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アメリカでの教育・進学、ビザ・法律、市民権・永住権、観光・レジャー、求人・仕事、グルメ・レストランなど、現地情報誌「ライトハウス」の過去の特集をご紹介。

さまざまなプランを徹底比較

Lighthouse編集部


月々の保険料と自己負担額で見る

 次はさらに各保険会社が提供しているそれぞれのプランを見てみよう。

 例えばブルークロスが取り扱うPPOには、「PPO Saver」「3500 Deductible PPO」「PPO Share 5000」「PPO Share 2500」など7プラン、HMOには、「HMO Saver」「Individual HMO」 の2プランがある。どのプランを選ぶかは、各自のライフスタイルによって異なってくる。プランを選ぶ際に注意すべき点を安岡さんに聞いてみた。

 「プランを選ぶ際に注意したいのは、〃遏垢諒欷盈繊↓⊆己負担額、ネットワークの広さ、ぬ瑤離バー、ゥ泪織縫謄ー、η間アウト・オブ・ポケットの最高額の6点です」。

 まず月々の保険料だが、アメリカは住む地区によって医療コストが異なるので、保険料も異なってくる(表3)。トーランスを含むロサンゼルス・カウンティーは、ブルークロスでは「Area5」にあたり、ここに住む人を「3500 Deductible PPO」で見ると、独身で19歳から29歳までの人は、保険料が月々57ドルだが、「PPO Share 2500」では同じ条件で83ドル、さらに「Individual HMO」 では244ドルになっている。

 次に自己負担額で比べると、先述したように病院での診療時に支払うOffice Visitは、「PPO Share 2500」ではNegotiated Feeの30%、Individual HMO なら10ドルだ。また「3500 Deductible PPO」 というプランでは、「Deductible」を越えると無料になる。Deductibleとは、年間(カレンダー年度)に全額自己負担しなければならない額のことで、この金額を越えるまで保険はカバーされない。「3500 Deductible PPO」の場合なら、自己負担が年間3500ドルを越えるまでは保険が適用されない。

 ネットワークの広さは、それぞれパンフレットやウェブサイトで加盟医療機関を確認することになるが、前述の通りPPOの場合、たいていの医療機関は加盟している。


(表3)


「ブランドネーム薬」と「ジェネリック薬」の違い

 医療費と共に高額なのが薬代。特に新薬ほど値段は高く、1錠につき数十ドルする薬も珍しくない。そのため薬代がどの程度カバーされるかも重要視する必要がある。薬代の適用度をチェックする際に気をつけたいのは、「ブランドネーム薬」と「ジェネリック薬」の違い。ブランドネーム薬とは有名製薬会社が開発し、特許期間中の薬のことで、ジェネリック薬とは、特許期間が終わった後に他の製薬会社が製造した、同様か、あるいはそれに近い効果の薬のことだ。どの製薬会社で作られたものでも、まったく同じ効果のある薬もあれば、効き目に差が出るものもあると言われ、値段はジェネリック薬の方が安い。まったく同じ効果があればジェネリック薬の方が得になるが、プランによっては保険が適用されないものもあり、反対にジェネリック薬にしか適用されないプランもある。


マタニティー付き保険は、男性が必要なことも

「保険は万が一の時のためのものだということを、
基本的概念として持っていた方が良いと思います」(中川さん)

 マタニティーに関しては、男女の区別なく注意する必要がある。というのも、マタニティー付き保険は妊婦だけでなく、生まれてきた子供も含むからだ。正常に生まれれば、生まれてすぐに手続きを取ると、子供は家族保険の一員として保険が適用される。

 だが問題になるのは、出産直後に特別な治療を必要とするケースで、その場合に父親の保険が問題になることもある。例を挙げると、夫婦共働きで、妻の保険の方が有利なため、夫が妻の保険の家族会員になっていたと仮定しよう。妻が妊娠して退職したため、「コブラ」という制度を使った保険に変えたとする。コブラは、退社後も18カ月は会社のグループプランを継続できるという制度で、グループプランには個人プランよりも優れたプランも多いため、退職後にコブラを利用する人は少なくない。ただし退社後は会社の負担がなくなるため、保険料を全額自分で払わなければならない。そのため保険料を安くするために、夫だけ別のプランに入ろうとしても、マタニティーが含まれているプランには、この時点でもう入れない。妊娠しているのは妻だが、子供の責任は夫にも生じるため、夫も「妊娠」という既存症を持つと判断されるためだ。反対に、子供は作らないという人には、マタニティーを含まないプランがあり、その分保険料も安くなっている。

 年間アウト・オブ・ポケットの最高額(Annual Out of Pocket Maximum)というのは、年間で自己負担しなければならない最高額の制限を指す。アメリカは医療費が高いため、大病や大怪我をすると、保険に入っていたとしても自己負担額が10000ドルを越えることも少なくない。その自己負担額に制限を設けたのが、年間アウト・オブ・ポケット最高額だ。例えば年間アウト・オブ・ポケット最高額が5000ドルだとすると、年間5000ドルを越えた医療費に関しては、それ以上どれだけ越えても、基本的にはすべて保険がカバーしてくれる。「3500 Deductible PPO」の年間アウト・オブ・ポケット額は3500ドル、「PPO Share 2500」なら7500ドル、「Individual HMO」なら3000ドルとなっている。前出の安岡さんも「年間アウト・オブ・ポケット最高額がわかっていると安心できるので、どの金額までなら払えるのかを気をつけてみた方が良いですね」と話す。

 それ以外にも、人によってはカイロプラクティックや鍼灸は含まれるかなども気になる点だろう。また健康診断も、プランによっては指定のチェックアップセンターでしか適用されないものもあるので気をつけたい。


個人負担を増やし、保険料を安くが主流

 以上のように、アメリカの保険プランは実に多種多様でどこに重点を置けば良いのか迷うところだ。そこで最近の傾向を、前出の中川さんに聞いてみた。

 「個人負担を増やして保険料を安く抑えるプランが紹介されて以来、このタイプのプランが主流になってきています」とのこと。ブルークロスで見ると、「3500 Deductible PPO」は、3500ドルを越えると基本的に全額保険がカバーしてくれるというプランで、月々の保険料はArea5に住む19歳から29歳の人なら57ドル。「PPO Share 2500」は月々の保険料が83ドルだが、年間2500ドルまではオフィスビジットを除き基本的に全額自己負担で、2500ドルを越すとNegotiated Feeの30%の支払いになるが、自己負担が年間7500ドルに達するとすべて保険がカバーするというプラン。つまり、保険はあくまで大病や大怪我など万が一の状況に備えるもの、という考え方が基本的概念になりつつあるらしい。

 2004年1月には、HSA(Health Savings Account)という医療費用のIRA(Internal Revenue Account)が登場した。IRAは引退後用の預金口座で、この口座に預金すると税金が控除になるのが特徴だが、それと同じコンセプトを医療費に適用したものだ。05年度は個人は年間2650ドル、家族は年間5250ドルまでこの口座に医療費を預金することができ、必要な時はそこから支出することができる。ただしHSAを開設するには、それに対応した保険プランに加入していなければならない。

 最後に歯の保険であるデンタルプランだが、医療保険には含まれていないため、別途に加入しなければならない。