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任せて安心!いざという時の保険会社ガイド
(2008年10月16日号掲載)

Lighthouse編集部

「まさか」の事態に見舞われた際に、私たちの心強い助けとなってくれるのが保険。失われた物や想い出は返って来ないが、新しく作り直すための手助けをしてくれる。




主な保険の基礎知識

1 健康・医療保険

日本と異なり国民全員が加入する保険制度がなく、なおかつ医療費が高額なここアメリカ。医療費破産者も出てきているため、健康・医療保険への加入は若い世代でも必須だろう。ここでは基礎知識を押さえるために、専門家のブルーストーン・インシュランス・エージェンシーの石和田貴光さんに、その特徴について聞いた。

医療保険の仕組みには、代表的なものにHMO(Health Maintenance Organization)
PPO(Preferred Provider Organization)がある。

HMOは、保険会社が契約しているネットワーク内からPCP(Primary Care Physician)と呼ばれる主治医を選び、病気になった場合、まずその主治医を受診する。手術を含め専門医の治療が必要な場合は、その主治医が指定する専門医で治療を受ける。

一方、PPOはネットワーク内の医療機関なら主治医を通さず、どこに行っても良い。「HMOは、Co-Payと呼ばれる自己負担額が比較的安く、負担割合であるCo-Insuranceも低いのがメリットです。妊娠や出産にかかる費用も最初からカバーされるプランが多い点が魅力。ただし、その反面、専門医にかかりたい場合でも常に主治医を通さないといけないので、自由に医者が選べない点がデメリットです。PPOは、自分で直接医療機関を選択でき、ネットワークに所属している専門医の数も豊富ですから、人気が高いですね。ただし、一般的にHMOと比較して、Co-PayやCo-Insuranceの条件が劣るのがデメリットです。しかし、各保険会社は新プランを毎月のように発表していますから、個人によっては非常に魅力的なプランが見つかる可能性が高いですよ」と、石和田さんは話す。

なお、眼科保険は、最近では単独で商品化されている例は少なく、医療・健康保険のオプションとして提供されているとのことだ。ただし、眼科保険の対象となるのは、メガネやコンタクトレンズの処方箋を作る時ぐらいで、カバーされる割合も低い。目のケガや白内障などの病気の場合には、医療保険の方でカバーされるものが多い。また、歯科保険に関しても、差し歯や神経治療といった「メジャーサービス」を受けられるのは、半年から1年間のウェイティングピリオド(待機期間)を経てからというのが一般的。さらに、年間に保険から支払われる最大額であるMaximum Benefitの額も1千ドルまでのものが主流であることから、虫歯を何本も治療という場合には、数年に分けて治療を受けるか、実費で負担することも考慮しなければならない。「インプラントや歯列矯正はほとんど保険対象外です。また、保険のネットワークに所属しているドクターの数によって掛け金も違うので、加入する際は、必ず確認した方が良いでしょう」と、石和田さん。



2 生命保険

「最低でも10年以上の長いスパンで
加入を考えてください」(石和田さん)

生命保険には、日本で「掛け捨て」と呼ばれる「定期保険」保険料を毎月積み立てていく「積立て保険」に大別される。

定期保険は、10年〜30年間といった一定期間内に被保険者が死亡した場合、保険金が支払われる。掛け金は購入した期間内は保険料が一定で変わらない。「掛け捨て」と呼ばれる満期になっても保険料が戻らないタイプの保険は、なるべく安い費用で保障を望む人に最適とのこと。また、定期保険の中には、満期時に保険料がすべて戻る「リターン・オブ・プレミアム(ROP)」というものもある。「これは、毎月支払っている保険金が、保険期間満了時に非保険者が生存している場合、すべて非課税で保険契約者に戻ってくるという人気の定期保険です」(石和田さん)。

積立て保険には、死亡保険金や積立額が殖えていくタイプ(「ユニバーサル・ライフ」)と死亡保険金が生涯なくならないタイプ(「終身保険」)がある。「ユニバーサル・ライフは、投資と貯蓄の性格を兼ね備えています。支払う保険料は運用投資されて、複利で積み立てられ、死亡保険金や積立額を膨らませることもできます。また、一定期間保険料を支払えば、将来、積立金からローンをすることもできる、最近の人気商品です」と石和田さん。
終身保険は、死亡保障が一生涯続き、保険料は積み立てられるので、貯蓄としての要素も備えている。ユニバーサル・ライフと同様、積立金からローンを組むことも可能だ。「中途解約する場合、その時点で貯まった金額を受け取ることができますので、貯蓄の手段として加入するのも良いでしょう。また、プランによっては一定期間保険料を支払えば、その後も保障が続くタイプの保険もあります」(石和田さん)。

