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アメリカTV・インタビュー

現地情報誌「ライトハウス」が過去に取り上げた、アメリカで活躍する俳優、監督/プロデューサー、脚本家へのインタビュー記事など。

ライトハウス編集部
ライトハウス編集部

上級プロデューサー/監督 グリア・シェパード

文学少女からライターの守護神に

Greer Shephard
父の転勤を期に、13 歳でLAに。文学少女は、東海岸の大学に進み、国文学専攻。卒業後、ディズニー・テレビジョンの幹部候補生養成プログラムを経て、1991 年ABCの企画部に転職。93 年ドラマ企画部長、95 年より副社長を務めたが、新人ライターのビジョンを守りたいと独立。98 年The Shephard/Robin Companyを設立し、『Nip/Tuck』『The Closer』『State of Mind』『Trust Me』などを制作、活躍中。


『The Closer』のブレンダ・リー・ジョンソン本部長補佐は、21世紀の「デキる女」。LAPD特別班を率いる実力は、華奢な外見からは想像できない上、甘い物に目がない、片付けられない、縦列駐車できないなど、完璧からは程遠い。ブレンダの生みの親グリア・シェパードに聞いてみた。


番組が始まって以来、ブレンダ誕生の経緯をうかがいたくて。

シェパード(以下S):ABC時代、『Prime Suspect』風の作品をと何度も試みたのですが、結局「胸のある男」を創り出す結果に(笑)。映画『Fargo』を観て、男以上に働かないと出世しない時代は終わり、詫びない、媚びない「デキる女」の時代が来たのだ!と閃きました。ついでに、40を過ぎて独身、子供は要らないけど恋愛はしたい=母性本能と無関係に生きる少数派の女を代表してもらおう!とか、攻撃DNAを持ち合わせない女を、暴力の真っ只中に置いてみよう! など…過去に学んだこと、私が描いている理想の女を混ぜ合わせたのがブレンダです。甘い物に目がないのは、実は私!(笑)


女刑事多しと言えど、職場にスカートをはいて来るのはブレンダだけですね?

S :外見も、計算ずくです。警察の過剰暴力が世間を騒がせた時に企画を練っていたこともあって、才色兼備の刑事が、スカートを翻して取調室に入って来るほど意外な絵はないと計算しました。犯人は「たかが女」と油断するはずで、見くびりを逆手に取る心理作戦です。


シリーズ企画が目標で業界入りされたのでしょうか?

S :父はCBSで、『Magnum』や『Cagney & Lacy』を企画した業界人ですが、私は本の虫でした。大学を卒業して、ディズニーの幹部候補生訓練プログラムに受かったのですが、コメディー最盛期で、私の出番がなくて。結局、新人ライターを発掘するドラマ部門で、ダイアモンドの原石のようなライターを探す訓練を受けました。今の仕事が務まるのは、この訓練のお陰です。


ABCでドラマ企画の采配を振っておられたのに、独立されたのは?

S :ABCの本体である撮影所が銀行化し、著名なプロデューサーにしか投資せず、無名のライターを養成できなくなったからです。新人+ベテランのコンビで制作したこともありますが、必ずベテランが新人のビジョンを押し潰してしまう苦い体験でした。ライターを守りつつ、局が求めるレベルの作品を創る「保証」を提供するのが私の使命と、会社を設立しました。


地上波局の問題は、いまさらお尋ねする必要はありませんね?

S :ケーブルには「冒険心」と「遊び心」があると同時に、失敗が許されないので、万全を期してリスクを冒します。地上波局は、失敗は不可避と見なすのが最大の違いでしょう。


テレビを選ばれたのはなぜ?

S :脚本を書いてから、放送までの期間が短いので、アイデア↓反応や社会への影響が手に取るようにわかる「即時性」が魅力。監督中心の映画と違って、放送作家の世界という点と、時間をかけてキャラクターがどう変遷して行くかを目撃できる点が小説っぽくて、大好きです。








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