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現地情報誌「ライトハウス」が過去に取り上げた、アメリカ芸能界ゴシップ情報や、著名人・有名人へのインタビュー記事など。

ライトハウス編集部
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カンヌ映画祭だより(前編)

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世界最大の映画の祭典、カンヌ映画祭が5月13日から24日、南仏の高級リゾート地、カンヌで行われた。第62回を迎えた今年は、クエンティン・タランティーノ、ペドロ・アルモドバル、ケン・ローチ、ジェーン・カンピオンなど、カンヌ常連組の監督たちが揃い、激戦が繰り広げられた。2号連続で、その華やかな現地での様子と結果をお伝えしていこう。


◎カンヌ映画祭とは?
今年で62回目を迎えるカンヌ映画祭は、ヴェネチア国際映画祭やベルリン国際映画祭とともに世界三大映画祭と称される。映画祭と合わせて国際見本市(マルシェ)も開かれ、毎年世界中から映画スター、映画製作者、バイヤー、配給会社が集まる世界最大のプロモーションの場にもなっている。
 
主要な部門は、「コンペティション部門(主要部門)」「ある視点部門(芸術性の強い秀作が多い)」で、他に「特別招待作品(ハリウッド映画など興行的なもの)」、短編部門、映画学生の作品対象のシネ・フォンダシオン部門がある。また、併行週間と呼ばれる「監督週間( フランス映画監督協会主催)」や、「批評家家週間」が映画祭事務局とは別組織で運営、開催される。

今年、コンペ部門の審査委員長を務めるのはフランスを代表する実力派女優、イザベル・ユベール。78年と01年の2度、カンヌで主演女優賞を受賞し、審査員や司会進行役としても活躍した人物。カンヌ映画祭では、審査委員長の意見が評価に大きく影響すると言われているが、過去にはショーン・ペン(2007年)、クエンティン・タランティーノ(2004年)など、さまざまな俳優、監督が委員長を務めた。


◎日本人の作品
「ある視点部門」に是枝裕和監督が韓国女優ペ・ドゥナを主演に迎えたファンタジー『空気人形』が、「監督週間」には、諏訪敦彦が仏俳優イポリット・ジラルドと共同監督した『ユキとニナ』(日仏合作)が出品された。また河瀨直美監督が、監督週間で功労賞にあたる「黄金の馬車賞」を受賞。スペインのイザベル・コイシェの新作“Map of the Sounds of Tokyo” に主演の菊地凛子もカンヌに参加した。



河瀨監督が監督週間
「黄金の馬車賞」を受賞

フランスの映画監督協会の会員250名がカンヌにゆかりのある映画監督を選んで授与する功労賞「黄金の馬車賞」を、日本人として、また女性として初めて河瀨直美監督が受賞した。10年前、『萌えの朱雀』が「監督週間」で上映され史上最年少でカメラドール(新人監督賞)を受賞。07年『殯の森』がコンペ部門のグランプリ(審査員賞)を受賞するという快挙を成し遂げた。

海外で最も愛されている日本人監督のひとりだが、その理由について本人は「目に見えないものの存在を、映像で確実に目に見せてゆく。映画というメディアの中での、河瀨映画の感覚的な表現方法、構成のあり方を評価してくださっているのでは」と分析する





コンペ部門に出品のウッドストック映画"Taking Woodstock"
に主演しているエミール・ハーシュ。アン・リー監督はハーシュ
が出演した『イントゥ・ザ・ワイルド』のファンだったとか









ある視点部門で上映された『空気人形』 のインタビュー。
右から是枝裕和監督、韓国人女優ペ・ドゥナ、ARATA。
前日の上映にはコメディアンの板尾創路さんもかけつけたが、
中1日で帰国というハードスケジュールだった









日本の東京国際映画祭が主催したレセプションパーティで
勇気を出しARATAさんに記念撮影をお願いした。
もの静かで気さくな方でした









クエンティン・タランティーノ監督の『イングロリアス・バスターズ』に出演しているブラッド・ピットも4年連続でカンヌ入りの取材攻勢を受けていた
今年のコンペ部門の審査委員長はフランスを代表する大女優イザベル・ユペール。開会式には仏のベテラン俳優で歌手のシャルル・アズナヴールも参加し、開幕を宣言した
名作を上映するクラシック・シリーズで、『赤い靴』上映のプレゼンターとして、ハリウッドの巨匠、マーティン・スコセッシが登場





コンペ外上映作品 "Agora"に主演のレイチェル・ワイズ。美しく、才気にあふれたレイチェル・ワイズにぴったりの役でした
ミッドナイト上映作品 "Don't LookBack"に出演のイタリア人女優モニカ・ベルッチ。カンヌ常連の1人
仏俳優イポリット・ジラルドとの共同監督作『ユキとニナ』が監督週間で上映された諏訪敦彦(のぶひろ)監督。10年前『M/Other』で同部門の国際批評家連盟賞を受賞。01年には『H Story』が「ある視点」部門に出品されるなど、カンヌでは有名な日本人監督なだけに、ヨーロッパを中心とするメディアの取材攻勢を受けていた




南仏の高級リゾート地カンヌには、映画祭の期間中、1万人以上の関係者が集まる。中央に縦に走る海沿いの道がラ・クロワゼット通り。ロサンゼルスで言うと、サンタモニカとロデオドライブとマリナ・デル・レイを合わせたような場所?












カンヌ映画祭の本会場「パレ」の入り口。2300人を収容する
大劇場のほか、4つの映画館が収容されている。
毎晩、世界各国の映画監督や俳優たちが正面のレッドカーペット
を歩き、多くのメディアやファンで賑わう、カンヌ映画祭中心の場所









会場には数カ所に無料のエスプレッソバーがある。
移動中、ちょっと寄り道してエスプレッソのショットで眠い目を覚ます











カンヌに来たら、まずはこの行列ができるシーフードのお店から。
記者仲間と映画祭開幕前に鋭気を養いつつ情報交換。
でも優雅な風景もいまのうちで、映画祭期間中はクロワッサン
をかじりながら走ったりと、まともな食事はほとんどできない









【レポーター】
いしばしともこ◎映画情報番組の制作や日米の雑誌に映画情報を執筆するなど、ハリウッドの映画業界で10年以上のキャリアを積む。今年で参加5回目となるカンヌ映画祭の現地から、熱い様子をレポート。



(2009年6月02日号掲載)




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