ライトハウス
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ライトハウスの特集

アメリカでの教育・進学、ビザ・法律、市民権・永住権、観光・レジャー、求人・仕事、グルメ・レストランなど、現地情報誌「ライトハウス」の過去の特集をご紹介。

『就職・転職成功術』(3)

Lighthouse編集部


日本人にホットな職種は技術関係や経理・財務

「新しい税法の成立で経理での
需要は高いです」(彌富さん)
970 W. 190th St. Suite 305, Torrance
☎ 310-965-9810
www.tsconsult.com

彌富よしみさん【TSコンサルティング・インターナショナル 代表】

 9.11テロ後の02年と比較すれば、求人状況は良くなりましたが、アメリカは広いので、地域や業種ごとに差があり、場所によって、売り手市場か買い手市場かは変わってきます。

 自動車業界は日系企業が強いため、求人は多くあります。ただ自動車業界というのはコストに敏感な業界でもあるので、増えたといっても大幅な増員にはつながっていません。

 ビデオゲーム、アニメなどのエンターテインメント業界はアップダウンが激しく、雇用も大幅に増減します。昨年末にXbo360が発売になり、今年PS3がリリースされると、来年は雇用が広がるのではないかと見ています。

 日本人にとってホットな職業は、セールス・マーケティングではなくて技術関係です。セールス・マーケティングは、アメリカ市場での販売になりますので、日本語はアドバンテージにはなりません。ですが技術・開発関係では、バイリンガルのエンジニアなどはまだまだ需要があります。

 また経理・財務関係も連結決算などの関係で、日米の経理をっており、日本の本社と話ができる人の需要は大きいと言えます。またアメリカで上場している会社を対象にした新しい税法(Sarbanes-Oxley)の成立で、人手不足になっていることもあり、全米で需要はかなり高まっています。

 アメリカは人も多いわけですから、競争率は日本よりも高いと言えます。就職するには、「自分を採用するとこういうメリットがある」と言える何かを作り上げなければなりません。何がしたいのか、何に向いているのか、キャリアプランを立てて、それに沿った勉強をすることが重要です。

【ここがポイント】
●アメリカの就職には地域や業種別に差
●自動車業界は日系企業が強いため、求人は多い
● エンターテインメント業界は、来年に雇用が広がる見通し
●バイリンガルのエンジニアは需要が多い
●日米の経理を知っている人の需要は大きい
●競争率は日本よりも高い。キャリアプランを立て、それに沿って勉強を


プラクティカルトレーニング有効期限は就職に影響

「新卒者は在学中に何を
学ぶかがカギ」(小林さん)
1411 W. 190th St. Suite 275, Gardena
☎ 310-715-3400
www.tricomquest.com

小林泰子さん【トライコム・クエスト ゼネラルマネージャー】

 同時多発テロ以降低迷していた求人も、ここ数年は右肩上がりの状況です。しかし、労働ビザ取得で壁に直面する方が多いのも事実です。特にOPT(プラクティカルトレーニング)からH-1Bビザへの切り替えは、申請受付からかなり早い段階で発給限度数に達してしまうため、求職者にとって引き続き厳しい状況が続いています。

 H1-B申請中にOPTが失効するケースも多く、これからOPT取得予定の方は、OPTの有効期間や、雇用先のビザサポートに関する規定(通常3カ月の試用期間後)を考慮に入れた、計画的な就職活動を行ってください。

 日本的「新卒枠」のないアメリカでは、エントリーレベルの求人にも経験者が応募してくるため、新卒者は在学中に何を学ぶかが勝負の鍵になります。慎重な学部選択はもちろんのこと、インターンシップなどを通じて視野を広げ、キャンパス以外の英語に触れることも有効です。ワードやエクセルの基本操作は「できて当然」とみなされますので、確実にマスターしましょう。時間厳守、万一遅れる際の電話連絡は、就職活動以前の基本マナーです。

 また転職希望者は、これまでの職場でいかにポジティブに学び、人間的な成長を含めたスキルを取得したかが問われます。いかなる業務でも、本人の姿勢次第で学ぶことはあるはず。

 最後に、履歴書についてですが、自分の顔となって就職活動の第一歩を踏み出すものですから、絶対におろそかにしてはいけません。自身の経験・スキルを過不足なくまとめ、スペリング、レイアウトにも注意を払って作成してください。

【ここがポイント】
● OPTの有効期間、雇用先のビザサポートの規定を考慮に入れ、計画的な就職活動を
●新卒者は在学中に何を学ぶかが勝負の鍵
●ワードやエクセルの基本操作は「できて当然」
●時間厳守、遅れる際の電話連絡は基本マナー
●転職者は、職場でいかにポジティブに学び、スキルを取得したかが問われる
●履歴書は、スペリング、レイアウトに注意を払って