保険選びのコツとしては、最低でも10年単位でプランを立て、月々の支払額、死亡時にいくらの保障が必要か、満期を何年に設定するかといった要素のバランスを図ることだという。自分に適したプランを色々と学ぶことが大切だ。


3 自動車保険

「何が保険でカバーされ、何がカバーされ
ないか、しっかり理解しておくことが大切」
(常石さん)

車社会のロサンゼルスでは切っても切れない自動車保険。自分の加入する保険の内容は良く理解しておきたい。常石保険のジュリー常石さんに聞いてみた。

まず、カリフォルニア州で加入が義務付けられているのが「Liability」(自賠責保険)。事故を起こした際の相手の医療費や物損に対する補償で、自分の損害に対する補償は含まれない。法律では対人1人1万5千ドル、1事故につき3万ドルの保障が最低ラインとされている。「弊社では、対人10万ドル/1事故30万ドルの補償が一般的です。ただし、家をお持ちの方やビジネスオーナーは、最低でも対人25万ドル/1事故50万ドル以上の補償に加入することをオススメしています」と、常石さん。

次に、搭乗者と同乗者の医療費を補填する「Medical Payment」。救急車やエマージェンシールームでの治療費をカバーしてくれる。ただし、医療保険に加入している場合は、まず自分の保険を使用することが前提。「カリフォルニア州は医療費も高いので、5千ドルの保障が良いでしょう。補償額を減らしても掛け金は月に数ドルほどしか違いません」(常石さん)。

カリフォルニア州で車を運転する人が忘れてはならないオプションが、「Uninsured Motorist」(無保険者保険)。保険未加入のドライバーによる損害を補償してくれる。注意したいのが、当て逃げなど相手が特定できなければ、この保険は適用されないことだ。また、自分の掛けているライアビリティー額以上は補償されない。

車をローン購入、リースしている人は必ず加入しなければならない「Physical Damage Coverage」(車輌保険)。これは衝突事故の際、自車の損害を補償する「Collision」と盗難やいたずら、火災などによる損害を補償する「Comprehensive」に分かれる。ただし、補償額の上限は自分の車の時価。「古い車を所有している人が高額補償のプランに加入しても意味がないと言えます」(常石さん)。

最後に「Deductible」(免責額)だが、500ドルから1千ドルが一般的とのこと。「自分の車の価値と月々の保険料のバランスを考えてプランを選んでください」と常石さんはアドバイスする。


4 住宅保険

住宅保険についても、前出の常石さんに聞いた。
住宅保険には、持ち家をカバーする「HO3」アパートなどの賃貸が対象の「HO4」コンドミニアムやタウンハウスが対象の「HO6」がある。

まず、「HO3」は、家財道具などの所有物、建物、ライアビリティー(対人・物損補償)の3つがパッケージになっている。水漏れ、天災、いたずら、火事、盗難によって所有物や建物が被害を被った際に、買い替え、建て替え費用(Replacement Cost)が支払われる。「天災でも地震、地滑り、洪水による被害はこの保険ではカバーされません。また、山火事の危険地域に指定されている所にある物件も対象外です」と、常石さん。掛け金は、築年数、建坪や部屋数、屋根や配管の材質などにより異なる。ライアビリティーは、自宅内でよその家の子供がケガをした際などに補償される。「自宅にプールがあるお宅は、50万ドル程度の補償がマストです」と常石さん。

レンターズポリシーと呼ばれる「HO4」は、所有物とライアビリティーに対する保障だ。所有物に関しては、所有物の詳細(型式やシリアルナンバーなど)と価値を列記したインベントリーを作成することで、万一の盗難の際には買い替え費用が支払われる。「アパート内だけでなく、旅行先や車上荒らしでカメラやラップトップなどが盗難された場合もカバーされます」(常石さん)。ライアビリティーの例としては、水漏れなどで階下の部屋に被害を出した場合の損害賠償などをカバーしてくれる。掛け金は年間200〜300ドル程度。

「HO6」は、所有物に対する保障に関しては、持ち物以外にキャビネットやカウンタートップ、床などのダメージもカバーされる。ライアビリティー保障もあるが、注意したいのは他者に損害を与えた場合の補償のみが対象という点。「タウンハウスで、ガレージのドアを自分で破損してしまった方がいましたが、ライアビリティーでこれはカバーされません」(常石さん)。


(2008年10月16日号掲載)