松井 誠 / 俳優

ライトハウス電子版アプリ、始めました

「舞台中はすべて忘れて酔いしれて」

昭和の大俳優、長谷川一夫の再来と言われ、多くの熱烈なファンを持つ松井誠さんは、歌舞伎界や日本舞踊会からも注目される俳優。8月に初のLA公演を控え、会場の下見に来ていた同氏にインタビューし、今回の公演に対する思いや見どころなどをうかがいました。

松井誠◎1965年、九州が拠点の松井千恵子一座の子どもとして生まれ、0歳から子役としての人生を歩む。旅役者生活に嫌気が差し、中学卒業時に一度は家出して上京するも、18歳で再び九州に戻る。それからは順調に舞台経験を重ね、「肥後の杉良」「生きる博多人形」と呼ばれ人気を博す。25歳で再び上京し、劇団員4人で「劇団誠」を旗揚げ。以降、「歌舞伎より美しく、吉本よりも面白く、新派よりもせつなく」をモットーに独特の大衆娯楽劇でファンを魅了している。

―LA公演実現まで3年間スケジュールが埋まっていたほどご多忙の中、今回は会場の下見に来られたそうですね(取材は2015年5月)。

松井誠さん(以下松井):下見は公演2、3日前でいいのではとも言われたんですが、中途半端なことはしたくないんです。初めての会場なので、舞台から客席を見た感覚はもちろん、客席から舞台を見た感覚も自分の体に入れておきたくて。そのために昨日は客席から別のショーも見ました。

―LA初公演ということで、日本人をはじめアメリカ人の方々も観劇に来られると思います。見どころを教えてください。

松井:日本の伝統的舞踊である黒田武士などを通して、日本文化をきちんと伝えたいですね。また、魂が宿った日本人形に扮して動き回り、最後は人形ケースに帰っていくという芸や、舞台上で女形を演じながらお客様の前で着物を着替える「女形早着替え」などもぜひ見ていただきたいです。それからもう一つ。最近の舞台は、演者とお客様がテレビとその視聴者のような、お互いからかけ離れたものになってきている気がするんです。でも、私の舞台ではライブならではの迫力をしっかり出しながら、お客様からも拍手やお声がけをいただいたりして、役者とお客様で舞台の熱を共有したいと思っています。

―なるほど。それは本当に楽しみです。今回、LAに来られて、訪れてみたい場所や食べてみたいものなどはありますか?

松井:ゆっくり観光を楽しむってなかなかできないんですよね。舞台前は体調を崩したくないのであまり外出しません。出かけるとすれば舞台が全て終わってからですが、次の舞台もあり、なかなか時間が取れないのが正直なところです。食べ物に関しては、今日ステーキを食べに行くのを楽しみにしています。ただ、こちらの食事はボリュームがすごいですよね。職業柄太れないので、全部食べちゃわないように気を付けます(笑)。

―体調管理にすごく気を遣ってらっしゃるんですね。プロ意識を感じます。

松井:食事制限以外にも風邪を引きそうだったらすぐ風邪薬を飲んじゃうとか、体調にはすごく敏感です。ただ不思議なことに、舞台に上がってしまうと39度の熱があっても終わる頃には下がっているなんてこともよくあって。これはもう、何か自分以外の別の力をどこかからいただいている感じがしますね。

―最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

松井:私の舞台はどなたさまが観ても楽しんでいただけますし、観た後は2、3日夢に出てくるくらい、忘れられない舞台を目指しています。いいことも悪いことも全て忘れて酔いしれていただくよう精一杯努めますので、ぜひ観にいらしてください。

『松井 誠&USフレンズショー』

■主催:松井誠&USフレンズ・ショー・サポート・クラブ
■公演日:8/9(日)1:00pm開演
■会場:Aratani Theatre(244 S. San Pedro St., Los Angeles)
■料金:$60、$45、$40、$30
■チケット配布元:カルチュラル・ニュース
■チケット取扱店
・上原旅行社(319 East 2nd St. ,Suite 203, Los Angeles☎213-680-2499・上原)
・元氣倶楽部(18187 Van Ness Ave.,Torrance☎310-819-8703 Eメール:info@higenkiclub.com ・中村)
 
(2015年7月16日号掲載)

「特別インタビュー」のコンテンツ