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プロの技に学ぶ インテリアデザインのコツ(3)
(2006年5月1日号掲載)

Lighthouse編集部

プロに学ぶリフォームのトレンド


見せるキッチンと日本式バス

キッチンの目隠しにもなるキャビネットは、
美しさと機能を備え、進化してきた。
家具は暖炉とTVをポイントに配置されている
(Tigertail road residence/Ken Tanaka Studio)

 思い切ったイメージチェンジをするにはリフォーム。最近ではキッチンやバスルームなどがますますお洒落になってきた。
 キッチンでは、壁を取り払ってリビングルームと一体になったオープンキッチンの人気がますます高い。その仕切りにするためのキャビネットやカウンターには次々と新商品が登場している。収納性を高めたキャビネットはもとより、最近ではコーヒーメーカーやトースターなどの家電製品を隠すために、ドアの内側にスイッチを配置したキャビネットなど、美しさと機能性を兼ね備えた商品もたくさん登場している。
 またここ数年、目覚ましい勢いでファッショナブルになってきているのがバスルーム。バスタブとシャワールームが別になったバスルームは今や珍しくないが、田中さんによると最近のトレンドは、日本の浴室のように、ゆっくり浸かれる浴槽の脇にシャワー(洗い場)を配したデザインだとか。
 「最近は、浸かった時にお湯がワッとあふれる日本式のバスタブが人気です。バスタブの外にお湯が流れてもいいようになっており、外で身体を洗うことも可能になっています」(田中さん)。日本人にはうれしいトレンドだ。そのせいかバスルームの面積も広くなってきているのが特徴だ。
 またタイルのトレンドも、白やパステルカラーの人工的なものではなく、日本的な自然石を敷いたようなアースカラーのタイルが人気。さらにバスタブに浸かりながら外の景色が見えるように、目の高さに窓を取り付けたりなど、近年、アメリカのバスルームは日本の温泉さながらの懲りよう。
 「日本の家屋は昔から、障子や雨戸を開けると縁側があり、そこから庭を愛でるなど、内部と外部とのつながりを考えた設計でしたが、最近は世界的にその傾向が強まっています。バスルームの窓もそうですし、ドアを設けて外部にデッキを造るのもその思考の延長線上にあります。西洋的なコンセプトにはなかったもので、これらは明らかに日本の美意識の影響を受けています」(田中さん)。


数多く見てセンスを磨く

「良いものをたくさん見ると
センスが磨かれます」と言う
田中さん

アメリカでは古い家の場合、広い裏庭があっても、庭に出るためのドアが少なかったりすることがあるとか。その場合は、壁の一部に大きめのダブルドアを取り付けることで、一挙に開放的に空間が広がることもある、と田中さんはアドバイスする。特に光の入り方は、家全体の印象にも影響する。風の通り方まで考慮すると、外部との一体感がさらに増す。
 「温暖で光が豊富なカリフォルニアでは、大きな開口部が家の雰囲気をずいぶん変えます。壁を壊すというと大工事のようですが、建物を支える構造の壁でなければ、それほど大きな工事ではありません」と田中さん。
 工事する際の注意点としては、工費と工事内容を吟味することが大切だ。例えば、キッチンにカウンターを造るだけなら簡単でも、水道管やガス管を引っ張ってくると、当然工費は高くなる。必須の部分と妥協できる部分をしっかりと見極めたい。
 「人は皆、違ったセンスを持って当然なので、デザインの選択は自由ですが、センスを磨くにはいろいろなものをたくさん見ることをおすすめします」。インテリアの雑誌を見たり、新興住宅地のモデルハウスを見学するのも手だが、田中さんのおすすめは、有名建築家やデザイナーの設計した家のオープンハウスだ。この種の家やスターの住む家が売りに出ると、ロサンゼルス・タイムズなどの新聞紙上でオープンハウスの発表がある。こうしたオープンハウスはインテリアの勉強になるとか。またキッチン、バスなどのショールームにできるだけ出掛けて、実物を確認するのも有効だ。
 「高価さと良いデザインは比例しないし、高価さと良いセンスも無関係です。特に現代のように情報が多様化されると、細かい部分ばかりが優先される傾向にあります。全体のバランスに目が届かないとアンバランスを招きます。詳細に走らずにトータルなイメージをすること。床、壁、天井、光の入り方、照明、カラーコーディネーション、素材の組み合わせ、家具のレイアウトなど、インテリアは多方面に及びます。ファッションのコーディネートをするように、3次元の空間構成を考えるようにしましょう」(田中さん)。
 センスのいいインテリアを数多く見ることは、センスを磨く近道に違いない。良いデザインにたくさん触れて、自分の感覚を磨こう。

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