ライトハウス
Magazine Information

ライトハウスの特集

アメリカでの教育・進学、ビザ・法律、市民権・永住権、観光・レジャー、求人・仕事、グルメ・レストランなど、現地情報誌「ライトハウス」の過去の特集をご紹介。

LAは食のパラダイス(1)

Lighthouse編集部

世界中からの移民が集まるLAには、世界各国のレストランがひしめいている。世界181カ国・地域とLA・OC界隈のレストラン3千軒以上を食べ歩いてきたミスター世界こと関根正和さんは、「こんなに魅力的な街はない」と熱く語る。その魅力を分析してもらった。


エスニックタウンLAで
世界の味を旅しよう

食文化評論家
『ミスター世界の美味礼賛』コラムニスト
関根正和さん


せきね・まさかず■1948年、東京都生まれ。世界中を旅行し、
本場で積んだ経験をもとに、食文化、レストラン評論家として
日米メディアを舞台に幅広く活躍。世界181カ国・地域と南カ
リフォルニアのレストラン3200軒以上を食べ歩いた経験と情
報からつづった弊誌連載『美味礼賛』は、多くの読者から支持
を得ている。国際フード・ワイン・旅行作家協会会員。著書に
『ビジネス英会話の基本』(ジャパンタイムズ刊)


正真正銘の本格派

 LAは、まさに「人種のサラダボウル」。世界中の民族が移住して、大きな街を作っています。世界3大エスニックコミュニティーは、LAとニューヨーク、そしてロンドンですが、LAほど面白い街はないでしょう。ニューヨークはマンハッタン島という狭い地域で、東海岸にあるからヨーロッパや中近東からの民族が多く、ロンドンは旧植民地時代からの移民、つまりインドや香港、中近東などが中心。そこへいくとLAは、太平洋に面しているからアジアからの移民も多く、広い範囲にさまざまな民族のコミュニティーが発展している。だから、そういった民族独自の文化、バラエティーに富んだ料理がLAには集まっているんですね。

 また、ビバリーヒルズやオレンジ・カウンティーなど、お金持ちが多く住むエリアも多く、海外旅行をする層が増えているので、皆、舌が肥えてきて、フランス料理やイタリア料理のレベルも非常に高くなってきた。LAは、移民の街であり、お金持ちの住む街であるから、世界中の美味しいレストランが集まっていると言えるでしょう。
 移民がレストランを開くということは、その国から来た人が作り、その国から来た人が食べに来るわけだから、正真正銘の本格派。東京にも各国料理のレストランがあるけれど、この点が違う。LAのレストランは、まさに「移民の、移民による、移民のためのレストラン」というわけです。


集中しているから
切磋琢磨

 LAには、エスニックタウンが数知れず存在しています。ダウンタウンの東西にはメキシコ人街や中米人の巨大なコミュニティー、チャイナタウン、リトルトーキョー、フェアファックス・アベニュー沿いにはリトルエチオピアにジューイッシュタウン、ハリウッドにはタイタウンやリトルアルメニアがあるし、ウエストLAにはイラン人、ウエストハリウッドにはロシア人のコミュニティーがある。リトルマニラ、リトルプノンペン、リトルインディア、そしてリトルサイゴンと、数え上げたらキリがない。
 さらに、チャイナタウンは現在、LAダウンタウンからモントレーパーク、サンゲーブリエルへ、さらにはローズミード、ハシエンダハイツからローランドハイツへと発展しています。
 こういった特定のエリアにレストランも集中しているわけですが、集中していると言うことは、競争が激しいということ。それだけに、各店は味にサービスに、そして自分の店の特徴を出すために切磋琢磨しているということで、常に味は進化していくわけです。


中華もバラエティー

 LAでは、同じ中華でもレストランによって地方色を出しているのも大きな特徴。広東、四川、北京、上海、山東、山西、台湾などに細分化されており、それぞれ地方特有の料理を出してくれる。タイ料理も同じ。北・南・東北タイと、店によって明確な違いを出しています。
 さらに面白いのは、インド人を対象とした中華レストランがあること。同様に、日本人向け中華、韓国人向け中華、イスラム教徒向け中華、ユダヤ教徒向け中華、ペルー人向け中華など、エスニック色がかけ合わされた店も多い。日本料理も韓国人向け、アメリカ人向け、中国人向けとベクトルがあちこちに向いて、複雑に楽しめるんです。
 最後に忘れてはならないのが、カリフォルニア料理。カリフォルニア・キュイジーヌと呼ばれるものですが、20年ほど前に始まった流れで、日本人シェフたちが、「LAの料理を向上させよう!」と、イタリア料理、フランス料理をベースに、オリエンタルな食材や手法を加えて独創的な味の世界を築き上げたもの。それまではお決まりのコンチネンタルしかなかったものが、シェフたちのアイデアを活かすオリジナルな料理へと発展したものです。


レストランめぐりで
世界旅行を

 日系コミュニティーの大きなLAには、もちろん日本料理の美味しい店もたくさんありますが、せっかくこの“宝の山”に住んでいるのだから、宝を手にせずにはもったいない。 「今日のランチはコリアン、夜はフレンチ。明日の昼はインドネシア、夜はエチオピア」と、世界中のレストランが選べるのは、気軽に世界旅行をしているみたいなものですから、ぜひ冒険してみて。本当にこんな楽しい街はないのですから。
 そして、「冒険はしたいけど、何を頼んだらいいかわからない」とためらう方の道案内をしてさしあげるのが、僕の使命だと思っています。かれこれ20年もレストラン指南を書いています。データベースには1万軒のレストランが入っており、これまで3200軒もの店を食べ歩いてきました。世界中を旅しては本場の味を確かめ、学び、研究にも余念がありません。皆さんもぜひ、僕の記事を参考にして、大いに世界の味を旅してください。