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鍼灸・マッサージ クリニックガイド
(2006年3月1日号掲載)

Lighthouse編集部

長時間のコンピューター操作や車の運転、運動不足、慢性疲労・・・
多忙な生活を送る私たちの中で、肩こりや腰痛、精神的なストレスに悩んでいない人はいないと言っていいくらいではないだろうか。
誰もが「癒し」を求めている現代。鍼灸やマッサージによる症状の緩和、ストレス解消を求める人も増えている。
今回は鍼灸・マッサージについて解説、併せてLA界隈のクリニックを紹介しよう。

(2006年3月1日号掲載)


鍼灸

「鍼灸は免疫力を高めますので、インフル
エンザの時期になると予防のために来られ
る方もいます」(メイ先生)

石を当てることから始まった鍼灸

 鍼灸の鍼とは「はり」、灸とは「おきゅう」のこと。鍼灸の起源は中国、5千年前の黄河文明に始まったと言われる。
 「最初は、日常生活の中で、尖った石を実際に身体の部分に当てて刺激し、『こう当てたら、ここに効く』と試していくうちに、ツボを発見していきました。それにより、痛みを解消したり、病気を治したりしていったのです。そして、金属加工技術の進歩に伴って、石の鍼から金属の鍼を使うようになりました」と話すのは、メイズ・アキュパンクチャーのメイ・ザーン先生。古代中国の殷王朝・周王朝時代、黄帝とその家臣による世界最古の医学書『黄帝内経』(紀元前1200年頃)には鍼灸のことが詳しく記されている。
 鍼灸は、中国各地で伝わってきた漢方薬と共に「漢方医学」と総称されており、「漢方医学は伝統的医療でありますが、中国では西洋医学と同じくらいの信頼を得ています」(メイ先生)。そして鍼灸の技法は、飛鳥時代、朝鮮を通じて仏教と共に日本に伝えられた。
 鍼灸に限らず、東洋医学に特徴的な考えが「気」というエネルギー。そのエネルギーは全身に「経絡」という脈となって流れており、そのポイントとなるのが「ツボ=経穴」である。
 「全身には360カ所のツボがあり、鍼灸はツボを介して滞っている気血の流れを良くします。例えば肩こりなら、肩や経絡の流れている肩以外のところに鍼を刺します」とKOBEクリニックの仁田尾勲先生。日本鍼灸の第一人者である馬場伯光氏に学んだ仁田尾先生の鍼灸は古典派と呼ばれる方法で、症状を聞き、脈診と舌、お腹を診た後、長さ5センチ、直径0.3ミリの鍼をツボに入れる。
 「深さは7、8ミリ程度。皮膚と筋肉との間ですので、痛みはほとんど感じません。蚊に刺されるような感じです」(仁田尾先生)。症状によっては、すぐに抜く場合と数分おく場合があるそうだ。


「日頃、車の運転ばかりで運動不足と
なっていますので、ぎっくり腰で
来られる男性も多いですね」
(仁田尾先生)

西洋医療との併用も可うつ病や時差ボケにも

 ペインコントロール・クリニックのジェーン・リン先生は、鍼を施す前に広口のガラスビンの中の酸素を燃やし真空状態にする爛ッピング瓩任泙砂朶弔鯲匹し、中国式推拿と呼ばれるマッサージを行う。
 「推拿は漢方のオイルを背中に塗って、筋肉を伸ばし、ほぐすマッサージですが、これをやってから鍼を行うので、鍼の痛みを感じません」とリン先生。先生が全身にかけて行うこのマッサージは、収縮した筋肉にアイロンをかけるようで、かなりパワフル。また、マッサージの間は磁石のついた電気を当てて身体を温め、灸の役割を果たしている。
 「鍼灸はただ痛みを取るだけではなく、本来持っているエネルギーを呼び起こすことが目的です。また、本来の身体の機能を強くし、免疫力をつけます」とメイ先生。肩こりや腰痛、五十肩のみならず、神経痛や不眠などの神経系、高血圧や動悸などの循環器系、喘息・風邪などの呼吸器系、胃腸病や肝炎などの消化器系、更年期障害などの婦人科系、耳鼻咽喉科系、眼科系、花粉症やアトピーなどのアレルギーなどにも効果が見られるという。


「ストレスから、さまざまな病気になる
恐れがありますので、早めに治療を
受けていただきたいですね」(リン先生)

