永住権申請中の結婚について

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永住権申請中に結婚を予定・取得に際し、ベストな方法は?

瀧 恵之 弁護士

Q:H-1B ビザで仕事をしていて、現在働いている会社をスポンサーにして永住権を申請中です。あと3カ月ほどで、私の永住権審査の順番が回ってくるようなのですが、今付き合っている彼女との結婚を考えています。どのタイミングで結婚するのがベストでしょうか?ちなみに彼女は、現在F-1ビザでアメリカに滞在中です。

A:あなたの審査の順番(Priority Date)が来て永住権(グリーンカード)が取得できるまでに、彼女との入籍を済ませておくのがベストでしょう。一般的に、永住権取得手続き中に結婚・入籍をし、その配偶者をあなたのグリーンカード取得の手続きに加えるには、あなたの永住権申請が審査のどの段階にあるかによって、その方法が変わります。
 
雇用を通して永住権を申請する場合は、第1段階として、労働認可証(Labor Certification)を取得するための過程である労働局(Department of Labor)での審査、第2段階として、スポンサーである会社の経営状態の審査(I-140 の申請)、最後に、申請者自身の審査(I-485 の申請)に分けられます。
 
場合によっては(申請者が修士号を取得していたり、学士号に加えて5年以上の職務経験があるような場合など)、上記の第2段階と第3段階が並行して進むこともあります。ただし、I-140 の申請が認可を受けない限り、第3段階のI-485 による申請が認可されることはありません。
 
あなたの場合、もしI-485による申請を開始していなければ、彼女と入籍後、一緒にI-485 の申請を行うのが得策です。彼女のI-485の申請が開始された時点で、米国での滞在資格が確保されますので、F-1ビザのステータスが切れても構わないことになります。また、I-485に加えて、2人共がI-765(就労許可の申請)とI-131( 一時渡航許可)の申請を行えば、彼女も申請から約2カ月から4カ月程度で、就労許可、および一時渡航許可を取得することができます。ですので、米国での就労(彼女はどこで働いても構いません)や、一時的に米国を離れ、再入国する(F-1ビザが切れた後であっても)ことが可能になります。

永住権取得前に必ず入籍を済ませておく

次に、I-485 による申請をすでに開始してしまっている場合です。3カ月で順番が回ってくるとのことですので、あなたは恐らくこの場合に該当すると思います。
 
この場合は、あなたがグリーンカードを取得するまで待ち、その後に彼女の申請を行うことになります。この手法を、「Follow to Join」と呼びます。この方法では、申請を開始して約9カ月から1年で、彼女は永住権を取得することができます。彼女が申請を開始した後、就労許可、および一時渡航許可を先に取得することで、永住権を取得するまでの間、就労、および国外渡航ができます。
 
この際気を付けていただきたいのは、彼女が永住権の申請を行うまでは、F-1ビザのステータスを維持しないといけないということです。F-1ビザのステータスを維持するには、仮にF-1ビザが切れても、有効なI-20 を保持することによって確保することができます。ただしF-1ビザが切れた後は、一時渡航許可を取得するまでは、アメリカ国外への渡航はできません。
 
もし、彼女があなたの永住権が取得できるまで、(ステータスを維持できないなどの理由によって)米国内で待つことができず、日本に帰って待つ場合、あなたが永住権を取得した後、日本の米国大使館で永住権の手続き(Consular Processing)を行うことが可能です。日本の米国大使館にて彼女のインタビューが行われ、そこで最終的に認可を受けると、半年間有効で米国に1回限り入国可能なビザ(Immigrant Visa)が発行されます。そして、米国に入国の際、空港でパスポートにスタンプが押され、この時点で彼女は法的に永住権を取得したことになります。実際のグリーンカードは、その後3週間程度で入国の際に届け出た住所に郵送されます。
 
いずれの場合においても最も気を付けていただきたいことは、あなたが永住権を取得するまでに、少なくとも彼女との入籍は済ませておく必要があるということです。あなたが永住権を取得した後に彼女と結婚(入籍)した場合には、彼女が永住権を取得するのに5年以上を要し、またその間、あなたと結婚しているからという理由だけでは、彼女はアメリカに滞在することはできません。従って、例えば現在のF-1ビザを5年間継続する必要が出てくるなど、非常に不便な状況を作り出してしまいます。
 
また、入籍があなたの永住権取得直前である場合は、結婚自体が疑われる危険性もあります。ですので、結婚を証明する書類(共同名義の口座や写真など)を十分に準備されることをおすすめします。
 
(2012年5月1日号掲載)

グリーンカード申請中に結婚したら?

