ライトハウス
Magazine Information

ライトハウスの特集

アメリカでの教育・進学、ビザ・法律、市民権・永住権、観光・レジャー、求人・仕事、グルメ・レストランなど、現地情報誌「ライトハウス」の過去の特集をご紹介。

夢を実現させた経営者たち(3)

Lighthouse編集部

独立・起業はアメリカンドリームの1つでもあり、日本よりもはるかに一般的だ。しかし、いざ起業しようとしても、不景気な昨今では相当の勇気が必要。ためらう人も多い。今回は、そんな時だからこそ、独立・起業した経営者たちに、彼らの軌跡や今後の展望を前向きに語ってもらった。


鍼灸師
周ジャッキーさん

Pacific College of Oriental Medicine卒業後、鍼灸・指圧師となる。現在、サンディエゴ市内にある日本クリニック内にオフィスを構える。定期的に「健康フェア」に参加しブースを出店。口コミで訪れる患者を多く診る。


会社名:Chou Jackie, MTOM, L.Ac.
業務内容:鍼灸・漢方・指圧
従業員数:1名
創業年:1996年



起業のきっかけ

鍼灸師は、基本的に個人で働くのが一般的です。私の場合、鍼灸クリニックで修業させてもらった後、まずは自宅で開業しました。

その後、患者さんを通して、サンディエゴのパシフィックビーチのクリニックと、コンボイにある日本クリニックにオフィスを構えました。日本クリニックにオフィスを持つことができたのは、現在院長である金先生がまだほかの病院で働いていらっしゃった頃、雑誌で金先生のことを知り、何の面識もないまま、直接電話をかけたのがきっかけです。「東洋医学を取り入れた医療を一緒にしてみませんか?」と話をしてみました。先生は、「今すぐにではないけれど、サンディエゴに日系のクリニックができる予定なので、その時には…」というお返事をくださいました。

その後、先生にはクリスマスカードを贈るなどしながら、チャンスを待ちました。そして2年くらい経ったある日、先生から連絡があり、「日本クリニックで鍼灸をしませんか」とお話をいただいたのです。

鍼灸師は、資格を取得すればすぐに起業することができます。実際に、鍼灸学校の同級生たちは、すぐに開業する人たちが多かったのですが、私はそうはしませんでした。というのも、学校では教科書に書いてあることを学ぶだけで、実践的なことはやはり現場で学ばなければいけないと思ったからです。私は、資格取得後も研修として鍼灸クリニックで経験を積み、知識やクリニック運営のノウハウを身に付けてから開業しました。

資格取得後すぐに開業した人たちの中には、経営的に伸び悩む人たちが多く、彼らを見ていると、やはり開業するには何年か実践を学び準備した方が良いと思いますね。

必要な資金は、場所を借りる費用くらいでした。契約にもよりますが、毎月定額のレントを払うよりも、売上金の何パーセントかを払うというスタイルの方が安心かと思います。



ビジネス運営のプロセス

現在、口コミでいらっしゃる患者さんが50%、広告が25%、イベントなどを通していらっしゃる方が10%、ドクターなどからの紹介が15%です。口コミが1番多いのは、どの患者さんにも「健康を導いてあげたい」という私の真剣な思いが、治療を通して伝わっているからなのかなと思います。

また、私はマーケティングにも力を入れています。イベント会社に登録しており、そこから定期的に「健康フェア」のお知らせをもらっています。フェアではブースを出すことができるので、そこで多くの人たちにアプローチしています。

先ほども話した通り、鍼灸師は基本的に個人で働きますので、保険や引退資金はすべて自分で加入します。細かなことはファイナンシャルプランナーにお願いしています。

特に不景気の時には、どのビジネスも売り上げが落ちることが多いと思いますが、そんな時だからこそマーケティングに力を入れ、効率良くビジネスを運営することが大切ではないかと考えています。お金の流れが悪い世の中で、先行投資をするのは勇気が必要。でも、これができる人が成功する人だと思います。



独立の喜びと苦しさ

自由な時間と自分の努力次第で、ハイリターンを得られることが最大の喜びですね。

一方どのビジネスもそうだと思いますが、自分の周りで働いてもらう人たちをマネージメントすることは、簡単ではありません。でも、「自分でやっちゃった方が早い」と仕事を任せられない人は、ビジネスを大きくすることはできないと思います。だから私は周りの人を信頼し、仕事を任せるようにしています。



これから目指すこと

この数年間で順調に推移したビジネスを、この不景気に惑わされず維持することですね。失敗を恐れる必要はありません。また立ち上がればいいわけですから。

独立して仕事をするということは、人との競争ではなく、自分との戦い。頼れるのは自分しかいないし、自分がやるしかないんです。自分で舵を取り、明日死んでも悔いはないと、1日1日を精一杯生きることが大切だと思いますし、それが私の信条です。今までそういう気持ちでやってきたからこそ、私のビジネスは軌道に乗ってくれたのだと思います。


《成功のポイント3カ条》
1 決断力
2 忍耐
3 野心




キャリアパス
----------------------------------------------------------------------------
1995年 Pacific College of Oriental Medicine卒業
1996年 鍼灸師資格取得
    サンディエゴ市内の鍼灸クリニックで修業後、自宅で開業



(2009年3月16日号掲載)