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アメリカでの育児・子育て

ライトハウスに連載中の人気教育コラム、ハワイ在住の専門家がバイリンガル教育のノウハウを提案する「船津徹のアメリカで実践 バイリンガル子育ての秘訣」のほか、英語学習や学校教育、受験などについての疑問に答える「教育カウンセリング」をご紹介。アメリカでの育児・子育て・教育・子供の学校選び・進学に役立つ情報を提供しています。

船津 徹
船津 徹

バイリンガル教育カウンセラー。福岡県生まれ。

州をまたいだ転校で気をつけることは?

中学2年と小学5年生の子供がいるのですが、今度主人の仕事の関係でテキサスへ行くことになりました。子供たちも転校しなくてはいけないのですが、州をまたいで転校する際、気をつけるべきことはありますか。

松本輝彦(INFOE代表)

中学生や小学生の手続きはスムーズ
単位制をとる高校生は注意が必要

 アメリカの違う州への転校についてのご質問です。基本的に高校生でない限り、転校での大きな問題はありません。

一般的な転校の手続き

学校の事務室へ行き、転校する旨を告げます。子供が借りていた教科書を全て返却します。この時には、退学する学校から特別な書類は渡されません。予防接種を受けたという証明「Immunization Record」が自宅にないなら、学校の記録のコピーをもらっておくと便利です。

学期の途中での転校ならば、小学校なら担任の先生、中学校ならば教科担任の先生が、その日までの手書きの成績を渡してくれる場合があります。

次は、転校先での編入手続きです。新住所の校区を調べて学校へ出向き、編入に必要な書類をもらいます。家庭で使う言語が英語でないなら、事前に予約をして、英語のレベルを調べるテスト(Placement Test)を受けます。テストの結果をもらったら、その書類を後日学校へ持参します。

子供を連れて学校へ出向き、居住している住所を証明する書類、必要な予防注射を受けたことを証明する書類を持参し、編入に必要な書類を記入します。すべてが揃っていれば、その日から授業が始まります。

転校前に在籍していた学校で子供の成績や日頃の振る舞いを書き記していたファイルを取り寄せるためには書類に親の合意が必要です。この書類を転校前の学校へ送り、子供のファイル一式を取り寄せます。

 高校より学年が下(8年生以下)の児童の場合は、以上のような流れで非常に簡単に転校できます。子供が特別な教育を受けていたり、才能がある子供(GATE)に認定されていたとしても、新しい学校区や学校で再度、認定をしてもらうのが一般的です。

高校生の転校の手続き

 高校の初めに転校した場合は問題ありませんが、途中での転校には特に注意が必要です。

 アメリカの高校は単位制です。州や学校区により卒業の条件が決められています。必修科目を受講し、あらかじめ決められた単位数を取得することが高校卒業の主な条件です。最近は、これらの条件に卒業資格試験の合格を加える州もあります。
 問題になるのは、転校前の学校で受講した科目の認定です。カリフォルニア州の必修科目とは異なる科目を卒業までに要求する州もあるでしょうし、卒業の単位数が大きく増える場合もあるかもしれません。4年制の高校の場合、8年生修了後のサマー・スクールから高校の単位として扱われるのも注意が必要です。

 実例をひとつ挙げましょう。父親の転勤に伴い、11年生修了時にカリフォルニア州からニューヨーク州の高校へ転校した生徒がいました。転校後、ニューヨーク州の高校卒業の条件がカリフォルニア州のそれと大きく異なっており、12年生の1年間で卒業資格を取るのは無理だと判断されました。そこで卒業が遅れないように、その生徒は急遽カリフォルニア州の元の高校へ戻りました。家族はニューヨーク、本人はカリフォルニアでホームステイです。1年後に高校を卒業したその生徒は、帰国子女入試を受験して日本の大学へ無事に進学しました。

 このように近年のアメリカの教育改革の影響で、高校卒業の条件を厳しくしている州があり、単位の移行がスムーズにいかないことがあります。転校先の高校に単位取得の詳細を事前に問い合わせるなどの準備が必要です。
 転校前の学校で受講した科目と成績を認めるかどうかは、転校後の学校が最終的に決定します。元の高校から正式な成績証明書(Official Transcript)を発行してもらって、転校後、直ちにカウンセラーに渡し科目の認定を受けてください。

 ここで述べた転校手続きの詳細や高校卒業のルールなどは、州や学校区により大きく変わりますので、必ず、転校先の事務室やカウンセラーに確認してください。