瀧 恵之 弁護士

Q:現在、働いている会社を通してグリーンカードを申請中ですが、結婚することになりました。彼女は、Fビザでアメリカ滞在中ですが、1年後にはビザが切れてしまいます。合法的に一緒にアメリカで暮らす方法はありませんか?

A:あなたのケースの場合、グリーンカードの申請が、現在どの段階にあるかによって、手続きが変わります。
 
雇用を通してグリーンカードを申請する場合は、第1段階として労働認可証(Labor Certification)を取得するための過程である労働局での審査、次に第2段階として、スポンサーである会社の経営状態の審査(この申請は、通常I-140による申請と呼ばれます)、最後に第3段階として、申請者自身の審査(この申請は、通常I-485による申請と呼ばれます)に分かれます。申請者が修士号を取得していたり、学士号に加えて5年以上の職務経験があるような場合、前記の第2段階と第3段階が並行して進むこともあります。ただし、第2段階のI-140の申請が認可を受けない限り、第3段階のI-485による申請の認可を受けることはできません。
 
もし、あなたのケースが第3段階のI-485による申請を開始していない場合は、彼女と入籍後、一緒にI-485の申請を行うのが得策であると考えます。彼女のI-485の申請が開始された時点で、彼女の米国での滞在資格が確保されますので、Fステータスが切れても構わないことになります。
 
また、I-485に加えて、お二人共が、I-765(就労許可の申請)とI-131(再入国許可)の申請を行えば、彼女も申請から約2カ月から4カ月程度で、就労許可および、再入国許可証を取得することができますので、米国での就労(この場合、彼女はどこで働いても構わないことになります)および、米国外への渡航(F-1ビザが切れた後であっても)が可能になります。
 
この際に気を付けないといけないことは、彼女がI-485の申請を行うまで、Fステータスを維持しなければならないということです。Fステータスを維持するには、仮にF-1ビザが切れた場合であっても、有効なI-20を保持することによって、確保することができます。ただし、F-1ビザが切れた後は、再入国許可を取得するまで、米国外への渡航はできません。
 
彼女がこの間も渡航を希望する場合は、F-1ビザが切れるまでに、彼女のステータスをあなたのステータスの配偶者としてのステータス(例えば、あなたがH-1B保持者ならばH-4)に切り替え、さらに、そのビザを取得されることおすすめします。

I-485を申請済みの場合、入籍を済ませておく

次に、もし、あなたのケースが第3段階のI-485による申請を既に開始してしまっている場合は、あなたがグリーンカードを取得するまで待ち、その後に彼女の申請を行うことになります。
 
この場合、彼女の申請を開始して約9カ月から1年で、グリーンカードを取得することができます。ここで気を付けないといけないことは、あなたがグリーンカードを取得するまでに、彼女との入籍を済ませていることです。あなたがグリーンカードを取得した後に入籍した場合は、彼女がグリーンカードを取得するのに6~7年かかってしまいます。
 
また、彼女の申請を開始するまでは、有効なI-20を保持するなどしてステータスを維持する必要があります。彼女の申請を開始した後は、彼女がグリーンカードを取得するまでの間、就労許可および、再入国許可証を先に取得し、就労・米国外への渡航を行うことができます。
 
もし、あなたがグリーンカードを取得するまでに、彼女がステータスを維持できない等の理由によって米国内で待つことができず、日本に帰国して待つ場合、あなたがグリーンカードを取得した後、日本の米国大使館での永住権の手続き(Consular Processing)を行うことも可能です。
 
ただし、この場合もあなたがグリーンカードを取得する前に彼女との入籍を済ませておくことが重要です。日本の米国大使館で彼女のインタビューが行われ、そこで最終的に認可を受けると、半年間有効で米国に1回限り入国可能なビザが発行されます。そして、米国に入国の際、空港にてスタンプがパスポートに押され、この時点で彼女は法的に永住権を取得したことになります。グリーンカードはその後、米国の住所に郵送されます。
 
(2008年4月16日掲載)

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