ビザの問題がキーポイント。転職者は今がチャンス

「なぜアメリカで就職したいのかを
明白に」(高橋さん)
Torrance Office
2461 W. 205th St. Suite B104, Torrance
☎ 310-782-8784
www.dcmcreations.com

高橋 将さん【DCMクリエーションズ 社長】

 日本では人材が「人財」となるまでに3年かかると言います。ですがアメリカでは即戦力が求められ、「最長でも1年、もしくは半年で戦力」が目安です。きちんとした指標を持って取り組まないと、就職したものの解雇されることが顕著になってきました。安易な気持ちで日本と同じような形での就職を希望する人が増えているため、求職者と企業とのギャップが大きくなっています。入ってしまえば会社が引っ張ってくれるという状況はなくなっているので、前向きなやる気を見せることが必要です。

 地方都市に行けばITや技術系の仕事がありますが、南カリフォルニア界隈ではビジネスアドミニストレーションやアカウンティングなどで求人が多く、ビザの取得も比較的容易なので、留学生の方は、そのあたりも踏まえて大学の専攻を決めると良いでしょう。

 どうしてアメリカで就職したいのかも、しっかりと自分で認識する必要があります。仕事というのは、どこに行ってもどんな業種でもプロセスは同じで、必ず何かを学べるものです。その自覚がなければ、選り好みしているうちに就職先がなくなって、日本に帰らざるを得なくなります。仕事をしながら勉強し、基礎を身につけてから転職するのはキャリアアップになります。現在、就職でキーポイントになっているのはビザの問題です。人が足りない状態でもビザがないと就職できません。永住権の抽選プログラムは毎年応募することをおすすめします。

 転職希望の人で、やる気があって自分で何かをやっていこうという人は、今は良い方向に向いていると言えるでしょう。ただ「会社に不満があるから」という理由ならば、どこに行っても組織というのは大して変わらないことも知っておくべきでしょう。

【ここがポイント】
●「最長でも1年、もしくは半年で戦力」が目安
●南カリフォルニアではビジネスアドミやアカウンティングなどで求人が多い
●仕事をしながら勉強し、基礎を身につけてから転職
●永住権の抽選プログラムは毎年応募


海外で経験を積んでから帰国すれば将来的に有利

「バイリンガルだからではなく、
何ができるかが採用決定のポイント」
(佐藤さん)
South Bay Office
19191 S. Vermont Ave.Suite 1030, Torrance
☎ 310-324-1196
www.pasona.com

スコット佐藤さん【パソナ 社長】

 日本経済が好調なので、日系企業のアメリカの子会社や関連会社で雇用が増え、特に自動車産業・銀行・メーカーなどで多くなっています。日本で雇用を支える人口が減少しているのに伴い、駐在員を日本に戻して現地雇用を増やす、雇用の現地化が進んでいるのが原因です。日系企業の雇用は増えていますが、最近は7割から8割近くが日本語は必要ないというポジションで、言語よりもスキルを重視する傾向にあります。

 IT・エンジニア・経理などの会計業務が最も需要の高い職種で、新卒の人でもポジションは多くあります。日本語ができる人の方が望ましい、という企業はたくさんありますが、スキルが第1に重視されるので、日本語が話せるだけでは難しいのが現状です。

 最近は、アメリカで就職を目指す人が少なくなったため、逆にアメリカでのニーズは高まっています。せっかくアメリカに勉強に来られたわけですから、アメリカで働いて海外での経験を積んでから日本に帰る方が、将来的には有利になるのではないかと思います。転職希望の人は、自分の職歴をどう作ればゴールに辿り着けるのかを、長い目で見ることも必要です。これをアメリカでは「レジュメビルディング」と呼びます。「将来こういうゴールを目指しているので、そのためにはこういうスキルを身につけたいから経験を積むために転職する」という考え方です。

 企業が求めているのはスキルが1番です。営業にしろ、管理業務にしろ、バイリンガルだから雇うわけではなく、何ができるかがポイントになります。「給料が上がるから転職する」のではなく、辛抱強く続けて、もっと実力をつけてから転職するという考え方も大切です。

【ここがポイント】
●7〜8割近くが日本語は必要ないというポジション
●言語よりもスキルを重視する傾向
●IT・エンジニア・経理などの会計業務が、今、最も需要が高い
●海外での勤務経験を積んでから日本に帰る方が、将来的には有利
●転職希望の人は、「レジュメビルディング」を

(2006年3月16日号掲載)


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