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最新号特集

再開発で生まれ変わる

LAダウンタウン

ロサンゼルス・ダウンタウンは古くから栄えた西海岸の商業と文化の発祥地。そして日本人移民が「日本人街」を築いてきたリトルトーキョーは、今も私たち日本人の心のふるさとであり続けている。そんなダウンタウンが、再開発で大きく変わろうとしている様子を、さまざまな面から紹介していきたい。

再開発で変化を遂げる
LAダウンタウン

一瞬たりとも目が離せない
育ち盛りのホットスポット

ダウンタウンではコンドミニアムやビルなど
の建設ラッシュ 

 ロサンゼルスのダウンタウンの人口は、日中で50万人、夜は2万5千人となる。つい最近までは、「朝、仕事に出かけ、午後6時に飛び出すビジネスのための場所で、住む場所ではない」と言われ、ダウンタウンで働く人の居住率は4%と極端に低かった。また、「夜はどこも開いていない」「訪れたい見所が散在していて、移動手段がない」「駐車料金が高い」「一方通行が多すぎて目的地になかなか辿りつけない」と、交通手段的に足を遠ざけてしまう理由が揃っているのもダウンタウン。
 ところが、ステープルズ・センターやディズニー・コンサートホールなどのレジャー施設を始め、安全に歩き回ることができるリトルトーキョーやファッション・ディストリクトなどを中心に、他州や世界各国からの訪問者も盛んになり、各エリアで再開発が進んでいるのだ。
 過去3〜4年では、観光客やビジネスパーソンを対象としたレストランも続々オープンしている。「8thストリートとフィゲロア・ストリートの角に昨年オープンしたハワイアン・フュージョン・レストラン『Roy's』や、若者に人気のスタイリッシュなスタンダード・ホテルの向かいにオープンした『Wolfgang Puck Cafe』は、全米チェーンの中でも、最大級の売上げを記録しています」と語るのは、ダウンタウンの都市開発を統括するLos Angeles Downtown Center Business Improvement District(DCBID)のジャスティン・ワイズさん。
 歩いて楽しめる街としての活性化も見逃せない。例えば、「オリーブ・ストリートとフィゲロア・ストリートの間を走る7thストリート沿いは、パサデナのオールドタウンやサンタモニカの3rdストリート・プロムナードのように、夜遅くまで人々で賑わう街並みを構想しています」とワイズさん。ビルのオーナーたちは、イタリア料理やアジアン・フュージョン料理などのスタイリッシュなレストランを誘致し、バージン・メガストアも出店を考えているという。

住んで楽しむエリアとして
注目されるサウスパーク


緑が豊富なヒストリック・コア方面の眺め

 特に注目されるのが、オリンピック・ブルバードより南の「サウスパーク」と呼ばれるエリア。新しいビルやコンドミニアムを建築するための工事現場が、のあちこちで見られる。これらの開発が完成する2008年頃には、8thストリート沿いのフラワー・ストリートとホープ・ストリートの間に、大手スーパーマーケットのRalphsが出店予定で、リトルトーキョーやグランド・セントラル・マーケットに次ぐフレッシュ・マーケットとして注目されている。「暮らしやすいダウンタウン」への道を確実に辿り始めているのだ。
 住環境も大きく変わっている。「00年から06年までの間にオープンしたアパートは1万ユニット、今後、08年までに建築予定の住居は6千ユニット、10年から11年までには、さらに6千ユニットが新築される予定です」とワイズさん。1ユニットの販売価格は75万から100万ドル、2ベッドルームの賃貸であれば、月3000ドルが相場だそう。
 また、LAを代表するスポーツ&エンターテインメント地区の構想も着々と進んでいる。ダウンタウン多目的開発プログラム「l.a.live!」では、コンベンションセンター周辺に、ホテルやレストラン、カフェ、7100席の最新式劇場「ノキア・シアター」、ナイトクラブ、スポーツバー、グラミー博物館、テレビ&ラジオ放送局、16スクリーンの映画館、デザインホテルと4万平方フィートのプラザをオープンする予定だ。この42億ドルの巨費を投じる再開発プロジェクトは、09年までには完成し、市に100億ドルの経済効果をもたらすと見込まれている。また、2万5千人の雇用と年間1800万ドルの税収を創出し、毎年1500万人が訪れることが期待されている。

歴史へのリスペクトと
都市発展への期待の共存


ビジネスオーナーや投資家のためのウォーキ
ングツアーや、不動産購入を考える人々のた
めのバスツアーなどの企画があるほか、ウェ
ブサイトから年間レポートを入手することも
できる。中央にいるのが今回、豊富な知識を
披露してくれたワイズさん

 新しいビルや施設が建築される一方で、歴史的な建物をそのまま住居にする「Adapted Use」と呼ばれるスタイルも多い。そういった趣のある住居を好むのはアーティストたち。以前はオールドバンク・ディストリクトとヒストリック・コアとして知られていたエリアには、クリエイターたちが移り住み、ギャラリーも続々とオープン。「ギャラリー・ロウ」という新しいエリアを生み出した。
 「都市の発展の仕方として、アーティストが移り住んだ後に、若い住人が流れ始め、その住民たちの生活を支えるお店がオープン。その後、家族などが移り住むようになる、という法則がありますが、今のダウンタウンは、まさに、その第1ステージから第2ステージへの移行期です」とワイズさんは語る。
 ハリウッドに近く、さまざまな顔を見せるダウンタウンは、世界一、映画撮影が多いことでも有名。エンターテインメントとビジネス、衣食住が共存する街は、今後も目が離せない。


■取材協力
Los Angeles Downtown Center Business Improvement District(DCBID)
☎213- 624-2146
www.downtownla.com