学ぶ・育てる
Study

テルコ・ゴルノーのきままなスクラップブック

生活に「手作り」をたくさん取り入れたブログでお馴染みの作者 テルコさんの「手作りの宝物」をご紹介します。

テルコ・ゴルノー
テルコ・ゴルノー

2003年よりLA在住。趣味は陶芸・編み物・水泳・サルサなど。旅行も好きで今まで訪れた国は62カ国。

Vol.12) もうひとつの家

子育てで八方ふさがり
打開策でデイケアに

どこの家も同じだと思いますが、子供が生まれる前と後では生活が180度変わりました。空気のように思っていた私の自由時間、子供を気軽に預かってもらえる家族や親戚が近くにいない私にとって、この事実は本当に八方ふさがりでした。そんなこと生まれる前からわかっていたからこそ、子育てを純粋に楽しむことが出来ない自分自身に戸惑うばかり。

愚痴っぽくなってため息ばかりついている私を見かねてか、夫が「週に2度デイケアで預かってもらおう」と提案してくれました。まだソフィが4ヶ月の頃の話です。

知人の紹介で見学に行ったそのデイケアは、グアテマラ出身のOさんの自宅で,家から車で10分ほどの距離。来る者拒まずという感じの大らかな雰囲気がある人で、18年もの経験があるということですから、安心して任せられそう。最初は歩くどころか、粉ミルクを飲んでいた頃だったので、人見知りもなくすんなり慣れてくれました。特にOさんの姪で手伝ってくれているFさんがソフィのお気に入りで、今ではまるでもうひとりのお母さんのような存在です。

頭の中では子供と一緒に居て私自身も子育てを満喫出来ればいいのだとわかってはいるけれど、実際は子供と四六時中べったり居ると息が詰まってしまうもの。私も息抜きをすることによって、娘と接する時に機嫌良くいられて、ソフィもデイケアで他の子供や先生と接することによって自分の世界が出来れば、お互いにいいと思うのです。長年色々な子供と接しているOさんは子育てのよき相談相手でもあります。風邪の兆候を知らせてくれたり、偏食の相談、おしゃぶりの止め時、言葉の発達の報告など、まるで子育ての百科事典のような人です。


「私の家だもん!」
娘にとって大好きな場所

最初の目的であった私の自由時間がかけがえのない気分転換になっていることは言うまでもありませんが、好奇心いっぱいの娘にとってもデイケアは新しいことを吸収できるうってつけの場所のようです。まず、動物が大好きになってくれました。Oさんの家には犬、猫、鳥がいて、どの子供も家族の一員のように動物と遊んでいます。我が家にはペットがいないので、自然に動物に慣れてくれたことにホッとしています。

年齢が近い子供が何人もいるので、お互いに真似をして歌や仕草を覚えてくるのもいい影響だと思います。デイケアではOさん達がスペイン語をしゃべっているので、子供達も自然に簡単な単語は覚えるようです。ソフィも水のことを「アグア」と言うようになり、私のほうが子供から習う始末です。

のびのびと裏庭で遊ぶソフィは、今や私が迎えに行っても帰りたがりません。もっとボールで遊びたい、もっとピアノを弾きたい・・・私の知らない世界で活き活きしてる娘を見るのは私もひたすら嬉しい。「ソフィ、そろそろ家に帰ろう」と言ってみるものの、きっと彼女は「ここだって私の家だもん!」と思っているに違いありません。






キッチンを走り回って、水をちょうだいと
お願いしているソフィ
リビングルームにて、Oさん、Fさん、
犬のドーキーと一緒に。
もう一人のお母さんのようなFさんと
犬のドーキーと遊ぶソフィ。

(2009年6月16日号掲載)



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