なるままに書きまとめた、時にシリアスに、時にお笑い満載の、無責任かつ無秩序なゴルフエッセイ。

ヒデ・スギヤマ/平日はハリウッド映画業界を駆け回るビジネスマン、
週末はゴルフと執筆活動に励むゴルフライター。

ヒデ・スギヤマ

Vol. 30 「日本の女子ゴルフは今後もっと強くなる」宣言。

米国の女子PGAでは、多くの韓国人選手が一大勢力となって確実に好結果を出している。
同じアジア人として嬉しい驚きであると同時に、
日本人選手にも同様の活躍を期待するというコメントを、これまでに何度も書いてきた。
宮里藍選手一人に全日本人の期待を背負ってもらうには、
彼女の肩と実績はまだあまりにも華奢(きゃしゃ)である。
人口が日本の半分以下の韓国の選手が、PGAツアーに何十人も名前を連ねる事実は、
羨ましいとしか言いようがない。
このような韓国人女子ゴルファーの隆盛を、10年前はいったい誰が予想しただろうか。

さてあくまでも私見だが、様々な種目のプロスポーツにおいて、
近い将来の飛躍を予言できる時があると思う。
例えばあるプロ野球チームはここ数年以内に強くなるとか、
またある種目の日本代表チームは近いうちに急速に実力が伸びる、
というふうに推測できる時があるのだ。
それも決して単なる希望的観測ではなく、
これまで何度か実際に推測どおりの結果を見てきた、と自負している。

例えば日本のプロ野球。2003年と05年にセリーグ優勝を果たし、
過去の“ダメ虎”イメージを完全に払拭した阪神タイガース。
どうして急に強くなったか? 
存在感が抜群で闘将としても名高い星野仙一氏を監督に迎えて、チーム色が変ったからか? 
それも大きな理由の一つだが、それだけで簡単にチームは変らない。
他の5球団もプロ魂満載で必死に戦っているのだ。
指揮官が変っただけで急に選手がうまくなるはずがない。
でも私はせん越ながら、それをさかのぼること数年前、阪神タイガースの躍進を断言していた。
何故か?それは当時の若手が確実に育っていたからである。


優勝の数年前から阪神タイガースの若手は、ウエスタンリーグで連続優勝を果たしていた。
その当時、2軍で若手を鍛えていたのが、現在の岡田監督である。
そしてその若手選手たちが、阪神が優勝する際の中心選手に育っていったのだ。
二軍とはいえ同年代の他チームに対し、
「阪神は強い。なかなか勝てない。」という強烈な印象を残しながら、
同時に自分たちも大きな自信を植え付けていった。
そんな選手たちをずっと見守っていた岡田監督が、03年の優勝時はヘッドコーチとして、
そして04年からは監督としてベンチに座っているのだ。
強くなる条件がそろっている。

サッカーを見てみよう。
前々回の日韓ワールドカップ大会から、
トルシエジャパン、ジーコジャパン、オシムジャパン、と変化していった日本代表。
これも私見だが、中でもトルシエジャパンが一番強かったような印象を受ける。
決してトルシエが、他の二人に比べて優れた監督だったという意味ではない。
高原選手の急病によるワールドカップ不参加は計算外だったが、
全体的に選手の個性と技量が素晴らしいチームだったのだ。
そしてその数年前に、おそらく数年後の日本代表は強くなるだろうな、
と実感した事を覚えている。

それは1999年のワールドユースで、日本代表は国際試合では過去最高の、
準優勝という素晴らしい結果を残した。
前述の阪神タイガース同様、世界の同年代の相手に対し、
「日本は強いぞ」という強烈なカウンターパンチを浴びせた大会であった。
しかも決して“くじ運やフロック”ではなく、イングランドやウルグァイという強豪と、
がっぷりと四つに組んで勝ち進んだ結果なのである。
そのチームは、天才・小野を中心に、稲本、中田浩、高原といった、
世界を恐れない勇ましい若者たちがチームの中心だった。
そのワールドユースの試合を見た時、
私は「サッカー日本代表は次の5、6年は大丈夫だな」と一人でニコニコしていたのである。


さて、ゴルフに話を戻そう。
今年の日本女子アマゴルフ選手権は、6月中旬に宮崎カントリークラブで開催された。
ここ数年、参加者の低年齢化が著しいが、決勝のマッチプレーに進出した今年のプレイヤーの平均年齢は、
何と18.6歳!つまりほとんどが高校生で、中には中学生も少なくなかったのである。
ちなみにこの大会は日本ジュニアではなく、日本アマなのだ。
優勝した綾田紘子選手は19歳、準優勝した酒井美紀選手はまだ16歳で、
あのハニカミ王子こと石川遼選手と同学年である。
他にもこの世代は有望選手の宝庫で、
既に女子ツアーに出場して好結果を残した藤本麻子選手や森田理香子選手も、
そろってまだ幼い表情の高校生である。

インタビュー記事によると、優勝した綾田選手が意識しているのは同じ土俵で闘うアマ選手ではなく、
同年代ながら女子プロの世界で既に大きな実績を残している、
今季早くも2勝の上田桃子や女子大生ながらフジサンケイで優勝した佐伯三貴である。
もっとも綾田選手にしてみれば、彼女たちはジュニア時代に多くの国際大会で一緒に闘った“同期の桜”であり、
「彼女たちが勝ったのなら、私もプロで通用する」と実感して何の不思議もない。

韓国女性プロゴルファーの急成長に、
「それはもちろん嬉しいけど、でもどうして日本からは出て来ないのか…」と首を傾げていた皆様、
もう少しだけお待ちあれ。そう、あと数年。
前述の阪神タイガースがウエスタンで連続優勝していた時、
またサッカーのユース日本代表が世界大会で準優勝した時、
それらと同じような雰囲気が今の日本女子ゴルフにはあると断言する。
単なる希望的観測ではなく、多くの日本人女子プロが、
ここアメリカという世界のひのき舞台で活躍する日が来るだろう。
その姿が私には既に見えている。

注:一部情報をゴルフダイジェスト誌より引用