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プロの技に学ぶ インテリアデザインのコツ(1)
(2006年5月1日号掲載)

Lighthouse編集部

日本では、たとえ来客をもてなしても家の中を案内して回ることはまずない。だがアメリカ人家庭では、初めて訪問した時に、ベッドルームからバスルームまで家中を案内してくれる「ハウスツアー」に招かれることが少なくない。日米の住まいに対する価値観の違いだろうが、そんな家庭には真似したくなるようなインテリアのアイデアも豊富だ。そこで今回は、アメリカで活躍するプロのデザイナーに、センスがキラリと光るインテリアのコツを聞いてみた。


足し算の西洋的インテリア 「ミニマルデザイン」の日本

 アメリカには、居心地のいい空間を作りながら、インテリアにもひと工夫している一般家庭が少なくない。日本でも、近年はインテリアに対する注目が高まってきたが、日本人の「住」に対する関心の高まりは出遅れた感がある。 
 「かつて日本の住宅は、木の柱に白壁という、素朴だけれども洗練されたものでした。ところが戦争で焼け野原になり、同じような家が乱立してしまいました」と話すのは、在米20年になるKen Tanaka Studioの田中玄(けん)さん。戦後、早い時期に「衣」や「食」への関心が高まったのに反して、日本人がライフスタイルの中にデザイン性を追求するようになったのは、ここ20年ほどのことだとか。
 「ですが日本も近年は、雑誌やテレビなどで世界中のインテリアが紹介され、住まいに対する考え方やインテリアのスタイルを感覚的に理解するようになり、作る側にもデザイン力がついてきました」。特に最近では、世界中で日本の禅的な美学に近いコンセプトの「ミニマルデザイン」という1つのスタイルが確立されたという。


 「西洋的なインテリアの考え方は、足し算のデコレーションです。カーペットや壁紙、窓のドレープリー(カーテン類)、床や天井と壁の境を飾るモールディングなどのディテールを加えて、小物や家具のコーディネートを調えます。どちらかと言えば、歴史的な重みや装飾的なきらびやかさを持った仕上がりを期待するのが西洋的な考え方です。
それとは逆に、京都の龍安寺の石庭に見るような、既存の素材を上手く利用して空間の質を高めるのが日本的な考え方で、歴史的に日本人が得意とするところです」(田中さん)。
 
 ただ情報過多の現在では、自分の嗜好の方向性を見落とすことも少なくない。「食なら試食すればいいし、衣なら試着すればわかりますが、住まいは3次元の世界なので、実際に造ってみなければ想像するのが難しいという面があります」と田中さんは指摘する。プロのデザイナーがインテリアを手掛ける時は、どんな小さな改装でもまずホームオーナーのライフスタイルを知ることから始めるという。自分の嗜好は知っているようで、実は意外と気づかないものだ。 
 「服や食べ物、また車の好みなど、あらゆる物に対する嗜好の聞き取りをして、どういったスタイルが好みなのかを再認識します」と田中さん。嗜好の再確認をしたら、次に家族のライフスタイルを見直してみる。家族が一緒に時間を過ごすのはリビングルームなのかキッチンなのか、あるいはそれぞれが各自の部屋で過ごす時間が多いのか。それらを確認した上で、自分らしさを見つけてみよう。

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