 「鍼灸により、陰と陽のバランスを取ります。陰陽のバランスが崩れると、身体のみならず精神的にもトラブルが生じ、うつ病になってしまうことも」とリン先生。鍼がうつ病にも効くとは意外だが、薬への依存や副作用の心配もないため、おすすめだと言う。
 さらに、仁田尾先生は「肌のツヤが良くなって若返りますし、肥満に悩む人は過剰な食欲を抑えることもできます。鍼で自律交感神経を調整し、時差ボケを解消することもできます」と話す。なお、症状により通院の頻度・回数は違い、必要に応じて漢方薬を処方するのが一般的なようだ。
 また、「ケモセラピー(抗ガン剤による化学治療)を続けているガン患者の方は、身体の免疫機能が低下していますが、それと同時に鍼灸治療を行うこともできます」(メイ先生)と言うように、西洋医療との併用も可能。鍼灸の先生の中には、西洋医療の知識を持っている人も多いので、まずは相談してみるとよいだろう。

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マッサージ

「マッサージは悪くなってから受けるのでは
なく、予防という観点で定期的に利用される
ことが理想的ですね」(木村さん)

予防の観点で受けたいマッサージ

 腰痛・肩こり・ストレス解消と言ったら、まず頭に浮かぶのがマッサージではないだろうか。マッサージの種類はさまざまだが、一体どんな効果があるのだろう。
 独自のリンパ系スポーツマッサージと椅子を使ったタイムマッサージ「てもみん」を提供するグローバルスポーツ・ヒーリングセンターのプレジデントである木村亮二さんは、次のように話す。「それぞれのマッサージには特徴がありますが、基本的にマッサージは硬くなった筋肉をもみほぐし、柔らかい状態に戻し、血行を良くすることが目的です」。
 「てもみん」は、専用の椅子を使い、着替えずに10分から受けられるマッサージとして96年より日本で大ブームになった。また、同店ではベッドに寝た体勢で受ける独自のリンパ系スポーツマッサージも提供しているが、もとはスポーツ選手のケアと一般向けの治療目的で行っていたもの。血行を良くするだけでなく、リンパ液の循環を促すことも目的だ。リンパ液は全身の老廃物を取り除く働きをするもので、運動などで筋肉を動かさないとこの流れが滞ってしまう。すると乳酸などの老廃物がたまり、肩こり、腰痛やむくみなどの症状の原因ともなる。
 「スポーツ選手は筋肉隆々というイメージがありますが、実際、一流選手の筋肉は柔らかいんです。筋肉が柔らかいと、疲労が取れやすいし、ケガもしにくい。また、持久力もあり、スピードとパワーが出てパフォーマンスが良くなります」と木村さんは言う。これは一般人にも当てはまり、例えば仕事の効率にもかかわってくる。
 「マッサージは贅沢なものというイメージがある人も多いですし、辛くなってから受ける方がほとんどですが、健康のため、猴祝畢瓩箸いΥ囘世把蟯的に利用されることが1番理想的です」(木村さん)。


「指圧は痛い方が効果があるという
ものでもありません。あくまでも
“気持ちいいこと”が原則です」
(レイコさん)

自分に合ったマッサージ師を選ぶ

 今やアメリカでも「Shiatsu」という言葉が普及している。指圧は日本を代表するマッサージの1つだ。指圧について、「クイックマッサージ」のオーナーで、指圧で20年のキャリアを持つレイコさんに聞いた。
 「指圧は中国で始まった手技療法が日本で完成されたものです。親指や手の平でツボとなる部分を押すことが基本ですが、さする、揉む、叩くなどのやり方もあります。ツボに圧力を加えることにより、血行を促進することが目的です」。もちろん、血行と共に、リンパの流れも良くするよう、指圧ではさまざまなポイントを押す。
 「指圧は痛い方がいいというのではなく、あくまでも犁せちいいこと瓩原則です。痛い方が効果が高いと思い込み、痛いのを我慢される方もいますが、効果が高まるとは限りません。せめて狡傍せちいい當度にされてはいかがでしょうにされてはいかがでしょうか」とレイコさんはアドバイス。また、指圧の時間も長ければいいというものではなく、短くても頻繁に受ける方が効果的という場合もあるとのことだ。
 いろんな人からマッサージを受けてみて、自分に合った人を探すというのもポイント。人から直接受けるものなので、その人の持つテクニックのみならず、話しやすさ、雰囲気で決めることも自然なことだろう。
 「日頃の生活で、まず疲れをためないということが大切です。マッサージも自分の身体に正直に受けると良いでしょう」(レイコさん)。

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